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特集

「リクルーター復活の兆し」


「ビズリーチ」「ノバレーゼ」が実践する、リクルーター制の活用術

2015.06.08

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前回は、「リクルーターが担える4つの役割」や「リクルーター制を導入するために不可欠な3つの条件」などを紹介した。今回は、実際にリクルーター制を導入している企業を見ていこうと思う。

目次
  1. リクルーターを選出する方法
  2. 次は自社の魅力と人材要件の選定
  3. リクルーターを導入している企業の活用術
  4. 全社を挙げて採用に取り組むことはメリットが大きい

リクルーターを選出する方法

ビズリーチ の伊藤綾氏

ビズリーチ 伊藤綾氏

トップの協力の元、リクルーター制を導入することができたとして、その選出は、どうすればよいだろうか。会員制転職サイト等を運営するビズリーチ(東京都渋谷区)では、16年卒採用から正式にリクルーター制を導入する際、社内公募を行った。数十名近い応募があり、その中から若手社員を中心に「自社の理解がしっかりできていて、その魅力を学生とコミュニケーションを取りながら十分アピールできるか」というポイントで選考を行ったという。

09年に創業し、現在では従業員数約450名に成長している同社では、人材採用の重要性をトップ自らが常々全社に共有しているという。「年始のキックオフミーティングや、月に一度の全体朝礼などで、常に全社で採用目標を共有しています。採用活動に関する人員に対しても、十分にリソースを充てることを代表がはっきりと認めているので、リクルーター制の導入もスムーズでした」と、採用・広報担当の伊藤綾氏は話す。

ノバレーゼ の高橋麻菜美氏

ノバレーゼ 高橋麻菜美氏

ブライダル大手のノバレーゼ(東京都中央区)では、00年の設立初年度から新卒採用を始め、早々とリクルーター制を導入している。「当社ではリクルーターになることは、『花形』であり、とても栄誉あるポジションという意識があります。社員の活躍や成績を見て、毎年リクルーターを選定しています」と話すのは、人材開発部長の高橋麻菜美氏。元リクルート出身の浅田剛治氏が代表を務める同社では、「採用業務は、すべての業務に優先する」という意識が徹底されているのだ。

次は自社の魅力と人材要件の選定

人が集まったら、次は「自社の魅力」と「自社に必要な人材像(人材要件)」を皆でしっかり考える必要がある。

「人材要件を定義するには、自社のビジネスモデルの理解が不可欠です。自社の扱う商材は何か。そのお客さまは誰か。それを行う社内体制がどうなっているか。これらを考えれば欲しい人材像はおのずと見えてくるはずです」。(ディリゴ長谷氏)

さらに、「リクルーターをつとめる社員は、自社の魅力の伝え方を考え、自分がなぜ自社に入り、どのような人材に成長したいと考えていたかを思い起こし、それをいきいきと学生に伝えます。その作業をし、あらためて自分以外の誰か(学生)へ発信することで、自然とモチベーションが高まります」(高橋氏)と言うように、社員自身の教育研修につながることは、リクルーター制の副次的なメリットの1つだ。

リクルーターを導入している企業の活用術

ちなみに、ノバレーゼ、ビズリーチともに、リクルーターは母集団の形成には関与していない。両社のリクルーターは、企業理解の促進、志望度の向上、内定者の囲い込みが主なミッションだ。「大手も欲しいと思うような優秀な人材を採用したい」という目標も同様である。具体的に、リクルーターがどのように活用されているのかをノバレーゼの例で見てみよう。

ノバレーゼのリクルーターは、正規の人材開発部社員と、新卒採用の期間のみ人材開発部に籍を移す数名の「メインリクルーター」と、全国の拠点で通常業務を行いながら、メインリクルーターの求めに応じて学生との面談を行う20名強の「サブリクルーター」(名称は仮)の2種類からなる。

どちらのポジションも人材採用・研修を担当するメンバーが常日頃から、社内をこまめに観察して、「仕事を通じて成長している」と輝きがある社員を中心に声をかける。各部門の上長から、推薦があることもある。サブリクルーターは、年次の若い社員だけではなく、「さまざまなフェーズの社員とあってもらうことに意義がある」と、幅広い年齢層、役職、職務内容のリクルーターをバランスよく選出している。

一次選考を通過した学生の一人ひとりにメインリクルーターが担当として付き、その学生にどのサブリクルーターを会わせていくか、その順番も合わせて戦略的に「ステップアップのストーリー」を描いている。学生が志望する業界や職種によって戦略が違うのだ。

例えば、経営に興味がある学生の場合、1人目に会うのは、同じ大学の先輩、同郷など親しみやすさを感じることができ、かつ入社後すぐの自分の業務がイメージできるような若手リクルーターだ。次は、入社4、5年目のマネージャー職。次は例えば、ブライダル業界の魅力を伝えるのがうまい中堅リクルーターや、他業界から転職してきた中途入社のリクルーターなど徐々にリクルーターの役職も上げていく。そして、最後に年間売上数十億円に達する店舗運営を行う支配人クラスとの面談を行う。

さらに、メインリクルーターからサブリクルーターに出される面談の指示ひとつとっても「この学生は〇〇に興味があり、いまは〇〇の業界と迷っているので、○○な話をしてほしい」というように細かい。注力している企業は、ここまで注力しているのだ。

こうやって全社を挙げて採用に取り組む企業では、入社後の社員教育にも自然と力が入るため、早期の離職防止にも大きな効果をもたらしている。

全社を挙げて採用に取り組むことはメリットが大きい

このように、「全社を挙げて採用業務に取り組む」企業は、少しずつ広がっている。結果として社員教育にもなるなど、メリットが大きいからだ。その姿勢は「社員を大事にしてくれそう」だと学生にも必ず伝わるのである。(続く)

執筆者紹介

玉寄麻衣(たまよせ・まい) 1979年生まれ。立命館大学政策科学部卒業。外資系大手人材派遣・人材紹介会社で、営業として主に中小企業の人材採用をサポート。その後フリーランスのライターとなり、人材採用、人材育成、大学教育、広報・PR、企業経営等に関する取材・執筆を行う。

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