@人事ニュース解説ぷらすvol.5
ハローワークにAI導入、企業の採用業務に新たな支援体制が始動
2025.04.24

厚生労働省は、ハローワークにおけるAI(人工知能)活用の実証事業を令和7年度より本格的に開始する。そのため、企業の人事担当者や経営者がハローワークを通じて求人活動を行う際の利便性・効率性が大きく向上することが期待される。
参照:「将来を見据えたハローワークにおけるAI活用について」をとりまとめましたので、公表します|厚生労働省
ハローワークを利用する人事担当者や経営者への想定される影響などを解説する。
目次
求人票の精度向上とマッチング支援
今回の取り組みにおいて注目すべき点は、求人情報の作成や調整にAIが直接関与する点だ。例えば、求人票に記載された条件に対し、AIが「応募率の向上が見込まれる緩和案」や「表現の改善点」を提示する機能が試験的に導入される。
さらに、AIは求人票ごとのパフォーマンスを分析し、企業に対して求人の閲覧数や応募数に基づいたレポートを自動生成する機能も備える。これにより、人事担当者はデータに基づいた迅速な意思決定が可能になる。
出所:「将来を見据えたハローワークにおけるAI活用について」|厚生労働省より
応募者の質・量に変化の可能性
ハローワークインターネットサービス(HWIS)では、チャットボットによる求職者対応が導入される予定。求職者は、自身の希望条件に合致する求人をAIのサポートで効率的に探すことができる。
この結果、企業には「自社求人に適した応募者」がよりマッチして届く可能性が高まり、選考工程の精度向上も期待される。
出所:「ハローワークにおけるAI検討プロジェクトチーム」結果報告書」|PwCコンサルティング合同会社より
AI時代の人事に求められる姿勢とは
取り組みでは、「AIはあくまで職員や企業を支援するツールである」というスタンスが強調されている。すなわち、AIが提案する内容は補助的なものであり、最終的な判断や対応は人間が担う前提だ。
したがってAIに関する基本的な理解も、人事担当者に求められるリテラシーの一部となるだろう。
出所:「ハローワークにおけるAI検討プロジェクトチーム」結果報告書」|PwCコンサルティング合同会社より
今後の展望と注意点
令和7年度は、全国10カ所のハローワークにおいて実証実験が行われる。企業は、AIの導入状況やその成果を注視しつつ、将来的な本格導入に備えて、自社の採用プロセスや求人票の作成体制の見直しを進めておく必要がある。
なお、生成AIの活用には倫理的・技術的リスクも伴うため、厚生労働省はリスク評価や研修体制の整備も並行して進めている。
人手不足や採用の難易度が高まる中で、AIを活用した公的支援の強化は、企業の採用活動における新たな武器となる可能性があるため、今後の動向に注目が集まる。
参考情報
・「将来を見据えたハローワークにおけるAI活用について」[1.5MB]
・令和6年9月30日プレスリリース「ハローワークにおけるAIの活用について検討するための省内プロジェクトチームを設置します」
・令和6年度厚生労働省委託業務『「ハローワークにおけるAI検討プロジェクトチーム」結果報告書」』(PwCコンサルティング合同会社受託)[1.6MB]
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