「日本仕事百貨」の株式会社シゴトヒトに聞く
求職者の心を動かす求人記事の作り方
2015.10.09
ターゲットに刺さる求人広告をどうしたら生み出せるのか? これは採用に携わる人たちの積年の課題の一つだといます。こうした課題を解決するカギを、「心を動かす求人記事」の先駆者、株式会社シゴトヒトにお聞きしました。
同社が運営する「日本仕事百貨」は、「生きるように働く人の仕事探し」を応援する求人サイト。特徴的なのは、職場を一つ一つ訪ねて取材をし、働いている人や仕事の「ありのまま」を掘り起こして紹介しているところです。
例えば「島の管理人」のような一風変わった求人情報と出合うことができます。「日本仕事百貨」は口コミだけで広がり、月に約100件の問い合わせが舞い込み、Facebookページは2015年8月時点で1.7万人のフォロワーを誇ります。
転職を考えていない人も、つい読みたくなり、応募したいと思うようなサイトを作るための工夫に迫ります。
求職者が一番気になるのは、「どういう人と一緒に働くのか」
読者の心をつかみ、個人と企業それぞれのファンが増えていく文章を生み出すための秘訣は何なのでしょう? 株式会社シゴトヒトの編集者・中嶋希実氏はこう語ります。
「取材や編集で心がけているのは、取材現場から浮かび上がってくるリアルをとらえること。取材項目をあえてガチガチに決めずに、お話を伺った人の雰囲気に応じて、尋ねる内容を変えています。その人が夢中になって話すトピックが出てきたら、そこを丁寧にお聴きすることで、働く人のリアルな姿を垣間見られるはず。求職者が一番気になるのは、どういう人と一緒に働くのかということ。なので、企業理念や『人』のリアルな姿を記事に盛り込むことを、編集段階では意識するようにしています」
「日本仕事百貨」の求人一覧は、「地域に根ざす」「問題解決」など、業種や職種を超越した面白いカテゴリ分けがされています。こうした工夫の背景には、「広報や営業と職種の名前を載せても、各会社の想いに沿ったマッチングにはならないので、求職者のフィーリングを重視する」という考えがあります。
現在、「日本仕事百貨」の取材、執筆、編集などを手掛けるスタッフは10名弱だといいます。元々ライター経験があるのは、そのうち2名だけ。特別な研修などもなく、過去の記事にならって書く経験を積むことで、「日本仕事百貨っぽさ」とも呼べる文章のトーンを学んでいくのだそうです。
自然と口コミでファンが広がっていく理由とは?
「日本仕事百貨」の記事で一貫してこだわっているのは、「読者目線」の方針。同社がこの方針を重視する理由は、「会社に共感している方からの応募が多く、求人者にも結果としていい採用につながるから」だといいます。「給与や勤務地、採用担当者の言葉だけではなく、働いている人の思いや人生を掘り下げた内容を届けることで、良い採用に結びつき、結果として求人者のためにもなると考えています」(中嶋氏)
実際、転職を考えていなかった人が、異分野の仕事の記事を読んで共感し、転職に至った事例も多いようです。
読者(求職者や将来的に転職を視野に入れる人)に寄り添ったメディアだからこそ、広告を打たずに、強いエンゲージメントを生み出し、口コミで広がっていくのでしょう。徹底して「読者が求める情報」にこだわるという方針は、求人広告の見せ方を考えるうえで、非常に重要なのではないでしょうか。
執筆者紹介
松尾美里(まつお・みさと) 日本インタビュアー協会認定インタビュアー/ライター。教育出版社を経て、2015年より本の要約サイトを運営する株式会社フライヤー(https://www.flierinc.com/)に参画。ライフワークとして、面白い生き方の実践者にインタビューを行い、「人や団体の可能性やビジョンを引き出すプロジェクト」を進行中。ブログは教育×キャリアインタビュー(http://edu-serendipity.seesaa.net/)。
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。
「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
国内・海外ヘッドライン
厚生労働省報道発表資料
8月の有効求人倍率、1.23倍に上昇。23年7ヵ月ぶり
厚生労働省が2日に発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は、1.23倍(前月1.21倍)と23年7が月ぶりの上昇となった。7月に続いて2か月連続の上昇である。また新規求人倍率(季...
2015.10.02
-
企画
「助成金コンサルタント」のワンポイント講座
「キャリアアップ助成金」とは? 概要と申請までの流れを解説
助成金は、融資と違い返済不要で国からもらえるもの。「雇用関係の助成金」の場合、原資は雇用保険に加入している企業が支払った雇用保険料だ。これを活用しないのはもったいない話。今回は、1...
2015.09.21
-
企画
Z世代の社員マネジメントの未来を探る 後編
Z世代が組織に長期的に貢献するためのアプローチ
現代の職場では、Z世代の社員をいかにマネジメントし、彼らのモチベーションを維持し続けるかが重要な課題の1つとなった。Z世代は、個人の価値観や成長を強く意識する傾向があり、組織の中で...
2024.11.19
-
企画
Z世代の社員マネジメントの未来を探る 前編
個人人格と組織人格のバランスと尊重
1990年代半ばから2010年代前半に生まれたZ世代は、従来の世代とは異なる価値観や働き方を持つことから、職場において新たなマネジメント課題を生み出している。特に、彼らは個人の価値...
2024.11.19
-
企画
中小企業の働き方改革実践
「早上がり制度」で1,000時間削減・生産性向上を実現。ハタメタルワークスの働き方改革とは?
働き方改革の一環として、長時間労働の改善と生産性向上を両立させることは、中小企業にとって大きな課題である。今回、株式会社ハタメタルワークス(東大阪市)が導入した「早上がり制度」によ...
2024.10.04
あわせて読みたい
あわせて読みたい
人気の記事
国内・海外ヘッドライン
THE SELECTION
-
PRTHE SELECTION企画
「置き型健康社食」がもたらす可能性とは
健康経営、採用強化、コミュニケーション活性化にも。 手軽に導入できる「食」の福利厚生
-
PRTHE SELECTION企画
街なかの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」で、もっと社員の顔写真管理をラクに
社員証の写真、「最適化」できていますか? チーム力を強化する顔写真データ活用法とは
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
特集「人手不足業界の逆襲」~外食産業編~
「見える化」と「属人化」の組み合わせが鍵。 丸亀製麺が外食業界を変える日
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION会員限定特集
働きやすい職場づくり~サイバーエージェント編
「妊活支援」や 「働くママ・パパ支援」を、 一部の社員のものにしないためには?