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特集

採用の流儀~「アイリスオーヤマ」編(後編)


「自分の可能性を拡張できる会社」アイリスオーヤマの採用戦略とは

2016.12.22

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前回のインタビューでは2017年新卒採用のキャッチフレーズ「どう挑む」から、アイリスオーヤマの採用戦略や選考方法について聞いた。「尖った強み」を求めて新たに募集コースを増やし、新たな人材獲得に成功した同社。採用した人材の活躍の場は国外へも開かれている。同社のグローバル戦略や、選考時に心がけていることなどを人事部統括マネージャーの倉茂基一氏に話を聞いた。(2016年10月取材・佐々木多惠子)。【写真はアイリスオーヤマ角田ITP内のエントランスにて】

倉茂基一(くらしげ・もとかず)

アイリスオーヤマ株式会社人事部統括マネージャー 大学卒業後、アパレルメーカーに入社。1991年アイリスオーヤマに入社。マーケティング、販売促進、社長室などを歴任し、2008年より統括マネージャーとして人事部へ配属。同社の採用の責任者であり、自ら最終面接官を務める。日本キャリア開発協会認定キャリアカウンセラー(CDA)の資格を持つ。

目次
  1. あとで内定の連絡をするより、その場で握手しながら伝える
  2. 経営者は関西人で、社内は関西的な風土
  3. 高卒採用は大卒採用と同じぐらいの人数
  4. ワンポイントQ&A 人材採用の疑問・質問に答えます!

あとで内定の連絡をするより、その場で握手しながら伝える

最終面接は私一人で行っています。採用すると決めた学生には、面接直後にその場で合否を伝え、握手をします。

その場で伝えることにこだわるのは、面接後の緊張した雰囲気の中で「ぜひウチで一緒に働こう」というメッセージを直接伝えたいからです。面接後、電話やメールで合格を伝えようとしても、友達と遊んでいるとか電車に乗っているとか相手の状況がわからない。そういう時では本人の気持ちの温度はもはや冷めているかもしれない。面接を受けた直後であれば喜びがまるで違ってきます。

「ここで合否を言われるんですか」とたいがい驚きますが、「あなたのこんなところが良かったですよ」と一人ひとりにフィードバックすることで、感激して入社を決めてくれます。人生の中で記憶に残る感動を体験させてあげたいと思っています。

経営者は関西人で、社内は関西的な風土

本社は宮城県にありますが、採用は全国で行っています。実際、入社する学生の比率は関西や関東の学生が7割以上を占めています。経営トップは関西人です。関西人は物事をはっきり言い、コミュニケーションがうまい。社内は関西ノリの風土ですね。地元で働きたいという意向を持つ東北出身の応募者が多いのですが、採用は2割以下です。これからはあらゆる部署で海外転勤の可能性がありますので。

5~6年前の学生には、「若いうちから責任のある仕事を任せ、結果を出す人ほど早く責任あるポジションに就き、年収も増える」と言ってきましたが、今の学生はお金や出世に価値を見出していないと感じます。学ぶ意欲が高く、体験による自己成長を求めています。

最近では、「仕事を通じて自分を磨ける、なりたい自分になれる会社」と言っています。常に成長できる会社でなければ優秀な人材からは見限られてしまいます。当社は常に自分の可能性を拡張できる会社。会社が大きいから人気があるとは限らない時代であり、小さな会社でもアピールするメッセージ次第で良い人材が集まる時代だと認識しています。

高卒採用は大卒採用と同じぐらいの人数

当社では毎年、大学生と同じぐらいの人数の高校生を採用しています。おかげさまで、宮城県では就職人気ランキングで上位にランクインしているため、宮城県や周辺各県の高校からトップクラスの生徒が集まります。
高校生の採用は単に求人票を出すだけでなく、学校の先生方を対象にした説明会を開催し、「当社は成績よりも元気がある人が欲しい」というように求める人材を具体的に伝えることで、マッチングの精度を高めています。大卒より優秀な高卒人材も珍しくなく、入社5、6年目で幹部社員として登用しています。

ワンポイントQ&A 人材採用の疑問・質問に答えます!

アイリスオーヤマ株式会社人事部統括マネージャー倉茂基一氏

今回は倉茂氏に読者から寄せられた採用に関する疑問や質問に対してアイリスオーヤマの倉茂氏に答えていただいた。ぜひ、参考にしてほしい。

質問1

地域密着型の中小企業としてなるべく地元の良い人材を獲得したいと考えています。ただ、いつも合同説明会に参加してもブランド力がないためか学生が集まりません。どのように学生に対して魅力付けを行っていますか?

回答1

集まらないのはブランド力だけではないと思います。たくさんの企業が集まる合同説明会で、ほかの会社と同じことをやってもダメ。人を集める工夫が必要です。貴社の場合は、「この会社で面白いことができる」ということが学生にしっかりと伝わっていないのかもしれません。社長が直接学生に熱いメッセージを伝えている会社を合同説明会で見たことがありますが、あれは大手ではマネできない。
大手志向、安定志向の強い学生がいる一方で、自己成長や社会への貢献にこだわる学生も確実に一定数いる。「若いうちから責任ある仕事を任せてもらえる」「会社の成長をダイレクトに実感できる」といった中小ならではの強みをしっかり伝え、共感してもらう努力が必要です。
学生は今、ナビサイトから離れつつあるという話も聞きます。大手ナビサイトの中では、よほど広告費を投下しなければ目立つことができない。地道に大学の学内セミナーに出向き、近い距離で自分の会社の魅力を伝えることの方が人材獲得につながります。

質問2

採用担当者の育成や評価はどのようにしていますか?

回答2

各担当者の数値を明確にします。エリア担当がその数字達成のために知恵を絞って最後までやりきる。責任を明確にすることです。
一方、育成という面では、選考を担当した人事スタッフの評定や評価コメントは最終面接で私が必ずチェックしています。評価の目線がズレていたり、評価すべき点を見落としていたりすれば個別に指摘・指導をしています。

採用の流儀「アイリスオーヤマ編」おわり

【編集部より】
「採用の流儀」シリーズの記事一覧

執筆者紹介

佐々木多惠子(ささき・たえこ)(フリーライター) 広告会社からフリーランスになり、広告のコピーライター・プランナー・クリエイティブディレクター等、キノコ・野菜のコンサルライター、ペット関連、企業関連の取材を得意としている。

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