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特集

採用の流儀~「アイリスオーヤマ」編(前編)


今年の新卒採用のメッセージ「どう挑む」の真意とは?

2016.12.21

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来年度の内定者が各社、出そろった。グローバル化競争に乗り出した企業も多く、新たな部署を設け、今までに採用していなかった人材獲得にも積極的である。特にWeb関連と語学堪能な人材などの獲得には各社、工夫を凝らしている。ネットエントリー画面にある新卒採用のキャッチフレーズから、企業のニーズを人事担当者に聞いた。

アイリスオーヤマは2017年卒採用から、新卒採用の選考方法を一新した。前年までのスタンダードコース(営業・事務)商品開発コース(技術系)という2通りの募集コースに加え、さらに5つ増設。新たな人材獲得へ挑んだ。この挑戦はどのような結果を生んだのか。選考では最終面接官を務める人事部統括マネージャーの倉茂基一氏に話を聞いた(2016年10月取材・佐々木多惠子)。
【写真はアイリスオーヤマ角田ITP内にあるショールームにて撮影】

倉茂基一(くらしげ・もとかず)

アイリスオーヤマ株式会社人事部統括マネージャー 大学卒業後、アパレルメーカーに入社。1991年アイリスオーヤマに入社。マーケティング、販売促進、社長室などを歴任し、2008年より統括マネージャーとして人事部へ配属。同社の採用の責任者であり、自ら最終面接官を務める。日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー(CDA)の資格を持つ。

目次
  1. 「強み」を持った人、3割増。チャレンジ精神が大事
  2. 毎年工夫を凝らしたウエブコンテンツを制作
  3. 新プロジェクトへの人材。誰もが海外へ行く時代

「強み」を持った人、3割増。チャレンジ精神が大事

アイリスオーヤマ人事部統括マネージャーの倉茂基一氏①

アイリスオーヤマはほぼ5年単位で事業内容が大きく変わっています。新陳代謝が良く、会社自体がマンネリにならない。現在の主力事業の家電製品やLED照明にしても、大手メーカーのシェアが高い市場に対してゼロからのチャレンジでした。10年前にはまったく予想していない事業展開です。ベンチャーのようなチャレンジャー意識を持った会社と言えます。このマインドに共感してくれる人を採用したい。キャッチフレーズの「どう挑む」には、「来たれ、チャレンジャー!」という気持ちを込めました。

もうひとつのキーワードに、「ユーザーイン発想で挑む」というものがあります。ユーザーイン発想ができる人というのは、自分の言葉で体験を語れる人です。面接では、「物事にどれだけ熱中して取り組んできたか」を尋ねるのですが、体験してきたことを話してもらうと、その人の探究心や行動力がわかります。体験を語れるということは、問題に気付く発想ができる素質とみています。

アイリスオーヤマという会社は、一言で表すと「変化対応業」。つまり、社会や生活スタイルの変化に対応して、3~4年後には何をしているか予想できない会社。生活者のニーズをいち早く捉えてカタチにすることをモットーにしています。これがアイリスオーヤマの特徴です。

大卒新卒採用では、今年は新たに「プレゼンテーション」「アスリート」「グローバル」「システムエンジニア」「WEBデザイナー」の5つのコースを加えました。
「尖った強み」を持つ学生を採りたいので、希望職種で分けずに「強み」を活かせるコース名にすることで、マッチする人材に応募してもらえるようにしました。当社の事業拡大に対応するため、今まで採用できていなかった人を採るための工夫、チャレンジです。
特にグローバルやWEBデザイナーやSEというのは、今後強化しなければならない事業分野を支える人材です。このエントリー手法に変えて、今年は応募学生数が全体で3割増になりました。

毎年工夫を凝らしたウエブコンテンツを制作

男子学生の場合、従来は営業職へ配属することが慣例でした。その結果、体育会系の元気のあるタイプばかり採用することになってしまう。今年は、営業配属という原則を取り払い、今まで採用しなかったタイプの人も採ることにしました。採用時点ではマッチングで不安のあった新入社員でも、入社後はほぼ全員が活躍しています。採用担当者の画一的な判断基準で良し悪しを決めるよりも、まず入社させて組織の中でトレーニングするほうが良いという考え方です。

大学の受験が自分の強みを生かせる選択のできる仕組みに変わっているなら、企業ももっと学生個人の「強み」に注目した採用の仕方をするべきだと考えました。
これまでも「あなたの強みは何ですか」という質問をしていましたが、今回の採用コースは従来以上に「尖った強み」を持つ学生をターゲットにしようというものです。
例えばアスリートコースではスポーツで全国レベルの成績を収めているとか、グローバルコースでは海外生活経験がありネイティブに近い語学力を持っているとか、特技というより、誰にも負けない「強み」として表現できる人がターゲットです。

採用ターゲットを明確にすることで、エントリーだけでなく内定承諾率も大幅に前年から3割近く改善しました。この結果には3つの工夫が寄与しています。1つ目は個々の「強み」を生かせるようにしたこと。2つ目は最終選考の時期を大手企業の選考よりも後に設定したこと。

3つ目は、エリア別の採用担当者を決め、採用担当者と内定者の関係を太くしたことです。採用担当者を内定者にとってのメンターとして機能させ、就職の悩みを聞き、アドバイスできるようにしています。

新プロジェクトへの人材。誰もが海外へ行く時代

アイリスオーヤマ人事部統括マネージャーの倉茂基一氏②

今後、アメリカやヨーロッパに工場拠点を増やす計画です。人口減少や少子高齢化の中で長期的には国内マーケットは拡大しないだろうから、海外事業の拡大がこれからの成長戦略です。
そうした中で、英語や中国語などの外国語のできるスタッフを、マネジメント、Web関連、通販事業などあらゆる職種で増やす必要がある。今年は内定受諾した学生全体の1割以上は語学が堪能です。

今まで、海外へ行く社員はごく一部でした。現地工場の立ち上げや技術指導要員など技術系の部署が中心でしたが、これからはあらゆる職種のスタッフが海外に行く可能性があります。
アイリスオーヤマは、メーカーであり、卸売業であり、商社であり、小売業であり、いろいろな会社の複合体だと言えます。だから職種も多種多様です。「私はどうしても商品企画をやりたい」と希望職種を決めてアピールする学生もいますが、むしろ、いろいろなことにチャレンジして楽しみたいという人が向いている環境だと思います。自分の可能性を拡げたいというような気持ちを持っている人に来てほしい。

私自身、人事部に来るまでにマーケティング、販売促進、社長秘書、システムなどさまざまな部署を経験しています。いろいろな部署の仕事を経験してきたからこそ、社内に広いネットワークを築くことができたし、各部署の役割と仕事の魅力を伝えることができる。私は、多様な経験が人を育てると思っています。自分がチャレンジできることがたくさんある。これは複合的な会社の特徴でありメリットです。

後編に続く

【編集部より】
「採用の流儀」シリーズの記事一覧

執筆者紹介

佐々木多惠子(ささき・たえこ)(フリーライター) 広告会社からフリーランスになり、広告のコピーライター・プランナー・クリエイティブディレクター等、キノコ・野菜のコンサルライター、ペット関連、企業関連の取材を得意としている。

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