各界の第一線で活躍するキーマンが語る人材活用とは?
抜擢人事が組織を変える!「カオナビ Management Camp 2016」レポート
2016.12.27

株式会社カオナビは、2016年12月8日に品川インターシティホール(東京・品川)にて「カオナビ Management Camp 2016」を開催した。
当イベントは「抜擢人事が組織を変える」というテーマで、ビジネス界やスポーツ界の第一線で活躍する著名なマネージャーが登壇し、「激変する時代の中で、目指すべきマネジメント像は何か」を考える。今回は、抜擢人事を実践する企業の現場エピソードから「強い組織を作るための人材活用」にフォーカスしてレポートする。
抜擢人事の際に見るべきポイント
株式会社サイバーエージェント取締役・曽山哲人氏は、人材の市場価値はその人自身の決断の量と質にあるとしたうえで、態度の良さなどの「人間性」も重要だと述べた。
「管理職の登用基準に『人間性』という項目を入れています。なぜなら、人間性がしっかりしている人は、人望があるからです。たとえやり方が下手でも、人望があればサポートしてもらえますよね。しかし、人望がないと誰もついてこない。そのため管理職には人望がある人か、あるいは人望を磨こうとしている人を抜擢します」
続いて、株式会社TEAMBOX代表取締役兼(公財)日本ラグビーフットボール協会コーチングディレクター・中竹竜二氏が、選手選抜時の評価ポイントについて説明した。中竹氏によれば、選手の評価は「ON the BallとOFF the Ball」「ON the FieldとOFF the Field」の2つの軸で判断する。
まず「ON the BallとOFF the Ball」は、ボールを持っている時と持っていない時を指すが、要するにプレイ中のスキル面の評価だ。これは「ON the FieldとOFF the Field」の「ON the Field」に該当し、試合以外の時間にどれだけチームに貢献しているかを「OFF the Field」として評価する。選手同士は長い時間を共に過ごすが、大半が試合以外の時間だ。そのため、「OFF the Field」での働きも「ON the Field」と同様に重要なのである。
「OFF the Field」の重要性は指導者のみならず、選手自身も感じている。日誌に「今回の遠征でON the Field(試合中のプレイ)がうまくいったのは、OFF the Fieldがうまくいっていたからだ」と書く選手が多かったのだ。こうした面から「Better Athlete Better People(良いアスリートは良い人間である)」という言葉もあり、人間性はアスリートの能力を測るうえでも欠かせない要素だと言える。
中竹氏は「ビジネスにおいても、仕事上のパフォーマンスのみを『ON the Job』、仕事以外の生活の全行動態度を『OFF the Job』に分けて、それぞれ可視化して評価の軸にすることが大切です」と提言した。
日清食品ホールディングス株式会社人事部人材開発室課長・橋本晃氏も、人材抜擢時には「人間性」と「OFF the Job」の両方を見ると述べた。
「弊社のCEOは『迷ったらGO、ダメだったらすぐ戻れ』とよく言います。最近は海外の現地法人が増えているのですが、現地で黒字化できなくてもそれだけで評価を下げることはありません。そういった人が海外から戻ってきて、国内の事業部長を担当することもあります。つまり、単純な成果だけでなく『どれだけチャレンジしているか』という人間性も評価しているんです。そして、管理職は必ず年に何回か面談します。こうした対面でのコミュニケーションを通じて、OFF the Jobの部分も判断しています」
挙手制で意欲のある若手を育成
日清食品ホールディングス株式会社・橋本氏は、若手抜擢のキーワードは「ハンズアップ」だと述べた。
「日清食品はグローバル化を進めていて、グローバル人材の育成を課題にしています。海外にはスタートアップして間もない国もあり、そこで通用する人材を育成するには早く海外に行かせた方がいいだろうということで、プロジェクト参画は挙手制にしました。やりたい人にはどんどんやってもらいます。従来は年に2人だけ海外に異動させていたんですが、今年から異動先を10拠点にして、ハンズアップできるプログラムを増やしていったんですね。入社2年目からハンズアップできます」
日清食品には「人材育成『70:20:10の法則』」がある。仕事の経験からの学びが70、フィードバックからの学びが20、研修等からの学びが10。7割を占める「仕事の経験からの学び」を与えるには、早期に人材を抜擢し、海外登用や主要ポストにつかせることがカギになる。
会社の成長には人事異動が不可欠
株式会社サイバーエージェント・曽山氏は、リスクを恐れない思い切った人事の必要性を説いた。
「若手から責任者まで、力が余っていそうな人のリストを作って『彼らはすでに活躍しているが、異動したらもっと伸びるんじゃないか』と役員に提案したことがあります。そこで50人くらいピックアップしたところ、最終的に5人くらい異動しました。部署ごとに個人を見るのではなく、全社の資産として個人を見るようにしたんです。要は、人材を全社資産にすることです。人材を縦割り配置しちゃうと、一気につまらなくなるんですよね」
日本ラグビーフットボール協会・中竹氏もこれに同意し、ポジションチェンジの有用性に言及した。
「選手も、配属されるチームによってポジションが変わることがあります。ポジションチェンジもひとつの抜擢人事だと思うんですよ。もちろん、中には自分で練習を重ねてきたポジションが変わることを受け入れられない選手もいます。そういう時は『気持ちはわかるけど、お前のポジション変更について、お前と俺、どっちの方が悩み抜いたと思う?絶対活躍すると思うよ。でも、自分で最後は決めてね』と言います。これを言うと、ほぼ100%ポジションチェンジを受け入れますね。自分で納得しないと伸びないですから、最後は自分で決めさせるのが重要です」
抜擢人事はチャレンジ要素が強く、二の足を踏む人事担当者も少なくない。しかし、社員のやりがいに繋がり、会社成長のきっかけになる可能性を秘めているのだ。
執筆者紹介

萩原かおり(はぎわら・かおり) フリーランスのライター・編集者。美容と心理が専門で、婚活パーティーの取材人数は200人を超える。三度の飯と執筆が同じくらい好き。求人・化粧品・社史制作を経て独立。現在は執筆業を中心に、取材記事から広告・LP・メルマガ作成まで幅広く活動中。休日はエステとジムに通い詰める美容オタク。 https://note.mu/hagitaro1010
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