【寄稿】「2024新卒スタートアップ合同入社式」レポート
会社の垣根を超えた仲間と、社会人としての第一歩を。
2024.04.22
2024年3月31日、キャリアSNSおよびHR Tech SaaS「YOUTRUST」の開発・運営をする株式会社YOUTRUSTが、スカイランドベンチャーズ株式会社と共同で「2024新卒スタートアップ合同入社式」を開催。
今年で4回目の開催となる本イベントには、総勢50社、86名の新入社員が参加。
社会人デビューをいよいよ翌日に控えた新入社員たちが、会社の垣根を超えて議論を交わし、会場は終始熱気であふれていた。その様子をレポートする。
スタートアップ起業家が、新入社員を激励
オープニングでは、YOUTRUST 代表取締役 CEO 岩崎由夏氏、スカイランドベンチャーズ General Partner & CEO 木下慶彦氏、そしてゲストのNstock株式会社 代表取締役 CEO 宮田昇始氏が、それぞれの言葉で新入社員を激励。
岩崎氏は「実はこの会の言い出しっぺは私なんです」と、4回目を迎えた合同入社式の開催経緯を振り返る。
「私が新卒で入社したDeNAには、92名の同期がいました。彼らと出会ってなかったら自分の人生はどうなっていたんだろうと思うくらい、かけがえのない存在です。けれど、YOUTRUSTで初めて採用した新卒は、同期が一人もいない状況。なんとかして今後の社会人人生を支える仲間に出会ってほしいと思い、『新卒スタートアップ合同入社式』が始まりました」
さらに、これまで数多くのシードスタートアップを支援してきた木下氏は、スタートアップ業界の変化についてこう語る。
「僕がVCを始めた当初は、新卒でスタートアップに行くのは普通の選択肢ではなかったし、もちろん合同入社式のようなものもなかった。今や世の中が変わり、これだけの仲間が集まっていることを嬉しく思います。皆さんもぜひ、スタートアップというフィールドを選んだ自分自身を誇りに思い、今日出会った仲間を“めっちゃ大切に”してください」
SmartHRの創業者としても知られる宮田氏は、ビデオメッセージにて登場。スタートアップで経験した“珍事件”の数々を披露し、緊張感が漂っていた会場が一気に笑いに包まれた。
「『スタートアップは大変なことが起こる』と不安かもしれませんが、本当に大変なことが起こります(笑)。でも、最後は“なんとかなる”もの。皆さんには無限の可能性があります。『合同入社式で、宮田って人がなんとかなるって言ってたな』と思い出しながら、ジェットコースターのような日々を切り抜けてほしいですね」
新卒が激論。「スタートアップで活躍できる人の要件」とは?
会場も温まったところで、株式会社EVeM設立 代表取締役CEO ⻑村禎庸氏によるワークショップがスタート。
テーマは「Start dash at Startup〜仲間と一緒に最高のスタートダッシュを切ろう〜」。最初のワークでは、これから仕事をしていく上での指針となる「WHY(なぜやるのか)」の言語化にチャレンジした。
続いてのワークでは、グループごとに「スタートアップで活躍できる人の大事な要件3つ」についてディスカッション。
長村氏はディスカッションの前に、これから新しい世界に飛び込んでいく新入社員たちに向けて、「スタートアップで働くとはどういうことか」を率直な語り口でレクチャー。
「スタートアップ企業は壮大なビジョンを掲げつつも、今この時点ではまだ価値を確立していないチャレンジャーです。 そんなスタートアップ企業に求められることはただひとつ、“勝利”だけです」
さらに、グループごとに決めた「活躍できる人の要件」を、新たに組んだチームメンバーに発表。「自分で理解した言葉で、心からの説明を」という長村氏のアドバイス通り、各チームで熱のこもった発表が行われた。
最後のワークは「あなたの1歩目を言語化しよう」。ワーク中の学びや気づきを踏まえて、自身のWHYやチームで考えた要件を実現するための「HOW(どのように実現するか)」や「WHAT(何をするか)」を言語化した。
「今日使ったシートは、みなさんの社会人DAY0の記録。定期的に見返して、迷ったときの指針として活用してほしい」と長村氏。翌日から始まる社会人生活に向けたマインドセットにつながる、有益な時間となった。
質だけでなく、量も十分なコミュニケーション機会を提供
最後はお待ちかねの交流コンテンツ「自己紹介ビンゴ」を開催。
事前に参加者が回答した「プロフィール」や「趣味」がビンゴカードに書かれており、その回答者を探し出して詳しい話を直接聞くことでビンゴのマスを開けられるというルール。
最もビンゴを多くそろえた参加者がもらえる豪華景品を前に、参加者全員が大盛り上がり。会社やチームの垣根を超えて交流を深める新入社員たちは、名実ともにすっかり“同期”と言える仲になっていった。
合同入社式の運営責任者を務めたYOUTRUSTの奥村夏実氏は、交流コンテンツの企画意図をこう語る。
「密度の濃いグループワークももちろん大切ですが、今回の合同入社式では、コミュニケーションの質だけでなく量も担保したいと考えました。参加者全員が垣根なく交流できる機会を通じて、より多くの仲間の存在を実感してもらえていたら嬉しいです」
実は奥村氏も、昨年の合同入社式に新入社員として参加したひとり。“伝統”を引き継ぐような気持ちで運営責任者に立候補した理由を、こう明かしてくれた。
「新卒として駆け抜けた1年間で、合同入社式で得られた“社外同期”という存在のありがたみを強く感じました。社会人2年目を迎えた今、『この選択をして間違ってなかったな』と確信できているのは、そんな仲間たちの存在があってのことです。24卒の皆さんが、合同入社式を社外同期と共に新たな一歩を踏み出し、将来の成功への道を歩んでいくことを心から祈っています」
最初の挑戦の舞台に「スタートアップ」を選ぶ理由
日本経済新聞のNEXTユニコーン調査によると、正社員の年収を開示したスタートアップ78社の23年度の平均年収見込み額は710万円。700万円を超えたのは調査開始以降初めてで、上場企業を上回る水準だという。
同調査によると、調査対象の160社のうち、年収を引き上げると回答したのは全体の約4割にあたる67社。資金調達や事業成長が順調なスタートアップほど、従業員に還元すべく積極的に賃上げを行う傾向にあるようだ。
さらに、福利厚生を充実させることで賃上げを実現させているスタートアップも。合同入社式を主催したYOUTRUSTでは「借上げ社宅サービス」を導入。家賃の一部を会社が支払うことで従業員の手取り額が増えるという仕組みは、新卒や若手社員にも好評だという。
もはや「スタートアップ=不安定、上場企業=安定」という図式は崩れつつあるのかもしれない。なぜスタートアップへの入社を決めたのか、合同入社式の参加者にも聞いてみた。
学生時代からインターンとして携わっていた株式会社UPSIDERに新卒入社した宮島大暉さんは、スタートアップを選んだことについて「正直、最初はすごく不安でした」と本音を吐露。
「スタートアップを選ぶ学生はゼロではないものの、まだまだ少数派。周りの友人は、やっぱり大きい企業や有名な企業を選ぶ傾向にありました。僕も例に漏れず、いわゆる外資系やメガベンチャーをたくさん受けていて、内定をいただいた企業もあります」
環境が整ったメガベンチャーか、成長途中のスタートアップか。ギリギリまで悩んだという宮島さんの最後の決め手は、一緒に働く「人」。そして、スタートアップならではの「裁量の大きさ」だった。
「UPSIDERでのインターンでは、フィールドセールスとして社員と同じ仕事に携われたことがとても刺激的でした。当社は法人カードを扱っているため、経理のトップやCFOとお話しさせていただく機会も多く、すごくワクワクしましたね。何より、一緒に働く先輩たちが素敵な方ばかりで、『この人たちと一緒に働きたい』という気持ちが一番の決め手になりました」
株式会社LayerXの樋口花果さんは、スタートアップ独特の熱量に惚れ込み、同社にインターンとしてジョイン。次第にスタートアップこそが「自分の居場所」だと感じるようになったという。
「LayerXには『20%口出しルール』というものがあり、学生でも改善案や疑問点を積極的に口に出すことが推奨されています。会議の資料もすべてオープンになっていて、全員が会社の一員として業務に携われる文化があるんです。イキイキ働ける環境は人それぞれですが、私は『インターンのうちは無理しなくていいからね』と優しくしていただくより、『僕らも必死で走るから着いてきて!』と言っていただける今の環境のほうが居心地の良さを感じます」
大手コンサルファームの内定を辞退し、自分が納得できる選択肢を追求したという株式会社ガイアックスの森本翔太さんは、「条件面で入社を悩むことはなかったですね」とキッパリ。
「僕はゼロから何かを生み出せる人になって、20代のうちに自分でも事業を始めたいと考えています。いくつか内定をいただきましたが、『10年後の自分がどうなっているか』を考えたときに、ガイアックスなら自分の手で事業の価値を高められる人材になれると感じたのが入社の決め手でした。大事なのは『自分の時間を何に投下するか』だと思います」
圧倒的な熱気の中で幕を閉じた、今回の合同入社式。
目を輝かせてチャレンジングな環境に飛び込んでいく彼らの活躍があれば、スタートアップの未来はますます明るいに違いない。
イベント概要
イベント名:2024新卒スタートアップ合同入社式
日時:2024年3月31日(日)12:30~17:30
イベント主催者:株式会社YOUTRUST・スカイランドベンチャーズ株式会社
参加企業(順不同):
株式会社BOX、株式会社Natee、株式会社Anotherworks、AnyReach株式会社、スカイランドベンチャーズ株式会社、株式会社UPSIDER、株式会社FUSION、データビズラボ株式会社、SOZOW株式会社、株式会社datais、株式会社スペースマーケット、ワンメディア株式会社、株式会社ソラジマ、HENNGE株式会社、インキュベイトファンド株式会社、株式会社ガイアックス、株式会社SEKAISHA、株式会社ログラス、株式会社スカイディスク、ファインディ株式会社、株式会社LayerX、株式会社オープンロジ、株式会社STANDS、アガサ株式会社、ourly株式会社、Rubyin株式会社、スローガン株式会社、株式会社grooves、株式会社ニーリー、株式会社Schoo、株式会社HighLink、株式会社トリドリ、パートナーサクセス株式会社、Repro株式会社、株式会社estie、株式会社アプラ、株式会社ROUTE06、株式会社アトラエ、Karorino株式会社、株式会社ココナラ、スカイランドベンチャーズ株式会社、
株式会社インスパイア、株式会社1LDK、GROWTH VERSE、株式会社オースタンス、GO株式会社、株式会社キュービック、ペイトナー株式会社、株式会社emology
コンテンツ提供企業:株式会社EVeM
協賛企業一覧(順不同):スマートキャンプ株式会社、株式会社GiftX
※編集部注:本記事は写真を含め、株式会社YOUTRUST提供による寄稿です。
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