@人事編集部調べ「働き方改革に関する意識調査」
残業は9割を超える企業で発生。半数以上の企業が「問題視」
2017.05.01
アンケート結果から「生産性向上の有効施策」を考える
@人事編集部は「脱・長時間労働」の特集企画に合わせ、企業の長時間労働対策の実態を調査するため、2017年1月15日発行の『@人事第6号』にて、長時間労働と生産性向上をテーマとしたアンケート「働き方改革に関する意識調査」を実施した。調査からは、多くの企業で残業が発生している状況や、各企業が取り組んでいる具体的な施策とその効果などがわかった。各データの分析から「生産性向上の有効施策」を探る。
アンケート概要
「新春お年玉キャンペーン 読者アンケート」【@人事Vol.6連動企画】」■実施期間:2017年1月15日~2月28日 ■回答方法:Web(フォーム)およびFAX■有効回答数:105件 ■回答者データ【性別】男性(53人)、女性(52人)【年代】20代(27人)、30代(40人)、40代(18人)、50代(16人)、60代~(4人)【従業員規模】100名以下(43人)、101~500名(40人)、501~1,000名(14人)、1,001~5,000名(7人)、5001名~(1人)
働き方改革の推進はもはや、まったなしの状況」
「Q1.あなたの会社で発生している残業について当てはまるものを以下から選んでください」という問いでは、回答から2つのことがわかった。まず「残業時間はほぼ0である」と回答したのは4.1%でその他を除外しても約9割以上の企業で残業が発生していることが確認できた。
次に、残業が発生している企業のなかで「残業時間はあるが業務遂行の許容範囲で問題視するほどではない」と答えたのが42.9%であったのに対して、「全社的に労働時間が超過気味で改善が必要」は10.2%、「一部の部署に過度の長時間労働が発生している」は40.8%と回答している。
つまり、“問題だと認識できる残業” が発生している企業の数が、全体の半数以上を超えている実態が分かった。働き方改革の推進はもはや、まったなしの状況にあると言えるだろう。
「人事・評価制度の改革」が13%どまり。残業を減らした社員の評価がカギ
では、「残業が発生している」と回答した企業はどのような対策を講じているのか。
「Q2.残業が発生しているとお答えいただいた方で、あなたの会社で取り 組んでいる長時間労働削減方法を教えてください」(選択肢複数回答可)の質問に対し、上位3つの回答は、「残業を許可・申請制にするなど就業規則の改訂」47.8%、「社員の意識改革」43.5%、「業務フロー改善」41.3%と続く。全体の回答数に対してこれら3つの合計が6割近くを占めるため、平均して企業でよく取り組まれている施策だと言える。
編集部が注目したのは上記の対策に対して「人事・評価制度の改革」が13%に留まった点だ。特集第1部でワーク・ライフバランス代表の小室淑恵氏が「脱・長時間労働」を進める上で、最初に実行すべきステップが「評価制度の改革」と説いている。ポイントは「社員の納得感」。仕組みを変えるのであれば、変更後の仕組みのなかで成果を出した時、出せなかった時ではどのように評価が変わるのかを、社員に明示もしくは納得できるよう説明していくことが求められる。すでに上位3つの対策を実行しているのにも関わらず、 成果が思うように上がらない企業は、「人事・評価制度の改革」が同時に実行できているか、または社員が納得できる制度になっているかといった点に目を向けてみてはどうだろうか。
また、「その他」と回答としたなかには、「営業時間の変更や、休日を増やす」(飲食・食品、20 代男性)、「毎週水曜日はノー残業デー」(環境・生活用品、20 代女性)などの事例が挙がった。
働き方や働く環境の改善などが「効果あり」。残業時間の大幅短縮に成功した事例も
最後に、長時間労働対策や生産性向上のため具体的にどのような施策を実施しているのかを調べるべく、「3.具体的な施策」(自由記述式)、「4.その施策の効果」「5.効果についてそう思える理由」の質問を投げかけた。どのような施策が効果的なのかを一覧できるよう、効果別に並べ替えたのが以下の図だ。
「効果あり」の施策には、会社のトップが直接社員に働きかけることで奏功するケースや職場環境の改善、業務の見直しを徹底したことで成果を上げているケースが見て取れる。「効果なし」の施策と比較すると、トッ プの考えに直接触れたり、意見を言えたりすること、働く環境が変わることなど、いずれも仕事をする上で「直接的」な変化が影響を与えている点が共通している。
一概には言い切れないが、研修をはじめとしたスキルアップによる生産性向上策は、「個人の努力」に頼る部分が大きい。そのため、職場環境の改善や業務の見直しによる仕事の仕方の変化など、個人の状況に関係なく実施する施策と比較すると、「効率的に効果を出す」ことが難しい部分があるのかもしれない。
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