コラム

「最優秀エージェント」受賞企業が伝える令和の女性活躍推進【第1回】


女性社員が活躍できない企業の特徴と活躍している企業の施策

2020.02.21

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女性の働く環境はこの10年で大きく変化しました。リモートワークや時短勤務などを活用しながら、ライフステージの変化に応じて働き方を柔軟に変化させ、継続的にキャリア構築を図る女性が増えています。

国の方針と相まって、女性の活躍を応援・推進している企業も大幅に増えていますが、実際に採用に成功し、入社後の活躍にまでつなげられているとは言い切れない状況です。

そこで今回は、20~30代を中心に多様化する女性のキャリア支援を行う、株式会社MAPウーマンの菊池華恵氏が、一万人以上の転職に関わってきたアドバイザーの立場から、若手女性採用や定着に効果的な施策や、女性の採用に成功している企業と、内定辞退されがちな企業の特徴などを紹介します。

目次
  1. キャリア形成段階の女性が転職する理由
  2. 女性社員の定着・活躍を考えるのなら、制度構築の労力を惜しんではならない
  3. 女性に「内定辞退」されがちな企業の特徴
  4. 女性求職者と採用担当者の「すれ違い」面接
  5. 女性社員採用に効果的な3つの施策
  6. 女性社員定着に向け、女性管理職が積極的に社内発信すべし

キャリア形成段階の女性が転職する理由

弊社が、現在キャリア形成段階にある20代を中心に<今後の活躍が期待できる世代>の女性を対象に実施したアンケートによると、転職を考えたきっかけの第1位は「やりたい仕事がある」というものでした。

参照:女性が転職に求めるもの1位は「仕事のやりがい」 転職によるキャリアアップに前向きな傾向

女性が転職を決めたきっかけ

以下、第2位に「給与に不満がある」、第3位「会社の将来性不安」とネガティブ要因が続くものの、積極的に自身のキャリアアップに励む女性が増えていると見ていいでしょう。

しかし、やりたい仕事がある、もっと活躍したいといった、一見前向きな転職の背景には「現職では長期的なキャリアを築くイメージが持てない」という本音が隠されているのではないでしょうか。

実際に、弊社サービスを利用する女性求職者の約9割が、結婚や出産などのライフイベントを経ても働き続けることを希望しています。さらに、ライフステージの変化によって転職を繰り返すのではなく、一社での長期就業を望む声が多いのです。

女性社員の定着・活躍を考えるのなら、制度構築の労力を惜しんではならない

長期就業を望む女性が長く活躍できるようにするためには、風土や社内制度の整備が必要です。しかし、相当の時間と労力を要します。体制がまだ整わないベンチャーだけでなく、業歴の長い企業でも、時代にあった社内制度への改善を敬遠している管理部門・経営層は少なくありません。

社風や社内制度が時代に即したものであるか、今一度見直す必要があるでしょう。

弊社を例にあげると、設立当初はそもそも女性社員の数が少なく、産育休を含む社内制度構築の緊急度は高くありませんでした。しかしグループ設立から13年目を迎えた現在は、リモートワークや時短勤務、部署異動での業務最適化など、社員の状況によってフレキシブルに対応しています。

結果、グループ全体での女性比率は53%にまで向上し、チームを引率する女性リーダーも育っています。また、現在産育休取得中の女性社員全員が復職を予定しています。

向上心があり、活躍が見込める20~30代の優秀な女性が離職しがちな企業は、女性応募者が集まりにくい、内定辞退されてしまうなど、採用活動でも苦戦する傾向があります。では、「内定辞退」される企業にはどのような特徴があるのでしょうか。

女性に「内定辞退」されがちな企業の特徴

次に挙げるのは、他社と内定がバッティングした場合に、辞退されがちな企業が持つ特徴の一例です。

・女性管理職がいない
・産休育休制度が整っていない、または活用実績がない
・男性と比較して女性の平均年齢が低い(≒在籍年数も女性の方が短い)
・既婚女性は異動になる暗黙のルールがある(本人希望と異なる部署への異動が多い)

採用活動は長らく「企業が人材を選ぶ」という認識のもと行われてきました。しかし現在は「企業が求職者に選ばれる」時代です。未だこの視点を持てない企業は、特に若手採用市場でどんどん遅れをとっています。

女性の採用を強化するには、単に採用業務だけでなく、女性が活躍できる環境づくりも必要だということです。そのため、人事担当者には、経営陣とのスムーズな意思疎通、風土醸成や制度設計を連携する力、これらを同時並行で進める能力など、多くのスキルが必要になるのです。

風土情勢や制度設計の重要性を認識してもらいつつ、次に採用活動時における注意点を挙げていきます。

女性求職者と採用担当者の「すれ違い」面接

採用活動の要ともいえる面接で、面接官が女性応募者の本心を読み取れず、すれ違ってしまうケースもあります。

例えば、面談時に応募者から産育休制度や女性管理職の割合に関する質問があると「ワークライフバランス重視型の応募者では」と身構える面接官がいます。しかし実際は「ライフイベントを経ても長期間就業したい」という意欲から出た発言であることが多いのです。

また、女性応募者へ自社の風土情勢や制度について説明する場面では、「説明の仕方」について注意が必要です。早期離職につながりやすい「ミスマッチ採用」を防ぐ為、自社の現状について率直に説明した結果墓穴を掘る、という残念なケースも増加しています。

面接での虚偽発言はあってはならないことですから、事実をありのまま伝える意図は理解できます。特に、これから社内体制を構築するフェーズにある場合は、今後の展望を断定的に話すことは難しいでしょう。

この場合は、女性が活躍しやすい環境を整備している段階にあることを話した上で、そのロールモデルとなって欲しいと期待感を伝える、パーソナルな対応も可能であると説明することが大切です。活用実績のない「お飾り制度」をアピールするよりも、今後のプランや社員個々の状況に応じた柔軟な対応が可能な姿勢を見せるほうが、若い世代には響くのです。

女性社員採用に効果的な3つの施策

下記は実際に採用に成功している企業が行っている効果のあった施策です。特に目新しさはないかもしれません。しかし実行できている企業は多くないのが実情です。

①女性面接官の登用

面接官に女性社員をアサインする、面接やオファー面談などにロールモデルとなる女性社員を登場させるケースが増えています。実際に働くイメージが掴める、女性目線の就業状況を確認できるなど等、高い効果が見込める、再現性の高い施策と言えるでしょう。

②「ウェルカム感」の演出

「あなたの入社を歓迎しています」という意思表示は、応募者の意向を左右する大切な要素です。最終面接後にオフィスツアーで社内の雰囲気を開示し、内定通知後に配属予定部署や面接官からのメッセージ色紙をプレゼントするサプライズを実施し、無事内定承諾に至った企業もあります。

③ていねいな説明、真摯な対応

受付対応から面接終了までに接した全社員の態度から、社風や顧客に対する接客スタンスを感じとり、応募者の意向が上がった事例があります。これは採用向けに意図したものではなく、企業が日々大切にしている理念を社員一人一人が体現できていた素晴らしいエピソードです。

応募者は、五感全てを使って企業を理解しようとします。企業にとっては、大勢いる候補者の中の1人という感覚かもしれませんが、応募者は大きな期待を持って面接に臨んでいることを忘れたくないものです。

女性社員定着に向け、女性管理職が積極的に社内発信すべし

国際労働機関(ILO)が発表したデータによると、日本企業における女性管理職の割合は全体の12%でした。これは、世界平均27.1%から大きく遅れをとっており、主要7か国(G7)では最下位となっています。

一方で、メディアは大手企業の女性管理職を度々取り上げ、女性の働き方にフォーカスしたイベントも増え続けるなど、情報だけは豊富に揃っている状況です。確かに、女性活躍推進にはこれらの動きも大切です。しかし私は、各社が社内発信を強化することも重要だと考えています。

我々一般人は、有名人と自分を比較し優劣をつけるようなことはまずありません。同様に、一般の女性社員が、メディアを賑わすようなスーパーウーマンと、自身の働き方とを関連付けて考えるのは難しいからです。

女性は共感の生き物と言われます。すでに社内で活躍している女性がロールモデルとなり、後進女性社員への発信を続ける、多様な働き方を賞賛する文化を醸造する、女性社員同士で今後のキャリアについてディスカッションする機会を作るなど、女性社員の定着を意識した取り組みこそが必要ではないでしょうか。

今回は若手女性の採用と定着、活躍についてお話ししました。もちろん、性別に関係なく働き方やキャリアを柔軟に選べる社会を創っていくことが重要なのは言うまでもありません。そのためには、私たちがそれぞれの会社やコミュニティで少しずつでも前向きな行動を起こしていくこと。その積み重ねこそが、大きな変化につながっていくはすです。

定着率にこだわり、入社後も自分らしく就業できる環境を

株式会社MAPウーマンキャリア取締役・菊池華恵長く社会で活躍できる強いキャリアを、今から形成したい。ライフイベントを経ても、自分らしいスタイルで働き続けたい。そんな女性の転職とキャリアアップを、同世代の女性コンサルタントがサポートする女性専用転職エージェント「MAPウーマンキャリア」取締役です。『転職活動のゴールは入社ではない』と考えており、内定獲得のための求人提案ではなく、定着率にこだわり、入社後も自分らしく就業できる環境をご提案できることが強みです。本コラムでは、これまでアドバイザーとして約1万人以上の転職に携わってきた経験を元に、若手女性採用の実例や採用成功ノウハウをお伝えします。(菊池華恵)


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執筆者紹介

菊池華恵(きくち・はなえ)(株式会社MAPウーマンキャリア取締役) 岩手県出身。大手金融会社で富裕層個人営業を経験した後、株式会社MAPに入社。未経験だった人材業界でアドバイザーのキャリアを積み、2018年に女性専用転職エージェント「MAPウーマンキャリア」を立ち上げる。

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