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イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」後編


10年先を見据え、事例に学びつつカルチャーと行動の変革を

2024.02.08

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Unipos(東京・渋谷)は1月19日、代表取締役CEOの田中弦氏が登壇するウェビナー「日本の統合報告書全部読んで分かった人的資本経営永久保存版スペシャル」を開催した。

田中氏は2023年12月までに発表された日本の統合報告書を全て読み込み、人的資本経営のベストプラクティスを類型化。前編では、発表のサマリーとベストプラクティスの9類型のうち前半3つを紹介した。

>>>前編:人手不足時代を乗り越えるために。人的資本経営のベストプラクティスを探る

後編は、ベストプラクティスの残る類型のうち、類型4~6の解説と、発表のまとめを伝える。

目次
  1. 人的資本経営のベストプラクティス・9類型
  2. 類型4:経営戦略を反映した独自指標を提示
  3. 類型5:健康経営との組み合わせ
  4. 類型6:重点人材ポートフォリオ
  5. その他:「倫理」は安全性の構築につながる
  6. まとめ:現在の状況と課題を認識してこそ
  7. イベント概要

人的資本経営のベストプラクティス・9類型

Unipos株式会社代表取締役CEO田中弦氏のプロフィール

900弱の統合報告書に目を通した結果、人的資本経営のベストプラクティスはいくつかのパターンに類型化できることに気付いたという田中氏。ウェビナーでは9つの類型を紹介した。

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

類型4:経営戦略を反映した独自指標を提示

類型4は、Uniposが提供する「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」(下図参照)のうち、STEP4の部分に関わる内容だ。

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

実現のためには、新たなスキルや目標設定が必要になってくる。事業モデルの変化に沿い、チャレンジアサイン率と成長実感率、他事業/職種経験率という独自のKPIを設定。この指標を追えば追うほど企業が目指すビジョンの実現に近づく。田中氏は「事業戦略と人事戦略が一致しているとはこういうことだ」と評価した。

類型5:健康経営との組み合わせ

類型5は、「人的資本経営フレームワーク」のうち、STEP3「集団への投資」の部分に重なる内容である。

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

田中氏は健康経営について「個人の能力(人的資本)を発揮するための、カルチャー・集団への投資」と定義しながら、三井化学の事例を紹介した。

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

同社は非財務KPIとして「メンタル不調休業強度率」を0.25%以下に設定し、具体的な健康増進・メンタルヘルスサポート施策を数多く実施している。さらに一般的な「職業性ストレス簡易調査」に「メンタルヘルス風土調査」をかけ合わせた「新職場ストレス度調査」を2011年より全社で実施。職場改善に役立つよう、組織結果を各所属長に説明しているという。「健康経営と人的資本経営データを統合して分析している良い例」(田中氏)。

類型6:重点人材ポートフォリオ

類型6は、「人的資本経営フレームワーク」のうち、STEP3全体に関わる内容である。

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

例として、琉球銀行の取り組みが紹介された。田中氏は特筆すべき点として「スキルの可視化」を挙げる。

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

具体的には、事業性営業を担う「事業性フィールド」と個人取引営業を担う「リテールフィールド」ごとに異なるキャリアパスを設定し、そのために必要な業務スキルを96項目に分類。職員は自身の達成状況を定期的に把握しながらスキル向上に取り組めるようになっている。

その他:「倫理」は安全性の構築につながる

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

2023年は日本国内でも倫理観が問われるさまざまなニュースがあったと振り返る田中氏。こうした倫理に関する感度は海外がより身近で、心理的安全性とも深く関わる要素になっていると要約した。

倫理に反する内部通報をすることの本質は、重大な事故のリスクを減らすこと。つまり倫理をカルチャーにすることも、一つの安全性の構築の仕方になるのではないかと語る。同時に、日本ではこうした概念がまだほとんど根付いていないと指摘した。

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

まとめ:現在の状況と課題を認識してこそ

最後にまとめと質疑応答があった。田中氏は、これまで企業支援を通して得た実感として、人的資本に投資することで企業業績は上がると話す。

「変わる会社と変わらない会社の違い」について質問を受けると「人材不足に陥っている日本の状況を、経営者が真剣に考えている」「会社のことを愛しつつも、課題を見つめ、どうにかしたいと思っている従業員が多い」ことが変わる会社の条件ではないかと答えた。

また、「経営と事業戦略を結びつけるためにどんな問いから始めたら良いか」との質問に対しては、「10年後どうしたいかを自問自答することだ。そうすれば10年後の姿に向かって今やるべきことが見えてくる。時間軸を伸ばして問いを立てるのが良い」と明快に述べた。【おわり】

イベント概要

イベントレポート|Unipos「2024年新春特別ウェビナー」(@人事ONLINE)

【累計9000人以上申込!田中弦人的資本マニアック会永久保存版スペシャル!】

2023年度以降、全上場企業で人的資本にまつわる開示が義務化されました。少子高齢化という外部環境の変化により、日本企業の人材獲得競争はより苛烈となります。今後は少ない人的資産を活かし企業は成長していく必要があります。

本ウェビナーは、2023年1月より「人的資本経営専門家」であるUnipos代表・田中弦が、先行開示企業 / 海外企業の開示内容や3月決算の企業の有価証券報告書・すべての最新統合報告書、「約5,000」の情報をもとに、人的資本経営の最新動向や独自見解をお届けします。

日本の企業価値向上には、社会全体で人的資本の活用・改善に取り組むことが必要不可欠です。
今まさに試行錯誤されている皆さまの学習時間を短縮し、ともに人的資本経営を盛り上げていければという想いで開催いたします。
ぜひ皆さま、奮ってご参加ください。ご参加を心よりお待ちしております!

開催日時:2024年1月19日(金) 10:00~12:00
参加方法:Zoomでのオンライン開催
参加費:無料
https://event.unipos.me/webinar/20240119/

>>>レポート前編:人手不足時代を乗り越えるために。人的資本経営のベストプラクティスを探る

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