コラム

「日本一オーラがない監督」中竹竜二氏に聞く


新年度到来! 部下が失敗した時のフォロー法

2016.04.08

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新年度が始まっていますが、新入社員を迎えるにあたり、部下の育成について悩むことも少なくないでしょう。今回は部下をどうフォローしていくかについて触れたいと思います。

目次
  1. 自分は上司として部下に何をしようとしているのか?
  2. 自身で振り返る癖をつけてあげる
  3. 時にはあえて失敗させる
  4. 上司は部下を育成する中で最も成長する

自分は上司として部下に何をしようとしているのか?

部下の育成には、複数の項目があります。例えば、スキルや知識を教える、マインドを変える、やる気をあげる、能力をあげる、成果をあげる等々。大切なのは、自分は上司としてその部下に何をしようとしているのか?です。なんとなく、失敗した部下を励ましたり、アドバイスをしたり、叱ったりしても何の効果もありません。その行為に上司側がきちんと目的を持っているかが肝となります。

自分の部下が失敗した時、まず考えなければならないのは、その部下にどうなってほしいかです。それによって、フォローの仕方は異なります。唯一正しいフォローの仕方というものはありません。

とにかく、失敗して落ち込んでいる部下のやる気を上げて明日も元気に出社してほしければ、恐らく結果的に失敗したけれど、その過程や日頃の業務でうまくいっていることをたくさん探して褒めてみるのもいいでしょう。

その他、自身の似たような失敗体験をしてあげることで、部下の不安も少しは解消させるかもしれません。上司と部下に似たような体験があると共感具合が高まると同時に、部下にとっては未来への道筋が見えることがあります。

自身で振り返る癖をつけてあげる

失敗からのショックで自信を喪失してしまう部下も少なくないでしょう。その場合は、失敗の原因を冷静に分析してあげることも必要です。上司側から分析ポイント全てを伝えるのではなく、「なぜ、失敗したんだろう?」「なにがターニングポイントだったと思う?」「次にもう一度やるとしたらどうする?」といった具合に部下に質問を繰り返し、自身で振り返る癖をつけてあげるといいと思います。

また、スポーツのコーチングの世界では「成功体験より失敗体験の方がより多くの学ぶ」とよく言われています。だからこそ、失敗して落ち込んでいる部下には「今こそ、成長のチャンスだよ」と励ますのもいいかもしれません。

時にはあえて失敗させる

私の場合、更なる成長を見込んで、わざと会社の部下やチームの選手たちに失敗をさせることもあります。その個々人の成長の期待に応じて、フォローの仕方は全く異なります。しっかりと自身の失敗に向き合ってもらいたい場合は、言い訳をさせないように個人面談で質問攻めにします。

また、責任感を更に持ってもらいたい場合は全体会議やミーティングといった大勢の場でその失敗について指摘します。失敗からの挫折を自身で乗り越えていくためのタフネスをつけてもらいたい場合は、あえてしばらく放置します。そして、孤独の中でもがいてもらいます。その過程を注意深く観察しながら、挫折から起き上がりチャレンジしたときに「よくがんばったね」と励ますようにしています。

上司は部下を育成する中で最も成長する

以上のようにさまざまなケースがありますが、基本的には上司自身が「部下の育成」をどう考えているかでフォローの仕方が変わるといっていいでしょう。ケースごとの対応というより、上司自身が育成の軸を持って接することが必要なのです。

「上司は部下を育成する中で最も成長する」ので、役職だけを重視した上から目線ではなく、「共に学び共に成長する」というマインドを持つことが大事になります。コーチや上司は、教えることで学びます。その特権をいかしながら、部下や選手に寄り添えるとお互いの信頼関係も深まるでしょう。

執筆者紹介

中竹竜二(なかたけ・りゅうじ)(株式会社TEAMBOX代表取締役) 1973年、福岡県生まれ。早稲田大学人間科学卒業後、単身渡英。レスタ―大学大学院社会学部修了。三菱総合研究所でコンサルティングに従事した後、早稲田大学ラグビー蹴球部監督、ラグビーU20日本代表監督を務め、「監督の指示に従うのでは無く、自ら考え判断できる選手を育くむ」という自律支援型の指導法でとして多くの実績を残す。日本で初めて「フォロワーシップ論」を展開したひとり。早稲田大を2年連続で全国大学選手権優勝に導きながらも、自らを「日本一オーラがない監督」と称する。

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