残業ゼロを目指して
タスクと予定を分けることで、タスク完了の「目安」を手に入れよう!
2017.06.22
タスクと予定を分けて考えることは、時間管理する上で、きわめて役にたつ考え方です。
一般にタスク管理ツールといわれているものは、予定を管理しにくくなっています。もっともアナログで古典的なタスク管理ツールが、ToDoリストですが、ToDoリストで予定を管理するのはほぼ無理です。なぜなら、開始時刻をそこに書くだけでは、意味がないからです。
予定とタスクを分けるポイントは、開始時刻の有無です。開始時刻を自分で変えられないなら、それは「予定」であり、たとえ自分ではじめる時間を決めたとしても、開始時刻を自分で変えられるなら、それは本当の意味での「予定」ではなくタスクなのです。
簡単な例を挙げるなら、メールチェックは「タスク」であり、会社の会議は「予定」です。
カレンダーは「予定」管理ツール
予定とタスクを分けて考えないと、時間の管理はなかなかうまくいきません。
たとえば、カレンダーや手帳などを使っている人は、「予定だけ」を管理する傾向があります。
明日の12時から会議。金曜の15時から歯医者さん、などというのが「予定」であり、やらなければならないことが本当にそういうものだけならば、これらだけを管理していれば問題ないわけですが、ほとんどの人はそうではありません。
メールチェックも、経費精算も、資料作成も、オフィスの掃除も、すべては「開始時刻が厳密には決まっていないタスク」であり、こういったものをぜんぜんリストアップしないでおくと、簡単に思い出せるものからしか手をつけられなくなりますし、ぜんぶのタスクが終わったのかどうかの不安が消えなくなります。
だからといって、全部のタスクを手帳などに書き込むのは現実的ではありません。おそらく書き込める欄も足りないでしょう。
したがって、折衷案としては「今日だけの」タスクリストに予定を書き入れ、しかも予定だけは予定とわかるようにしておく必要があります。「今日以後」の予定は手帳やカレンダーに任せましょう。
「タスクリスト」は、具体的には次のような感じのリストにする必要があるわけです。
□資料作成
□メールチェック
□デスクの整理整頓
16:00 ミーティング(予定)
□議事録作成
こうすることで、どれが時間を気にして実行しなければいけない「予定」であるかが一目でわかりますし、「予定」をタスクの実行期限のようにすることが可能になります。
タスクと予定を分けることで、タスクに取りかかり、やり遂げてしまうべき「目安」が手に入るわけです。こういったものがないと、なかなか締め切りを意識してタスクを終わらせるということが困難になります。また締め切り効果を利用して能率を上げるという機会も失ってしまいます。
予定と予定の間にタスクを処理する
仕事のリズムとして、予定と予定の間にタスクを進めていくというパターンを確立すると良いでしょう。
そのようにすると、タスクを実行する「開始時刻」ではなく、おおよその時間帯を意識しやすくなります。また、その時間帯の中でできるかできないかといったことも検討しやすくなりますから、タスクを終わらせるために必要な時間リソースの見当もつけやすくなります。
また、「予定」がある時間には、タスクをいっさい進められないという事実が浮かび上がります。(「内職」ができないという前提です)。
「予定」は必ずしも自分がそれだけの時間を必要とするという事実ではなく、外から勝手に押しつけられる時間でもあります。「ミーティング」にも、自分としては本当は20分あればいいと思っているかもしれませんが、実際には2時間拘束されるのかもしれません。とすると「タスク」に使える時間はそれだけ少なくなるのですから、「予定」に突入する前にタスクを終わらせる動機づけがいっそう強くなります。
また、「予定」中に「タスク」を進められないのであれば、タスクに取りかかる時間帯や、その仕事量によっては、「予定」によって「タスク」が分断させられることになります。
これは、必ずしも悪いことではないかもしれませんが、要は、タスクを途中で切り上げさせられ、ミーティングなどで2時間の「間」をあけさせられるということです。
そうすることでタスクの処理がかえってやりやすくなるということもあるでしょうが、逆に、中断のおかげで全くのロスが発生することもあり得るはずです。
後者の可能性が高いような「タスク」は、なるべく「予定」の近くに置かれるべきではないわけです。
このように、「予定」とタスクを一列に並べてみることによって、タスクに取りかかるべきタイミングの新しい姿が見えてきます。タスクに取りかかる順番というのは、決して優先順位や、タスクの重要性だけで決めるわけにはいかなくて、「予定」とのかねあいによってちがってくるものなのです。
連載コラム〈残業ゼロを目指して〉
執筆者紹介
佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック
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