特集

人事担当者が知っておくべきマイナンバー制度


【第3回】人事総務担当者が踏むべきステップ、雇用関係の手続き

2015.09.29

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人事総務担当者にとって、対応まったなしの「マイナンバー制度」。あなたの会社では、対応の準備は万全でしょうか? 少しでも疑問がある方はぜひこの連載で「押さえておくべきポイント」を総整理しておきましょう。
第3回は雇用保険被保険者資格取得届を始めとした、雇用関係で提出すべきものを確認しながら、人事総務担当者が踏むべきステップをおさらいします。

雇用関係の手続きでの対応は大丈夫?

厚生労働省の「マイナンバー制度度の導入に向けてまとめた資料」によると、事業主が個人番号を記入して提出する必要がある手続は次のようなものになっています。

  • 雇用保険被保険者資格取得届
  • 雇用保険被保険者氏名変更・喪失届
  • 高年齢雇用継続給付受給資格確認票、(初回)高年齢雇用継続給付申請書※
  • 育児休業給付受給資格確認票、(初回)育児休業給付金支給申請書※
  • 介護休業給付金支給申請書※

※事業主の方が提出することについて労使間で協定を締結した上で、できるだけ事業主の方へ提出。

マイナンバー制度の必要なステップをおさらい

ステップ1.マイナンバー制度の理解と全社員への啓発

マイナンバー制度への理解を深め、全社員へわかりやすく啓発するための制度の趣旨や概要、および禁止事項や遵守事項、罰則事項をまとめます。マイナンバーの正しい取得方法や本人確認の必要性、マイナンバーが不正に使用される可能性、目的外の利用が禁止されていることから、マイナンバーと、その情報が記載された書類を厳格に管理する義務などを周知させましょう。

ステップ2.対象業務の洗い出しとフロー確認

マイナンバーを取り扱う部門と業務内容を漏れなく洗い出します。
税務署や役所、年金事務所に今まで提出していた書類や、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の資格の取得・喪失などの届出を行う書類にもマイナンバーを記載することになります。給与厚生関連業務においては、入社時や身上関係変更に伴ってのマイナンバー取得と、本人確認、組織異動や休職・復職、給与支払いなどの事務処理における個人番号転記、退社に伴うマイナンバーの廃棄・削除などが発生します。

人事総務、経理部門以外においても、対象者のマイナンバーを適宜、漏れなく取得できるような手順を、業務フローに組み込まなくてはなりません。また、複数の担当者が同じ対象者に取得を行うような無駄を生まないよう注意します。

ステップ3.運用ルール、情報セキュリティポリシーの構築

コンピューター上のソフトの改修だけでなく、マイナンバーの正しい取り扱いルール策定と厳格な情報管理が可能となる体制構築、運用が必要となります。マイナンバーの情報漏えい防止に関しては、従業員への啓発や誓約書だけではなく、管理台帳などの事務的運用体制を組織的に行うようにすること、部外者が特定個人情報にアクセスできないような安全措置を講じましょう。

また、マイナンバー制度では、社会保障および税に関する手続き書類作成の委託先において、委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう、必要かつ適切な監督を行わなければならないとされています。委託先の監督義務を果たすための対応をとらなかった結果、特定個人情報の漏えいなどが発生した場合、番号法違反とされるおそれがあるので注意が必要です。委託契約の締結時に委託先の技術水準や設備、従業員の教育体制などをしっかり確認するとよいですね。

執筆者紹介

松尾美里(まつお・みさと) 日本インタビュアー協会認定インタビュアー/ライター。教育出版社を経て、2015年より本の要約サイトを運営する株式会社フライヤー(https://www.flierinc.com/)に参画。ライフワークとして、面白い生き方の実践者にインタビューを行い、「人や団体の可能性やビジョンを引き出すプロジェクト」を進行中。ブログは教育×キャリアインタビュー(http://edu-serendipity.seesaa.net/)。

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