リープフロッグ合同会社(横浜市)は、代表・松田純子氏の著書『小さな会社の広報大戦略』を日経BP 日本経済新聞出版より発売した。
スタートアップ、中小企業向けに企業成長につながる広報活動を実現するための広報戦略をまとめた一冊で、Sansan、クラシコム、ヤッホーブルーイングなど成長著しい小さな会社(元小さな会社)の広報部門を取材し、実際の取り組み事例を豊富に掲載している。以下、リリースより。
『小さな会社の広報大戦略』
日経BPOOKプラス:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/24/01/09/01204/
Amazon:www.amazon.co.jp/dp/4296118218
■出版社 : 日経BP 日本経済新聞出版
■発売日 : 2024年2月15日
■著者:リープフロッグ合同会社 松田純子、株式会社SPRing 高橋ちさ
■定価:2200円+税
■単行本 : 304ページ
日経BPOOKプラス:https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/24/01/09/01204/
Amazon:www.amazon.co.jp/dp/4296118218
※全国書店、オンライン書店で発売中
成長著しい小さな会社(元小さな会社)の広報部門を取材し、実際の取り組み事例を豊富に掲載しています。
Sansan株式会社、株式会社10X、株式会社クラシコム、キャディ株式会社、株式会社ビビッドガーデン、株式会社ヤッホーブルーイング、株式会社ビットキー、株式会社ビザスク、株式会社スパイスボックス、株式会社No Company(順不同)
第1章 ダメ広報部の典型的な失敗例
【事例1】広報を「無料の広告」と勘違いしている/人材業界の中小企業A社
【事例2】広報活動=メディア露出獲得だと考えている/IT業界のスタートアップB社
【事例3】社内が広報部に無関心/サービス業界スタートアップC社
第2章 小さな会社にも広報部が必要な理由
・ 広報は会社の成長に必要な「関係」を構築する
・ 広報と広告の違い
・ 小さな会社が広報活動をはじめる理由①「情報発信の手軽化」
・ 小さな会社が広報活動をはじめる理由②「広報成果の見える化」
・ 広報をしないことがリスクになる
・ 攻めの広報がもたらす効果
・ BtoB企業の広報は売上に貢献するか など
第3章 ゼロからの広報部の作り方
・ 自社オリジナルの強みがある【5つの条件①】
・ 広報活動の目的が明確化している【5つの条件②】
・ 一定の予算・担当人員が確保できる【5つの条件③④】
・ トップが広報活動にコミットしている【5つの条件⑤】
・ 広報部立ち上げ期に最適な組織とは
・ 立ち上げ期の広報戦略
・ 目的達成のための広報施策の考え方
【事例】Sansanの広報戦略の考え方、ロードマップ など
第4章 広報部の業務
・ 小さな会社の広報業務とは
・ メディアリレーションズの4つの必須アイテム
・ メディアアプローチ手法 (1)プレスリリースの作成、配信
・ メディアアプローチ手法 (2)記者クラブ
・ メディアアプローチ手法 (3)メディアキャラバン
・ メディアアプローチ手法 (4)記者向けイベント
・ メディアアプローチ手法 (5)ニューズレター
・ これだけは知っておきたい! 取材対応ガイド
・ 小さな会社の「採用広報」
【事例】10Xの採用広報
・ 小さな会社の「社内広報」
【事例】クラシコムの社内広報
・ AIは広報の仕事をどう変えるのか? など
第5章 一番難しいBtoBの小さな会社の広報戦略
・ 第一人者と認識されるためにどんな情報発信をすべきか
・ インターネット時代の情報発信で意識すべきSEO
・ 成果への“遠回り”を防ぐ4つのポイント
・ 企業、事業、商品·サービスの強みの「言語化」【4つのポイント①】
【事例】キャディの会社、プロダクトの強みの言語化
【事例】Sansanの事業、プロダクトの強みの言語化
・ 最初から出るメディアを選び過ぎない【4つのポイント②】
・ 持続可能な体制を作るための6つの質問【4つのポイント③】
・ どんな会社にも「自社特有の弱点」はある【4つのポイント④】 など
第6章 社内の巻き込み方、広報活動の評価、危機管理広報
・ 「広報部の広報」の仕方
【事例】他社はどうやって「広報部の広報」をしているのか
【事例】マーケティング部門、人事部門との連携
・ 小さな会社の「広報活動の評価」
・ 自社に合った評価指標の考え方
【事例】他社ではどんな風に評価しているのか?
・ 小さな会社の「危機管理広報」
・ 社員のSNS利用ガイドライン
・ 企業フェーズごとの広報活動の変遷
【事例】ビットキーの事業成長に合わせた広報活動の変遷 など
第7章 広報担当者の採用と育成
・ 広報担当者に向く人材
【事例】他社はどんな基準で広報担当者を選んでいるのか
・ 広報担当者に「向かない人材」を見抜く方法
・ 異動か採用か
・ 未経験·新人広報担当者の育成 など
第8章 P R会社・P Rサービスの活用方法
・ PR会社·PRサービスにはどんな種類があるのか
・ PR会社·フリーランスPR人材への依頼の仕方
・ 失敗例から学ぶ「依頼」の基礎知識
・ PRサービスを利用するための費用 など
【巻末付録】
プレスリリーステンプレート、取材対応総合ガイドなど
広報活動に必須の10ファイル無料ダウンロードつき
各章・項目の詳細は、こちらのリンクをご覧ください。
早稲田大学卒業。求人広告のコピーライターを経て、2007年よりワークスアプリケーションズ、博報堂グループのスパイスボックスで広報業務に従事。広報部を立ち上げたスパイスボックスでは、初年度から400媒体以上の露出を実現、「広報活動によって1億円の売り上げに貢献した」として局長賞を受賞。経営戦略室マネージャーを経て2019年に、BtoB企業向けに伴走型、人材育成型で広報部立ち上げ支援を行うリープフロッグ合同会社を設立。「外から来る広報マネージャー」をコンセプトに多くの企業を支援。広報関連の勉強会の主催や登壇、メディアでの寄稿・連載多数。
HP:https://leapfrog-pr.net/
note:https://note.com/leapfrog_pr
共著者/株式会社SPRing 代表取締役 高橋ちさ
【本書、著者の講演等に関するお問合せ】
リープフロッグ合同会社
Mail: info@leapfrog-pr.com
HP: https://leapfrog-pr.net/
【プレスリリース「スタートアップ、中小企業向け広報戦略をまとめた新刊『小さな会社の広報大戦略』(日本経済新聞出版)が2024年2月15日発売!」(PR TIMES)より|2024年2月15日|リープフロッグ合同会社】
]]>キャリアや就職・転職に特化した匿名相談サービス「JobQ(※1)」を開発・運営するライボ(東京・渋谷)は、487人の社会人男女を対象に実施した「2024年 ハラスメントの境界線調査」の結果を発表した。
調査結果によると、ハラスメントの境界線を正しく認識しているのは26.2%で、境界線意識は「高くなっている」と回答したのは53.6%だった。
また、全体の56.8%がハラスメントを「気にしすぎだと思う」と回答し、年代別では40代が最多だったほか、全体の83.1%が〇〇ハラが増加する時代に「合わせる」も 69.1%が「生きにくい」と回答してる。以下、リリースより。
関連記事:学歴社会は古いが必要。年代別の「必要派」は20代が最多、50代が最低
昨今、個人が違和感や不快感を覚える度に「〇〇ハラ」と名称がつくなど、時代の変化とともにハラスメントの種類が増えていることで、職場での発言にハードルを感じる風潮があります。過去のJob総研調査(※3)では、8割がハラスメントの境界線に神経を使っており、特に中間管理職層が「ハラハラ」に悩まされていることがわかりました。職場でのコミュニケーションにも慎重さが必要になる中、実際に働く社会人はハラスメントについてどのような意識を持っており、ハラスメントの境界線はどのように変化しているのでしょうか。
そこでJob総研では587人の社会人男女を対象に、ハラスメントの境界線の認識と意識や、ハラスメントへの敏感さと年代別割合、また職場でハラスメントが気になった経験と話題、さらに「〇〇ハラ」が増加する時代への賛否とその理由、及びハラスメントの風潮への意識と年代別割合、そして「〇〇ハラ」が増加する時代への向き合い方と価値観などを調査した「2024年 ハラスメントの境界線調査」を実施しました。
調査対象者 :現在職を持つすべての社会人
JobQ Town(ジョブキュータウン)登録者
調査条件 :全国 / 男女 / 20~50代
調査期間 :2024年2月14日~2月19日
有効回答数 :587人
調査方法 :インターネット調査
回答者全体の587人にハラスメントの境界線を聞くと、「正しく認識している」が26.2%、「認識しているつもりだが正しいかは曖昧」が47.7%、「なんとなく認識している」21.3%、「全く認識していない」4.8%でした。同回答者にハラスメントの境界線への自身の意識を聞くと、「高くなっている派」は53.6%で過半数を占め、内訳は「とても高くなっている」13.8%、「高くなっている」17.4%、「どちらかといえば高くなっている」22.4%でした。
回答者全体の587人に職場でのコミュニケーションの際のハラスメント意識を聞くと、「敏感になっている派」は81.3%で過半数を占め、内訳は「とても敏感になっている」22.8%、「敏感になっている」24.9%、「どちらかといえば敏感になっている」33.6%でした。年代別の回答では40代の「敏感になっている派」が87.1%で最多となり、次いで50代が86.8%、30代が82.1%、20代が73.4%の結果になりました。
回答者全体の587人に職場で他人の発言がハラスメントかどうかが気になるかを聞くと、「気になる派」は78.7%で過半数を占め、内訳は「とても気になる」18.9%、「気になる」24.2%、「どちらかといえば気になる」35.6%でした。気になると回答した462人に特に神経を使う話題を聞くと、「外見や体型に関する内容」が61.0%で最多となり、次いで「家族や個人的な問題に関する内容」が55.2%、「性別に関する内容」が52.2%と、上位3つの回答となりました。
※更に詳細な集計データは別紙の「2024年 ハラスメントの境界線調査 報告書」をご参照ください(※4)
回答者全体の587人に〇〇ハラが増加する時代への賛否を聞くと、「賛成派」は69.5%で過半数を占め、内訳は「とても賛成」16.2%、「賛成」14.5%、「どちらかといえば賛成」38.8%でした。賛成と回答した408人にその理由を聞くと「個人によって受け取り方が違うから」が53.7%で最多となり、次いで「心理的に安全な環境を作れるから」が48.0%、「被害/加害の予防ができるから」が43.6%と、上位3つの回答となりました。
回答者全体の587人にハラスメントの風潮への意識を聞くと、「気にしすぎだと思う派」は56.8%で過半数を占め、内訳は「とても気にしすぎだと思う」10.9%、「気にしすぎだと思う」13.5%、「どちらかといえば気にしすぎだと思う」32.4%でした。年代別の回答では40代の「気にしすぎだと思う派」が63.4%で最多となり、次いで50代が57.8%、20代が54.6%、30代が53.4%の結果になりました。
回答者全体の587人に〇〇ハラが増加する時代との向き合い方を聞くと、「時代に合わせる派」が83.1%で過半数を占め、内訳は「しっかりと時代に合わせる」12.9%、「時代に合わせる」35.8%、「どちらかといえば時代に合わせる」34.4%でした。同回答者に〇〇ハラの増加に対する価値観を聞くと、「生きにくい派」が69.1%で過半数を占め、内訳は「とても生きにくい」13.6%、「生きにくい」17.9%、「どちらかといえば生きにくい」37.6%でした。
※更に詳細な集計データは別紙の「2024年 ハラスメントの境界線調査 報告書」をご参照ください(※4)
〇〇ハラが増えることにより、生きにくさが増すという趣旨のコメントが顕著でした
※その他、ハラスメントの境界線に関するコメントは下記「JobQ Town」にて確認いただけます。
https://job-q.me/27619
今回実施した「2024年 ハラスメントの境界線調査」では、全体の3割弱がハラスメントの境界線を「正しく認識している」と回答し、全体の半数がハラスメントの境界線意識が「高くなっている」と回答する結果となりました。また、全体の8割が職場で他人の発言がハラスメントかどうかが「気になる」と回答し、特に「外見や体型に関する話題」や「家族や個人的な問題に関する話題」、「性別に関する話題」が気になるという回答が多数となりました。
また、全体の8割が職場でのハラスメントに「敏感になっている」と回答し、年代別では40代の意識が最多で、2023年の調査(※3)では6割だった同設問が今年は8割を超えるなど、徐々にハラスメント意識が高まっていることがわかります。この意識の変化には、昨今SNSを中心に注目された「マルハラ」や「カスハラ」などの新しいハラスメントの登場が関係していると考えられます。
意識が敏感になる中、「〇〇ハラ」が増加する時代には全体の7割が「賛成」と回答しており、「個人によって受け取り方が違う」や「心理的に安全な環境作り」、「被害/加害の予防」が賛成理由となるなど、個人の価値観を尊重する意識が高いことがわかりました。しかし全体の5割強はハラスメントを「気にしすぎだと思う」と回答し、特に40代の意識が最多となるなど、ハラスメントに最も敏感な40代でしたが、実は「気にしすぎ」とも考えているリアルな本音が窺えました。
そして、全体の8割が「〇〇ハラ」が増加する時代に「合わせる」と回答しているものの、全体の7割が「〇〇ハラ」が増加する時代は「生きにくい」と回答していることから、社会人のハラスメントに対する考えには、本音と建前が存在すると見受けられます。
現時点で法律により禁止されているのは「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」の3つのみですが、ハラスメントの種類にかかわらず、職場での発言には気を配る必要はあります。しかし、多様性が尊重される一方で、個人が簡単に「ハラスメント」を作り出すだけでなく、それを容易に権威として振りかざすこともできる社会情勢により、40代をはじめとした上司世代の意識が、より敏感になっていると推察できます。法律で禁止されるハラスメントが今後増える可能性も考えられるため、生きにくさが職場コミュニケーションや成果に影響を及ぼす場合は、職場内だけでなく、個人単位で発言を見直す機会の必要性が見られる調査結果となりました。
Job総研では今後も働き方に関連する様々な調査を実施し、リアルで透明度の高い情報を発信することで個が活躍する社会の実現を目指してまいります。
2021年にJob総研を立ち上げ、その後”働く社会人や就活生”を中心に様々な観点から意識や行動などについて調査研究を実施。市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで働く社会人や就活生の選択機会に貢献する事を目的としている。
またJob総研の調査をもとに各大学で「キャリア設計」の授業を実施する他、多くのメディアでキャリアや働き方など社会との関連などを解説している。
【(※4) 2024年 ハラスメントの境界線調査 報告書】
報告書では同調査の属性やその他設問の回答結果をより詳細にご確認いただけます。
https://job-q.me/articles/15552
【(※3) 2023年 ハラスメントの境界線調査 報告書】
https://job-q.me/articles/14998
Job総研は就職・転職やキャリア全般に関する研究や各種調査の実施により、市場の現状と未来を分析し、社会へ発信することで就転職関連市場に貢献する事を目的とし立ち上げられました。
就職・転職・働き方・ランキング・働く女性など多数のジャンルで信頼できる情報を発信していくことにより、就転職活動に役立てていただくことや、キャリアに関する不安や悩みを解決する一助として”個が活躍する社会により良い選択の機会”を提供し就転職市場に貢献してまいります。
「あなたが知りたい”働く”は誰かが知っている」をコンセプトに運営するJobQの累計登録者数は40万人を超え、キャリアや転職に関する情報交換と相談ができるサービスです。具体的な企業名を検索して、現役社員や元社員による口コミだけではなく、仕事全般に関する悩みや就職・転職への不安など漠然とした内容も含まれ、匿名によるユーザ同士でコミュニケーションを取りながら、より良い選択をつくる場になっています。
■JobQ”学歴”に関するQ&A
https://job-q.me/tags/21833
会社名 :株式会社ライボ
設立 :2015年2月3日
代表取締役 :森 宏記(もり こうき)
所在地 :〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1丁目19-9第一暁ビル3階
事業内容 :キャリアや転職に特化した匿名相談サービス「JobQ」の企画・開発・運営
グループ会社 :2019年3月1日 パーソルキャリア株式会社にグループイン
ホームページ :https://laibo.jp/
JobQ :https://job-q.me/
【プレスリリース「Job総研による『2024年 ハラスメントの境界線調査』を実施 8 割が敏感も 40 代の”気にしすぎ”の声 “〇〇ハラ疲れ”か」(PR TIMES)より|2024年3月4日・株式会社ライボ】
]]>いわゆるZ世代と呼ばれる年代の若者にいま、「管理職離れ」が起きているという。企業の人事担当者にとっては、単なる就業観の多様化だけでは片づけられないこの課題は、人材育成にとどまらない企業の成長戦略にまで影響を及ぼしかねない。
学生の「管理職離れ」の実態と理由、これからの時代に必要なアプローチなどについて、株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ 研究員の長谷川洋介氏が解説する。
関連記事:マイナビ「2025年卒新卒採用・就職活動の展望」レポート|25年卒の内々定は早期化の見通し。企業は就活生と密なコミュニケーションを
長谷川氏はまず、マイナビニュースで連載されている「Z世代と働く」という漫画の紹介を皮切りとして、Z世代に対して抱かれている「出世欲がない」「昇進に興味がない」「管理職になりたがらない」といったイメージを紹介し、その実態と理由をマイナビの調査を基に解説した。
長谷川洋介
新卒採用領域を担当。2017年中途入社。「マイナビ転職」の求人情報や採用支援ツールの制作に携わった後、現職。就職活動中の学生を対象にした調査や、就職活動生の保護者調査などを担当し、若年層の思考や世代間ギャップなどに関心を持つ。その他関心領域は、エッセンシャルワーカー、SFプロトタイピングなど。
(マイナビキャリアリサーチラボ著者詳細より)
アメリカのZ世代を中心に広がっているとされる「静かな退職」と呼ばれる現象も、キャリアアップや昇進を目指さない働き方を指しており、今年度就職活動を行った学生を子どもに持つ保護者を対象に行った調査の結果でも、Z世代である子どもたちから「1つの会社に勤めあげるというイメージが少ない」「出世欲がない」といった印象を受けるという回答があった。
こうした、Z世代は管理職になりたがらない、出世やキャリアアップに消極的、といういわば「管理職離れ」というイメージは、果たして本当なのか。
学生に対し、給与を上げていく方法として「出世して管理職になる」という方法と「働き方と仕事のレベルを上げていく」という2つの働き方があると仮定した場合に、自分の希望する働き方について最も近いものを選んでもらった。
結果として、最も多かったのが「仕事のレベルを上げつつ出世して管理職にもなりたい」という回答だったが、その割合は42.1%と、半数には届かなかった。次いで多かったのが、「仕事のレベルを上げていきたいが、管理職にはなりたくない」という回答で、38.8%と4割近くに迫った。
これらはいずれも「仕事のレベルを上げていく」という部分は共通しており、Z世代や最近の若者が向上心がないわけではなく、仕事のレベルアップを通じて給料を上げていくこと、すなわちキャリアアップを目指している。ただ、管理職になるということ自体は望んでいない学生も多く、キャリアアップをして給料を上げていくということと出世して管理職になるということが必ずしもイコールでつながっていないことが分かる。
仕事のレベルは上げていきたいが管理職にはなりたくないと回答した学生にその理由を自由記述で回答してもらった結果、管理職という働き方に対して、忙しい、業務量が多い、責任ばかり増える、仕事量と給料の釣り合いが取れていない、ワークライフバランスが取れないといったネガティブなイメージを抱いていることが伺えた。
Google検索で「管理職」と検索した際、サジェスチョンに「管理職 罰ゲーム」というワードが出ており、最近ではこのワードに関する記事や書籍も刊行されている。それ以外のサジェストワードを見ても、「なりたくない」「休日出勤」「残業」といったネガティブなイメージを連想させるワードが多く見られる。学生が管理職に抱いているネガティブなイメージも、世間一般のイメージに近いものと思われる。
では学生が実際に思い描いているキャリアアップとはどういったイメージなのか。
「あなたにとってキャリアアップとは何ですか」という質問に対して最も近いものを1つ選んでもらった。最も多かったのが「自分の業務スキル・レベル・難易度を上げていくこと」、次いで多いのが「新しい業務領域に次々と挑戦して幅広く経験値を上げていくこと」で、「出世して管理職になること」は3番目という結果に。
ここでも学生が「キャリアアップ」という言葉に対して抱いているイメージが決して一様なものではなく多様な働き方を含んでいることが分かる。
最も多かった「自分の業務スキル・レベル・難易度を上げていくこと」と回答した理由として挙げられているのは、「自分のスキルを上げていくことで自身の市場価値を上げていく」「どんな環境や部署であっても対応可能なスキルを獲得する」「専門性の高い職業人として成長する」といったものであり、VUCAと言われる現代において、働き手として高いスキルを身につけることで自律的にキャリアを築こうとするZ世代の姿勢が見えてくる。
次に多かった「新しい業務領域に次々と挑戦して経験値を上げていくこと」を選んだ理由としては、「まず自分自身のコアとなるスキルを身につけてそれを生かしながら他のフィールドに挑戦することで全社的な広い視野を獲得したい」といった趣旨のコメントが見られた。1つのことを極めることを美徳とする観点から見れば「忍耐力がない」「飽きっぽい」といった印象を持たれかねないこの考え方も、決してそうではなく、1つのフィールドでスキル的に習熟したことを自分自身の成長と捉えてさらなる成長、持続的な成長に向けて次なるフィールドを選んでいくという姿勢が現れていると言える。
3位となった「出世して管理職になること」を選んだ理由としては、自分が獲得したスキルを部下や部下の育成・指導を通じて部下や社内に還元したいという気持ちや、出世とは周囲から得られた高評価の結果であるという受け止め方が見られ、出世自体を目的化せずに周囲から十分な信頼や評価を得られるような働き方をし、その結果として出世があるという考え方が垣間見える。
長谷川氏はここでいったん話題を変え、日本型雇用システムが抱える「ポスト不足」の問題に言及した。
日本の高度経済成長を支えてきた日本型雇用の特徴の一つが「長期雇用慣行」である。長期雇用慣行ではポスト競争によって従業員のモチベーションを維持することが不可欠であり、高度経済成長期には企業の規模も右肩上がりに拡大していたため、従業員に対して十分なポストを用意することができた。ところが成長期を過ぎ、企業の成長が鈍化するのに加え、団塊の世代がちょうど管理職の年齢に差し掛かったことも重なって、ポストが足りなくなるという事態が発生した。
この事態に対して従業員の動機づけを維持するために生み出されたのが、ポスト増設のための「部下なし管理職」である。多くの企業が従業員のモチベーション維持のために本来であれば用意できなかったはずのポストをいわば力技で用意したということからも、出世して管理職になることが日本においてはほぼ唯一のキャリアアップの手段であったと言える。
学生の思い描いているイメージがキャリアアップのイメージが多岐にわたっていることを考えれば、管理職になるという道だけではZ世代の働き手たちの希望するキャリアを実現することはできない。ましてや、管理職のポストが不足する時代には、「管理職にはなりたくないがキャリアアップはしたい」という学生のニーズをかなえることが重要になってくる。
一方で管理職になりたいという学生も一定数いるので、それも決して無視できる割合ではない。ポスト不足の時代にあっても、部下あるいは後進の後輩たちの育成を通じて社会に貢献したい、あるいは評価の結果として管理職になりたいというモチベーションを持つ学生のニーズも、同時にくみ取っていく必要がある。
ここまでの解説を踏まえ、長谷川氏はこれからの時代に必要とされる3つのアプローチを提示した。
1つ目に考えられるアプローチは、「管理職になる」以外でキャリアアップ・昇給を実現できる豊富なキャリアパスを提示すること。
どのようなキャリアパスがあればその企業への志望度が上がるかという質問を学生にした結果、最も多かったキャリアパスは「社内公募などにより自分のやりたいことにチャレンジできる」で45.9%だった。その他の項目としては、「管理職として出世していく」「育児や介護などライフステージに応じて職位や役職を変更できる」「リスキリングなどを通じて働きながら新しいスキルを学べる」といったキャリアパスも同じくらいの割合の回答があった。
こうした結果から考えられるアプローチとしては、社員が自分の希望するキャリアを自律的に社内で選択してキャリア構築できる社内公募制度を拡充・浸透させていくこと、リスキリング支援を通じて社員が新しいスキルを学び直す機会を提供すること、ライフステージに応じて職位や業務・責任の幅を柔軟に加減できる人事制度を導入することなどが考えられる。
2つ目は現役管理職世代の負担軽減により、若手が持つ管理職に対するネガティブなイメージを払拭すること。
マイナビが正社員を対象に、現在の役職と今後出世したい役職を調査した結果を見ると、「これ以上の出世を望まない」という割合が高く、実は管理職離れは現役の管理職世代でも起きていることなのではないか、むしろ現役世代の管理職離れ、管理職疲れが若い世代の管理職離れを引き起こしているのではないかとも考えられる。冒頭の学生のコメントにも、管理職になるとデメリットの方が多いと親から言われたといったものがあり、この考えを裏付ける。
現役世代の管理職疲れ管理職離れを改善して次世代の働き方にとって管理職へのネガティブなイメージを払拭していくこと。そのためには、まず現役世代の管理職の負担軽減が欠かせない。特に学生のイメージで多かった「業務量が多い」「ワークライフバランスが保てない」といった不安に対して管理職の長時間労働の是正や待遇面の改善による納得感を増していくことが重要になってくる。
また昨今話題になっている、AIによる業務負担の軽減といった方法も考えられるかも知れない。
3つ目には、管理職になりたい人にポストを用意するためにできることを検討することが考えられる。
管理職になりたいと望む学生も一定数おり、そうした学生に対してもキャリアバスを用意するために、これまで管理職の業務としてまとめられていたタスクをいくつかに分解し、タスクごとに担当を割り振って管理職の業務を分担するという考え方がある。実際にとある企業で導入されている事例を参考にすると、例えば部下の育成指導担当、業務管理担当、事業推進担当、あるいは会社の上層部との折衝・調整担当など、業務を細分化し、それぞれに対して得意な人材を割り振る。「~専門部長」のような管理職を増やしていくというもの。これはポスト不足の解消につながる可能性もある。
また、学生の志望度が上がるキャリアパスで出てきた、「ライフステージの変化に応じて自由に上り降りが可能なキャリアパス」を実現できる制度が普及すれば、結婚や出産育児、あとは介護などで一時的にキャリアのステージを一段下りて、落ち着いたら復帰するようにすれば、ワークライフバランスも維持でき、そのポストを預かる代理の人材にとっても管理職の業務を経験できて個人のスキルアップにもつながると考えられる。
関連記事:マイナビ「2025年卒新卒採用・就職活動の展望」レポート|25年卒の内々定は早期化の見通し。企業は就活生と密なコミュニケーションを
【編集部注】本記事は2月22日にマイナビが開催した、報道向け発表会の内容をもとに制作しています。記事中の画像(資料)も同日配布されたもので、無断使用はご遠慮ください。
]]>マイナビが2023年10月に実施した「2024年卒企業新卒内定状況調査」によると、2025年卒も新卒採用を実施する予定の企業は79.9%と例年並みだが、企業の採用意欲は活発で採用数を「増やす」予定の企業が前年に比べさらに増加している。
一方で、採用活動に関する見通しは、「厳しくなる」とする企業が78.9%※と、今まで以上に人材獲得競争が激しくなる見通しだ。
※マイナビ「2024年卒企業新卒内定状況調査(2023年10月実施)」
インターンシップなどの状況や25年卒新卒採用の概観と見通し、就活生の価値観などについて、株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ 主任研究員の東郷こずえ氏が解説する。
東郷氏はまず、25年卒新卒採用の大きなトピックスであるインターンシップ定義改正による影響について取り上げた。
東郷 こずえ
2007年、中途で入社。営業推進、サイトデータ分析部門などを経て、現職。主に新卒採用領域において、年間約40件の学生および企業向けアンケート調査の立案・運用・分析を手掛ける。就職活動生に限らず、ワークとライフの調和を実現するキャリア形成に関心が高い。国家資格キャリアコンサルタント。
(マイナビキャリアリサーチラボ著者詳細より)
インターンシップ・仕事体験の状況としては、学生の参加率が調査を開始して以来最も高い85.7%となった。企業側の実施率は一見やや下がっているように見えるが、今回からオープンカンパニーは除くと明記した影響と思われ、半数程度が引き続きインターンシップ・仕事体験を実施している。
特に25年卒の特徴としては、学生は6月からインターンシップ・仕事体験の参加率が高かったという点が挙げられる。前年から10.9ポイント増加して39.8%だった。
理由としてはさまざまな要因が考えられるが、インターンシップの定義改正によってインターンシップに参加した情報が採用選考に使われるという情報の認知度が高く、関心がより高まったことが一因と思われる。
定義改正の影響により、インターンシップという呼称を用いるためには実際の職場での実務体験を一定の日数以上しなければならない。その影響もあってか、実際の職場で何らかの経験をする割合が増加している傾向が見られた。これはインターンシップの定義改正のポジティブな影響の一つと考えられる。
一方で、実際の職場に学生が入るため、定員が限られてしまうという課題がある。そのためインターンシップに参加するための選考が厳しくなるのではないかという懸念もあった。
25年卒学生のインターンシップ参加率は高い水準となっているが、参加したかったが選考で落ちたために参加できなかったという学生の率が前年から15.7ポイント増加している。
インターンシップの定義改正は25年卒が初年度であり、その内容をしっかりと企業側が理解する前に活動が本格化してしまった点も懸念として挙げ
られる。
特に、インターンシップに参加した時の情報を採用選考時に利用して良いという情報が学生にも企業にも強くインプットされていたようだが、実際にどのように使うのかなど、方針が明確に決まってないままスタートした実態がある。
おそらく26年卒に向けては、25年卒のノウハウが生かされてくると思われる。
次に東郷氏は、25年卒新卒採用について、概観と内々定獲得状況の進捗、就活生の価値観などを解説した。
企業側の状況としては、新卒に限らず人材採用ニーズが高まる中、採用環境としては厳しくなるという回答が8割近くになっている。理由として、新卒学生全体の数が減少していること、それにもかかわらず新卒採用をする企業が増えていることなどが挙げられている。
個社ごとの理由はさまざまにあると思われるが、比較的マクロな視点での課題が大きいと企業側も認識していることが分かる。
学生側では、2月の時点での状況について、「エントリーする企業を検討している」という回答が前年に引き続き最多ではあるが、その割合がここ数年減少し続けており、今年は6割を切っている。従来の採用スケジュールにのっとれば、就活は3月1日からスタートするため、2月にはエントリーする企業を探しているというのが一般的な動きだが、それが減少傾向にあるのが状況の変化点として挙げられる。インターンシップ・仕事体験の参加率が上昇していることもあり、これまでの期間に多くの企業と出会ってある程度応募先を絞り込むような動きが主流になっていると言える。
反対に増加しているのが、「インターンシップに参加した企業へのエントリーシート提出」や面接を受けたといった項目。これは採用スケジュールのルールに反するが、実態として既に採用選考に関わるアクションを起こしている学生が増えていることが見て取れる。
そのため、内々定率についても前年を上回って進捗することが予測される。ただし、学生自身は6月頃まで就職活動をする予定にしているという点には注意が必要。3月より前に採用選考をしている企業も一部あるが、全体的には3月からスタートする企業が主流であるため、学生自身は志望する企業全ての採用選考を受けるまで就職活動を続ける。つまり複数の内々定を保有しながら活動を継続することになる。
ここ数年、複数の内々定を持つ学生の割合は増加し続けているが、おそらくその傾向は今年も続くと考えられる。そのため、企業は内々定出しの後、さらに関係強化に向けて活動する必要性がある。
価値観を理解する上で大きなポイントとなるのは、定年まで働くことがもはやリアルではないという感覚である。新卒で入社する会社で何年くらい働きたいかという問いに対して、最も多い回答は「特に決めていない・わからない」であり、これが3割程度を占める。次に、「定年まで」という回答が2割程度となっている。大卒の場合、3年で3割辞めるとよく言われるが、実は1年から3年ぐらいという回答は最も少ない。つまり、最初からすぐに辞めてやろうと考えているわけではなく、どちらかというと定年まで働くことが一般的だと考えている。
その一方、定年まで働くことがリアルではないという感覚から生まれてくるのが大きく分けて2つの方針である。「少しでも長く1社で働き続けていたい」という人もいる一方、「転職することを前提に準備しておきたい」と考える人もいる。さまざまな調査結果から、この2つのうちどちらか一択というよりも、この2つの方向性の中で方針がバラついていると感じることが多い。その上で共通して見られるのが、性別問わずライフキャリアの変化に応じて柔軟に働き続けることを前提にしている点である。
こうした方針を念頭に置きながら具体例を示してみる。
まず、キャリアの作り方について。
社会人になったらどのように働いていきたいかについて、いくつかのパターンを示して選択してもらった結果、「所属する組織」についての考え方と「仕事内容やそれによって得られるスキル」に対する考え方の2軸が重要であることが分かった。
例えば「所属する組織」に焦点を当てると、「同じ会社で」と考えている人はまとめると55.4%、「所属する組織を変えつつ」と考えている人は30.9%となる。しかし、その上で「仕事内容やスキルの獲得向上」という軸を追加するとパターンが複雑になり、最も回答割合の多い項目は「同じ会社で、ある仕事を軸にして、類似した仕事に領域を広げながら働いていきたい」が21.6%だが、全体的に回答が分散している。
「所属する組織」軸と「仕事内容や得られるスキル」軸の2つの軸を掛け合わせた際に生まれてくる複数の選択肢の中で何を優先したいのかが問われる。例えば先ほどの「転職することも前提に準備しておきたい」という方針に基づいて、「所属する組織を変える」ということと、「仕事内容」を「より高度にしたい」という項目について注目すると、「転職するかもしれないので高度なスキルを身に付け働き手としての価値観を上げておきたい」という考え方になる。
また逆に、やりたい仕事を続けるためであれば所属する組織を変えてもいいという考え方もあり、そのためにさらに高度にスキルアップしようと考える人もいる。
これらは、日本型の新卒採用というのが就職、所属する組織だけに焦点を当てられていた時代にはない視点であり、だからこそ最近の就職活動が難しくなっている要因でもあると考えられる。
次に、職種に対する考え方。
最初に配属される職種が限定されると応募意欲が高まる学生が74.3%、入社後の異動については「自分の希望がかなえられるのであれば異動があっても良い」という回答が42.1%となっており、つまり自分がやりたいと思える仕事を、自分で選びたい、または選ぶ機会が欲しいという気持ちが強いことが見て取れる。
先ほどの方針になぞらえると、できるだけ1社で長く働きたい人は、やりたい仕事をするために転職するということもあるかもしれないし、社内公募などを使って同じ会社にいるまま自分のしたい仕事に就くという方法が取れると考えられる。一方で、社内公募制などの制度がなく、意図しない職種に就かざるをを得ない状況になった場合、やりたい仕事を優先するために転職せざるを得ないという判断にもつながる。
次に、勤務地・転勤に対する考え方について。
最初に勤務地が限定されていると応募意欲が高まるという回答は78.0%と高い割合を占める。また、入社後の転勤については「引っ越しが不要であれば転勤があっても良い」と「転勤はしたくない」の比率が高くなっている。引っ越しを伴うと生活スタイルが大きく変化してしまうため望まないと考えられる
会社の都合で生活スタイルが大きく変わらないことのメリットとして、一つの会社で少しでも長く働きたい人にとっては、例えば結婚や子どもを持つことなどでライフキャリアが変化したときもその変化に対応しやすいということがある。こうした傾向は多かれ少なかれ以前からあったが、特に最近ではワークライフバランス志向や共働き志向が高まっているということが背景にあると考えられる。
もともと女性は共働き指向が高かったが、昨今では男性でもその傾向が強まり、男女差がかなり小さくなっている。つまり職場と生活の場について自分と配偶者の両方が一致している必要性が高まっていると言え、より一層会社都合で生活スタイルが大きく変わることがないことのメリットが大きい。裏を返すと、転勤などで生活スタイルが大きく変わってしまう場合、対応できなくて転職せざるを得ないということが起こり得る。
次に少し話題を変えて初任給についての考え方。
就職先を検討する際の初任給の金額について、最も多い回答は「平均的な金額であれば、他の条件が希望通りであることを優先する」で46.8%となっている。その理由として、仕事のやりがいが金額よりも大事であるという声も当然あるが、入社後の福利厚生などの方が大事であるという声も多く見られた。長く勤めることの前提として、より「働きたい」場であることを望む傾向がある。一方で、平均的な金額よりも目立って高額な初任給であるかを重視する人もおり、すぐに転職するかもしれないので、後々に高くなるのではなく若いうちに高い金額を受け取りたいという声が見られた。
このように、一つの会社で働き続けるかどうかという方針によって初任給や待遇の捉え方が変わるようだ。ただし、他の条件が大事という人も、「平均的な金額であれば」ということが制約としてついていることには注意が必要。
とはいえ、学生も非常識な金額を想定しているわけではなく、就職する際最低限欲しいと思う初任給の金額を聞いたところ、おおむね20万円前半を想定しているようだ。
厚生労働省が実施している賃金構造基本統計調査によると、令和4年大卒の新規学卒者の平均賃金は22.9万円であり、地に足がついた金額を想定していると言える。ただ、感覚としては20万円のラインがかなり強く効いている。
ここまでいくつかの視点で就活生の仕事選び、企業選びの元となる価値観を解説したが、おおまかにまとめると非常に多様化していると感じられる。
新卒で入社した会社で勤め上げて出世を目指すという行動のキャリアが描きづらくなっていることもあり、キャリアの方針も多様化している。新卒採用では企業と学生のマッチングについて、社風と人柄のマッチングという言葉を使うことが多いが、それ以外のさまざまな軸でマッチングを図る必要がある。
より丁寧に個別のコミュニケーションを取りながら関係性を強化する必要がありそうだ。
最後に東郷氏は、採用選考の早期化について話題にした。マイナビでは、採用選考の早期化について懸念を抱いているが、最近よく言われる「早期化」には誤解があるとも感じているという。
特に学生目線で言う「就活」については注意が必要。
特に25年卒に関してはインターンシップの定義改正の話題もあり、インターンシップに注目が集まることで就活が早期化しているという言葉をよく耳にしたが、「就活」という言葉は目的が全く異なる2つの活動を合わせて使われがちである。
1つはキャリア形成支援活動、いわゆるキャリア教育や職業観涵養を目的とした活動である。インターンシップは実はこちらに含まれる。
もう1つは、企業の採用試験を受けて内定を得ることを目的とした、いわゆる就職活動である。
この2つの活動の関係性は、キャリア教育を目的としたキャリア形成支援活動は就職活動と並列してあるものではなく、その土台となるものである。文部科学省などは小学生からキャリア教育のプログラムをすべきという方針を示しており、このキャリア教育などの活動はなるべく早く始めたほうがいいと考えられている。
一方で、いわゆる就職活動は、キャリア教育で培われたキャリア感や職業感を土台にして初めて取り組める活動となる。さらにその上により良い職業人生、社会人生が形成されるため、土台をしっかりと形成する必要がある。
この点は、企業側の採用活動についても同じであり、採用試験を行い学生に合否を出すという採用活動の場合、早期化することはこうした学生の土台づくり、キャリア観の醸成や職業観涵養の機会を奪うことになるため望ましくない。
企業が採用時に重視することの中には、キャリア形成支援活動の中で培われる項目と、キャリア教育でも培われるかもしれないが学業で培われる部分も多い項目もある。学生がしっかりと学業やキャリア形成支援活動に取り組んで能力やスキルを向上させることのメリットは、実は企業側にもある。
特に昨今では、新卒であっても以前に比べてジョブ型雇用の考え方を導入する流れがあり、新卒においても専門能力や技術を持つ人材の獲得を目的とするという回答が増えつつある。
長期視点で行う定期的な採用であるという側面は変わらないが、ある程度スピーディーに戦力化したいという気持ちが高まっていると思われる。職種別採用のように、完全ではないもののジョブ型雇用のような考え方を取り入れる機会が増えつつあることを想定すると、やはり採用活動を早期化するメリットは企業側にもあまりない。
もっとも、これはあくまで採用試験を行い合否を出すという採用活動についての話であり、例えば課題解決型の授業の提供など、若者のキャリア形成支援活動に対して教育機関と協力して取り組むこと自体は望ましい活動である。利益を追求する企業にとっては難しい判断になるが、新卒採用をするということ自体が、社会全体で若者を育成していこうという側面もあるため、その点は産官学で協力して取り組むべき課題である。
>>>第2部「“管理職離れ”から考える、キャリアアップのニーズに応えるアプローチとは?」につづく(3月8日公開予定)
【編集部注】本記事は2月22日にマイナビが開催した、報道向け発表会の内容をもとに制作しています。記事中の画像(資料)も同日配布されたもので、無断使用はご遠慮ください。
]]>Unipos(東京・渋谷)は3月1日、正社員または契約社員として1年以上勤務した経験がある20~45歳の会社員550名を対象に実施した「就職と企業風土・カルチャーに関する実態調査(※)」の結果を発表した。
調査結果によると、転職経験者の72%は就職先選びで企業風土・カルチャーを重視すべきと答えたが、転職経験がない人は41%にとどまった。転職経験者が風土・カルチャーをチェックする媒体は1位が採用情報ページで、社長ページ、企業理念のページが続いた。
一方で、入社前に企業風土・カルチャーを理解するために企業に実施してほしい取り組み1位は職場見学、2位カジュアル面談、3位インターンだった。以下、リリースより。
※同調査では「企業風土・カルチャー」を、組織内で共通認識として持たれている独自の規則・価値観、ルールや信念を指する。
関連記事:10年先を見据え、事例に学びつつカルチャーと行動の変革を
3月1日は、多くの企業が翌年卒業予定の学生を対象にした採用情報を公表します (2025年卒就活解禁日) 。また、新年度を控えた体制強化などで中途採用の求人数も増加することから、転職を検討する方も増える時期です。しかし、採用や就職活動においては、“採用ミスマッチ”や“入社後ギャップ”といった課題もあり、原因として社風が合わないなどの「カルチャーミスマッチ」があげられます。
そこで今回、370社のカルチャー変革を支援するUniposでは、 “企業と求職者の認識のズレ” を防ぐ参考になればと「就職と企業文化・カルチャーに関する実態調査」を実施、結果を公開いたします。
今回の調査により、企業文化・カルチャーが会社員の転職に大きく影響しているということ、また、就職先選びの際に企業文化や職場の人間関係を重視する傾向が強いなど、企業風土・カルチャーの重要性が浮き彫りになりました。
少子化による労働人口不足の時代がまもなく全産業に訪れる日本において、「選ばれる企業」であり続けるために、魅力的な企業風土を構築することが欠かせません。また、入社後6割以上が、企業風土・カルチャーの「認識のズレ」を実感しているというデータから、求職者により伝わりやすいように言語化することや理解してもらうための機会づくりをするなど、企業側も積極的にコミュニケーションしていくことが重要だということが分かります。組織風土・カルチャーを可視化することが、入社後のアンマッチも防ぎ、従業員の満足度を高めることに繋がるとUniposは考えます。
「Q1.あなたの転職回数を教えてください。」(n=550)と質問したところ、「1回」が18.0%、「2回」が21.6%、「3回」が13.5%、「4回以上」が12.5%という回答で、転職経験者は65.5%となりました。また、転職したことがない方は30.2%でした。
Q1で転職回数「1回」「2回」「3回」「4回以上」と回答した方に、「Q2.企業風土・カルチャーが理由で退職したことがありますか。」(n=361)と質問したところ、「企業風土・カルチャーが一番の要因だった」が19.4%、「一番の要因は他にあるが、企業風土・カルチャーも要因の一つだった」が40.4%という回答となりました。
Q1で「(転職経験)なし」と回答した方に、「Q3.現職で働き続けている理由を教えてください。」(n=166)と質問したところ、「企業風土・カルチャー(があっているの)が一番の理由」が10.8%、「一番の理由は他にあるが、企業風土・カルチャーも理由の一つ」が18.7%という回答となりました。一方で、52.4%という半数以上が「企業風土・カルチャーは理由ではない」と答えました。
「Q4.あなたは、就職先選びで企業風土・カルチャーを重視すべきだと思いますか。」(n=550)と質問したところ、「非常にそう思う」が13.8%、「ややそう思う」が46.5%と、合計60.3%が重視すべきという回答となりました。
こちらの質問において、「転職経験の有無」で結果をみたところ、転職経験者においては、72%が企業風土・カルチャーは重視すべきと答えましたが、転職経験なしの方は41%にとどまり、「どちらでもない」が44%とほぼ半数を占めました。
Q3とQ4の結果から、転職未経験者は、カルチャーマッチしている、給与や勤務地等のカルチャー以外を重視しているなどの背景から「企業風土・カルチャーに転職経験者より重きを置いていない」ということが分かります。
Q1で「1回」「2回」「3回」「4回以上」(転職経験あり)と回答した方に、「Q5.あなたが、応募先企業の企業風土・カルチャーをチェックする際、役に立ったと感じた媒体を教えてください。(複数回答)」(n=361)と質問したところ、「企業サイトの採用募集ページ」が31.3%、「企業サイトの社長ページ(メッセージやインタビュー)」が27.4%、「企業サイトの「企業理念」のページ企業」が26.0%という回答となりました。
Q5で「役に立ったものはない」「カルチャーを気にしたことがない」以外を回答した方に、「Q6.現在の職場に入社する前、企業風土・カルチャーに関する十分な情報を得られたと思っていましたか。」(n=249)と質問したところ、「思っていた」が10.9%、「やや思っていた」が49.0%という回答となりました。
Q5で「カルチャーを気にしたことがない」以外を回答した方に、「Q7.現在の職場に入社した後、自分が思っていた企業風土・カルチャーとの認識のズレ(ギャップ)がありましたか。」(n=307)と質問したところ、「思う」が15.6%、「やや思う」が46.3%という回答となり、61.9%がギャップを感じたという結果となりました。
「Q8.入社前にどんな「選考過程」や「取り組み」があればより企業風土・カルチャーを理解できる(自分の認識とのズレが少なくなる)と思いますか。(複数回答)」(n=550)と質問したところ、「職場見学」が33.3%、「カジュアル面談」が27.6%、「インターン」が20.9%という回答となりました。
「Q9.入社前にどんな「情報」や「データ」があればより企業風土・カルチャーを理解できたと思いますか。(複数回答)」(n=550)と質問したところ、「社内の人間関係」が37.5%、「離職率や継続年数、女性管理職比率などの人事データ」が34.4%、「人事評価や各種制度の背景や仕組み、運用ルール」が27.1%という回答となりました。
Q5で「カルチャーを気にしたことがない」以外を回答した方に、「Q10.給与や勤務地、働き方などの条件面が希望と多少異なっても、企業風土・カルチャーが自分と合っていれば働きたいと思いますか。」(n=307)と質問したところ、「思う」が14.3%、「やや思う」が55.0%という回答となりました。
Q5で「カルチャーを気にしたことがない」以外を回答した方に、「Q11.どのような企業風土・カルチャーに魅力を感じますか。優先度が高いもの2つまでお選びください。」(n=307)と質問したところ、「上司や他部署との壁がなく風通しが良い」が38.1%、「チームで一丸となって仕事を進める」が27.0%、「心理的安全性が高い」が22.5%という回答となりました。
調査名:Unipos 就職と企業風土・カルチャーに関する実態調査
調査期間:2024年2月8日〜同年2月9日
有効回答:正社員または契約社員として1年以上勤務した経験がある20~45歳の会社員550名(男性280名、女性280名)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査機関(調査委託先):株式会社IDEATECH
≪ご利用条件≫
情報の出典元として「Unipos」の名称の明記をお願いいたします。
ウェブサイトで使用する場合は、出典元として下記リンクの設置をお願いいたします。
URL:https://unipos.me/ja/
【ご参考】
全体像がつかみにくいといわれるカルチャー変革について、Uniposが運営するビジネスメディア「UNITE」にて、当社COOの松島稔が、これまで支援させていただいたカルチャー変革の経験に基づいたメソッドをわかりやすく紹介しています。
記事はこちら:"当たり前"を変える「カルチャー変革メソッド」解説
【「カルチャーを変え、人と組織の力を引き出す」Uniposについて】
Uniposは、ピアボーナス®を軸とする全社参加型カルチャープラットフォームです。
「貢献に対する称賛×少額のインセンティブ」を送り合うことで称賛文化を醸成し、組織を変える行動を増やします。心理的安全性やエンゲージメントの向上、離職率改善など「強い組織」づくりをサポートします。
https://unipos.me/ja/
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社名 Unipos株式会社(証券コード:6550)
所在地 東京都渋谷区神宮前5-52-2 青山オーバルビル 7F
代表取締役社長CEO 田中弦
【プレスリース「 “入社後ギャップ”を感じるのは6割以上「就職と企業風土・カルチャーに関する実態調査」実施~採用ミスマッチを防ぐためにチェックすべき情報や対策もリサーチ~」より|2024年3月1日・Unipos株式会社】
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