コラム

残業ゼロを目指して


仕事に集中するコツは「きっかけ」と「報酬」を固定すること!

2018.07.20

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は、「条件付け」による仕事に集中するためのコツをご紹介します。

 「条件付け」と「ご褒美」によって、習慣が作られる

いつも同じ刺激を受けることで、同じ時間に、同じように仕事を開始するということは、地味ですが案外重要なことです。

行動科学者の権威・バラス・スキナーは、青信号をつついたらご褒美にエサが出る、通称「スキナー箱」を用い、ネズミやハトを使った「条件付け」の実験を行ったことで有名ですが、実は、この仕掛けを考案したスキナーが、自分自身にも同じような「仕掛け」を施すことで、仕事を進めていたことはあまり知られていません。

スキナーは、毎日ほぼ同じ時間に書斎に行くと、書斎の左側のサイドテーブルに「ウェブスター国際辞典」、右側には「自分のやりかけの仕事などが一通り入っているファイル」が置かれている状態を維持しました。

そして机に座ると、電気スタンドを必ず点けたといいます。そのスタンドには特殊な仕掛けがあり、電気が点灯していた累積時間を、自動的に計る仕組みになっていました。その合計が特定の時間に達すると、スキナーは自身の学習時間を毎日計測しているグラフの点を増やし、それを繰り返していました。

スキナーにとっては、この「グラフの点」がご褒美だったようです。自身の研究時間を確実に確保するために、スキナーは「条件付け」を自分に対しても行っていたというわけです。

仕事の環境を整えることが「条件付け」に繋がる

こんな仕掛けで本当に仕事を進めるようになるのだろうか、と疑う向きもあると思います。ただ、スキナー自身は、休日なく毎日この日課を守り、亡くなる数日前まで続けていたといいます。

スキナーが示したように、私たちは「ある行動を取れば特定の結果が出る」と確信できていれば、その行動を取り続けるようになります。 私たちは、環境を整えるのがもっと簡単にできる時代に生きているのですから、こういうことは確実に取り入れていきたいところです。

たとえば私は書斎に入ったら必ず、この文章を書いているUlyssesというエディタの画面が目に入るようにしておきます。決して、ウェブブラウザや、メールや、twitterなどが目に入らないようにしてあります。

そしてMacの仮想デスクトップの機能を使って(ウィンドウズでも同じことができるはずです)、左の仮想デスクトップに移ったらウェブブラウザでその日のスケジュールを把握でき、反対の仮想デスクトップに移ったらKindleのライブラリが見られるようにしてあります。

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こうしておけば、仕事で資料が必要になったとき、スケジュール関連の資料が欲しければ左の画面に移ればよいし、書籍からの資料が欲しければ右側の画面に移れば良く、他のことを考える必要はありません。

そして、席を離れるときは必ず、「中央」をUlyssesの画面にしておきます。文章の途中からであれ、最初からであれに自分の文章と向き合って、自分の文章を中心に仕事をしていることが、私の生産性を最大にしてくれるからです。

習慣化させるためには 「最初のきっかけ」が重要

スキナーにとっての電気スタンド、スキナーのハトにとっての「青信号」と同じように、学習のためには、「最初のきっかけ」が大事なのです。私にとってはそれがUlyssesの画面であって、それを見れば「仕事を開始する」行動にスイッチが入るのです。

もちろんそれには「エサ」が必要です。私にとってはUlyssesが教えてくれる「文字数」がその役割を果たしています。「合計4500字」という目標を達成できたことを確認しては、「自分が報酬を受けた」気持ちになれるのです。

仕事を始める「きっかけ」と、仕事を達成した「報酬」を統一し、それを学習することで、仕事を進める強固な習慣が出来上がります。「仕事に集中できない」「簡単に気が散ってしまう」とお悩みの方は、ぜひ試してみてください。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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