就職みらい研究所『就活白書2019』より
20年卒新卒採用の傾向と対策 ②インターンシップの実施
2019.03.01
全5回にわたり、20年卒採用のあり方についてひもとく「20年卒新卒採用の傾向と対策」。
第2回のテーマは「インターンシップ」。近年、インターンシップを実施する企業は増加しているが、20年卒採用ではどのような傾向が見られるのだろうか。その潮流を掴み、自社の採用に生かしてほしい。
※インターンシップは卒年を問わず実施することがあるため、『卒年』ではなく『年度』で表記。
※記事は就職みらい研究所が2月25日発表した『就活白書2019』の内容と記者発表の取材を基に作成。
- シリーズ一覧
19年度にインターンシップを実施予定の企業は94.8%
ポイント
・新卒採用を実施している企業のうち、2018年度にインターンシップを実施した(予定含む)企業は95.9%と2017年度よりも11.3ポイント増加した。
・一方で、2019年度に実施予定の企業は94.8%と2018年度(予定含む)より1.1ポイントの微減。従業員規模で見ると、全規模で微減となった。
編集部解説
19年度にインターンシップ実施を予定する企業は94.8%で、ほとんどの企業が実施するような状態だ。18年度には前年度比で11.3ポイント増と大幅に増加しており、19年度も「インターンシップの一般化」が続く。
※図はクリックすると拡大されます。
▼図1:インターンシップの実施(予定)状況(全体/単一回答)
従業員規模および業種、地域別インターンシップの実施(予定)状況
インターンシップの実施目的は「自社や業界全体、仕事の理解促進」
ポイント
・インターンシップを実施(予定も含む)した企業に、実施目的を尋ねると、「仕事を通じて、学生に自社を含め、業界・仕事の理解を促進させる」が最も高く88.2%(2017年度差-0.8ポイント)。
・近年増加傾向にあるのは、「採用を意識し学生のスキルを見極める」「将来の顧客となりえる学生に対して、自社に対する理解・イメージアップを促進させる」「採用に直結したものとして実施」。
・実施目的について2013年調査より経年で見ると、「学生に就業体験の機会を提供することで、社会貢献する」は年々減少
している。
編集部解説
インターンシップの目的として「自社や業界全体、仕事の理解促進」を掲げる企業が最も多かった。
特徴的なのは、「採用を意識して学生のスキルを見極める」「採用に直結したものとして実施」と答える企業が年々増加している点だ。一部報道では「政府が採用直結型インターンシップの禁止を要請する」と報じられている。しかし、現実的には企業が学生の早期獲得策としてインターンシップを活用する動きが高まっている。
▼図2:インターンシップの実施目的(インターンシップ実施企業[実施予定を含む] /複数回答)
1~2日間の「超短期インターンシップ」が増加
ポイント
・2019年度のインターンシップを実施予定の企業における実施期間は、「1日」が最も高く81.6%で、2018年度よりも3.1ポイント増加した。
・2017年度より経年で見ると、「1日」「2日」は増加傾向だが、1週間以上は若干の減少傾向となった。
編集部解説
1日や2日の超短期インターンシップの実施数が伸び、1週間以上の実施は軒並み減少している。インターンシップの実施企業が増加した結果、企業側も学生が参加しやすい日数に設定し直しているようだ。
▼図3:インターンシップの実施期間
(各年度のインターンシップ実施企業[実施予定を含む] /各年度複数回答)
インターンシップの実施月は1月、2月、8月に集中
ポイント
・インターンシップを実施もしくは実施予定の企業における実施月は、「2月」が最も高く68.0%(2017年度差+2.8ポイント)。
・2017年度より経年で見ると、「8月」「1月」「2月」で特に増加傾向が見られる。
編集部解説
18年度と同様に、広報活動の解禁直前の2月の実施が最も多かった。1月実施は前年度比4.5ポイント増と大幅に増加し、8月も実施数が増えている。例年と同様に、学生の休暇期間に当たる夏と冬にインターンシップが集中する。
図4:インターンシップの実施月
(各年度のインターンシップ実施企業[実施予定を含む] /各年度複数回答)
4割の企業が「インターンシップの受け入れ人数を増やす予定」
2017~2019年度にインターンシップを実施または実施予定の企業において、前年度と比べた変更状況について見る。
ポイント
・2018年度を見ると、『受け入れ人数』『回数』の項目で2017年度よりも「増やした」が半数以上であった。
・2019年度を見ると、『受け入れ人数』『回数』の項目で2018年度よりも「増やす予定」が40%強であった。
編集部解説
18年度に「受け入れ人数を増やした」との回答した企業数は、17年度と比べて3.8ポイント増加した。19年度では受け入れ人数を「(前年度と)同じ予定」とする回答が半数以上で、41.3%は「(受け入れ人数を)増やす予定」(18年度比8.9ポイント減)と答えている。インターンシップでの受け入れは拡大し続ける予想だ。
インターンシップの実施回数は企業の約4割が「増やす予定」と回答。実施期間は7割が「同じ予定」と回答した。
▼図5:2018年度と2017年度を比べた変更状況、および、2019年度と2018年度を比べた変更予定状況
参考)内定者のインターンシップ参加状況
ポイント
・企業の2019年卒の内定者の中に、インターンシップ参加者がいたのは75.4%(2018年卒差+1.8ポイント)。
・従業員規模別で見ると、1000人以上企業は約90%の高水準である一方、300人未満は45.1%と半数を下回っている。
編集部解説
19年卒採用では、企業規模が増えるほど、インターンシップ参加からの内定者が増えている。5,000人以上の企業は9割、300人未満では4割と大きな差がある。業界別でインターンシップからの内定者数を比較すると、金融、流通、製造、建設、サービス・情報の順で多かった。
図6:企業)内定者のインターンシップ参加状況(インターンシップ実施企業/単一回答)
▼図7:企業)内定者のインターンシップ参加状況(インターンシップ実施企業/単一回答)
「3.2020年採用の見通し」に続く。
図およびポイントは「『就職白書2019』のプレスリリース記事」より抜粋して紹介しています。
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。
「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
ChatGPTなどの生成AIの登場により、「生成AIに仕事を奪われるのではないか」という危機感など、波紋が広がっている。そこで@人事は、このように生成AIが一般化する社会の中で、人...
2023.11.21
-
特集
ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論vol.3
【2024年の人的資本開示で必須】生成AIの「働く場」へのインパクト~制度や体制・育成や人事制度、採用について
ChatGPTをはじめとする生成AIが一般化する社会の中で、人材戦略・人的資本経営のをどのように行うべきかを解説する特集。第3回は、前回に引き続き、経営人事の実務上の留意点を紹介す...
2023.11.15
-
特集
ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論vol.2
【2024年の人的資本開示で必須】生成AIの「働く場」へのインパクト
ChatGPTをはじめとする生成AIが一般化する社会の中で、人材戦略・人的資本経営のをどのように行うべきかを解説する特集。第2回は、前回考察した人材戦略全体にわたる留意点について細...
2023.11.13
あわせて読みたい
あわせて読みたい
人気の記事
国内・海外ヘッドライン
THE SELECTION
-
PRTHE SELECTION企画
「置き型健康社食」がもたらす可能性とは
健康経営、採用強化、コミュニケーション活性化にも。 手軽に導入できる「食」の福利厚生
-
PRTHE SELECTION企画
街なかの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」で、もっと社員の顔写真管理をラクに
社員証の写真、「最適化」できていますか? チーム力を強化する顔写真データ活用法とは
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
特集「人手不足業界の逆襲」~外食産業編~
「見える化」と「属人化」の組み合わせが鍵。 丸亀製麺が外食業界を変える日
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION会員限定特集
働きやすい職場づくり~サイバーエージェント編
「妊活支援」や 「働くママ・パパ支援」を、 一部の社員のものにしないためには?