コラム

「日本一オーラがない監督」中竹竜二氏に聞く


ラグビーU20日本代表元監督が語る、悩めるリーダーへのアドバイス方法

2015.08.19

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人事にとって、悩みは尽きぬもの。以下は、とある人事担当者の悩みです。

人事担当者Aさんは、入社4年目の社員Bさんを初めてリーダーに指名し、あるプロジェクトを任せた。 Bさんは入社歴の若い社員を率いることに自信がなく、相談を受けている。

このようなAさんにアドバイスするなら、どのようにフォローすれば良いのでしょうか?今回は、日本ラグビーフットボール協会のコーティングディレクターであり、株式会社TEAMBOX代表を務める中竹竜二氏に話を伺いました。

中竹氏は、指導経験がないまま2006年に早稲田大学ラグビー蹴球部監督に就任。チームの目的達成に向けてフォロワー(メンバー)がリーダーを補助していく「フォロワーシップ」という概念を提唱し、2年連続でチームを全国大会優勝に導いたことで注目され、その後の執筆や講演活動で人事担当者をはじめとした幅広い層から支持されています。

目次
  1. 時間をとって対面で話を聞く
  2. 人事に求められるのは「良質な質問」
  3. 相手が抱えている不安を細分化し、言語化する
  4. 「リーダーは完璧ではなくても良い」

時間をとって対面で話を聞く

中竹です。本テーマでは、新任リーダーが抱える典型的な悩みに対して、人事担当者がどのようにサポートしていくべきかについて述べたいと思います。

コミュニケーションに関する課題の全ては特殊解なので、唯一の正解はありませんが、現在、日本ラグビーフットボール協会のコーチングディレクターという役職において指導者の指導をしている立場と経験から、持論をご紹介します。

初めてプロジェクトのリーダーとなり若手社員を率いることになった入社4年目の社員Bさんから相談があった場合。まずは人事担当者のAさんは、Bさんの悩みを時間をとって対面で聞くことが大切です。

人は自分の悩みを他人に共有してもらうと、その時点でストレスが減ります。悩み自体が解消されなくても、自分が悩んでいるという事実を他者にも知ってもらえることで安心するのです。悩んではいるけれど自分は独りではない、自身の存在を仲間に承認されている感覚が安心感に繋がります。ぜひ、10分でもいいので、メールや電話ではなく「対面」で話してみてください。Bさんの表情が変わっていくのを実感するでしょう。

人事に求められるのは「良質な質問」

日本ラグビーフットボール協会のコーティングディレクター、株式会社TEAMBOX代表の中竹竜二氏

次のステップは、Bさんが実際に抱えている「悩みは何なのか?」を明らかにすること。悩みの根源である不安を引き起こしているものが、具体的に見えてくれば問題は前進します。

ただし、現場にいない人事担当者が、いくら経験値があったとしても、簡単に当事者の悩みの要因を見出すことはできません。だからこそ、Bさんに良質な質問をすることが重要です。課題の解明を他者にしてもらうか、自身で行うかでは、のちの行動に大きな違いが生まれます。

問いかけを通じて自身で発見した解には、腹落ち感が強く、スムーズに次の行動に移れます。

相手が抱えている不安を細分化し、言語化する

では、人事のAさんが、Bさん本人に問いかけるべきことは何なのか?

例えば、何に自信がないのか(プロジェクトそのものか、若いメンバーとのコミュニケーションか)、もしくは、誰の目を気にしているのか(上司なのか、部下なのか)などを具体的に引き出してあげましょう。その過程で「無駄に悩んでいる自分」に気づいてくれることもあります。

人は、抱えている不安を細分化し、言語化することで、不安の半分は解消されます。不安の多くは、何が不安かあいまいなときにピークを迎えます。人がパニックに陥るときも同じですね。

ですので、人事のAさんがやるべきことは、解決策を与えるのではなく、Bさんが抱えている課題の正体は何なのかを、問いかけや共感を通じて解明してあげることなのです。どうしても人事担当者である以上、Aさんは自身の経験を踏まえ何かと良いアドバイスや適切な解決策を与えがちです。その姿勢ではなく、ぜひ、同じ目線で、悩みに寄り添ってあげてください。

また、ときどき起こる厄介なケースとしては、Bさんが悩んでいるにもかかわらず、背伸びをしてしまって、誰にも悩みを打ち明けないこと。これは、特に学生時代に優等生だった人に起こる傾向が強くあります。リーダーとしてできないことがあるのはダメなことだと思い込んでいるタイプです。

その場合は、Aさんの方から「若い社員を率いるのはほんとうに大変ですよね」とこちらから労りつつ声をかけることが有効でしょう。

「リーダーは完璧ではなくても良い」

大切なのは、「リーダーは完璧ではなくてもよい」というメッセージをいかに新任リーダーになった時期に伝えられるかです。当人は、頭では理解できるかもしれませんが、なかなか実践するのは難しいもの。むしろ、最初だからこそ、誰しも余計にうまく見せたがります。

偉大なリーダーのうち、挫折や失敗をしなかった人はいません。これは、世界中の紛れも無い事実です。リーダーに昇格した若きリーダーたちに、この心理に気づかせてあげることが、人事担当者の最も大きな役割かもしれません。

執筆者紹介

中竹竜二(なかたけ・りゅうじ)(株式会社TEAMBOX代表取締役) 1973年、福岡県生まれ。早稲田大学人間科学卒業後、単身渡英。レスタ―大学大学院社会学部修了。三菱総合研究所でコンサルティングに従事した後、早稲田大学ラグビー蹴球部監督、ラグビーU20日本代表監督を務め、「監督の指示に従うのでは無く、自ら考え判断できる選手を育くむ」という自律支援型の指導法でとして多くの実績を残す。日本で初めて「フォロワーシップ論」を展開したひとり。早稲田大を2年連続で全国大学選手権優勝に導きながらも、自らを「日本一オーラがない監督」と称する。

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