jMatsuzakiの「自己啓発書評」
労働時間を半分にして生産性を倍にする「フォーカル・ポイント」という考え方
2016.01.12

私の愛しいアップルパイへ
「もっと短い時間で、最高の成果をあげることはできないだろうか?」

そう考えたことが一度はあるでしょう。そんなあなたに今日は「労働時間を半分にして、生産性と収入を倍にする思考術」というエキサイティングな副題を持つ、ブライアン・トレーシーの名著「フォーカル・ポイント」をご紹介しましょう。
本書の説く原則は非常にシンプルです。
「もっとも大切なポイントを見極める能力」が、あなたが人生においてどれほどのことを達成できるかを決める。
P.16
私は数年前にこの本を読んで「なんたることだ!」と叫びました。これを仕事の指針とすれば、あなたにも間違いなく大転換が起こるはずです。
労働時間を半分にして生産性を倍にする「フォーカル・ポイント」を見きわめよ!

80対20の法則をご存知でしょうか。フォーカル・ポイントを説明するには、この法則を持ち出すのが最も分かりやすいでしょう。
80対20の法則とは、仕事全体のうち上位20%が業務全体の80%の成果を生んでいるという法則です。逆に、残った下位80%の仕事は業務全体のうちたった20%の成果しか生んでいないことになります。
この上位20%の仕事がフォーカル・ポイント(焦点)となるわけです。このフォーカル・ポイントに集中するための方法は、本質的に4つしかないと著者はいいます。
- 重要なことを増やす
- 重要でないことを減らす
- 新しいことを始める
- あることを完全に止める
これを具体的に実現する方法を教えてくれるのが本書というわけです。
フォーカル・ポイントに集中する5つのコツ
1.価値観を明確にして主体的にキャリアを考える
まずもって大切なことは、キャリアプランを主体的に考えておくことです。大手企業であれば業種や役職にのっとったキャリアのガイドラインが用意されていることも少なくないでしょう。
しかし会社の用意したガイドラインや昇給制度にとらわれることなく、自らの才能や能力を最大限発揮できるキャリアプランを主体的に考えることは、フォーカル・ポイントを考えるための大前提となります。それが、結果的にはより高い成果をあげる要因になるでしょう。
自分のキャリアプランを描く上で必要になるのは、自分の価値観を明確にすることです。なんのために働いているのか?どんな仕事に情熱的になれるのか?なにを大切にしたいのか?こういった価値観に自覚的になることが、主体的なキャリアを考える第一歩となります。
2.将来のビジョンを明確に描く
本書では、将来の具体的なビジョンを描くことの大切さについて何度も説かれます。
「なにもかも自分の思い通りになったとして、本当にやりたいことはなにか?」
なにに時間を使いたいのか?どのくらいの収入が欲しいのか?どんな人と一緒に働きたいのか?その具体的な姿を思い描くのです。これがフォーカル・ポイントを見極めるための判断基準になります。
あとは、ビジョンと現在の行動に矛盾のないように動けばいいのです。
3.余分を排除して生活をシンプルにする
価値観やビジョンを明確に思い描いたら、いきなり行動を増やしてはいけません。次にやるべきことは、価値観やビジョンに合わせて生活をシンプルにすることです。
私たちの前には多種多様で大量の仕事があります。仕事だけではありません。プライベートでも常に新しい情報がインプットされてきます。このなかから真に重要なものだけを選んだ生活を送ることは、フォーカル・ポイントに集中するために大切なことです。
本書では生活をシンプルにするために以下6つを推奨しています。
- 身の回りを片づける
- 雑誌や書類の山を切り崩して、どんどんゴミ袋に捨てる
- テレビを消す
- 車やクローゼット、車庫の整理をする
- 孤独になる時間をとる
- 具体的に行う行動コミットメントを決める
4.価値のある行動を特定してから動く
この本のなかで私が衝撃を受けた考え方はこれです。
計画を立てて優先順位を決めたあと、いちばん価値の高い仕事から取り組むことを毎日の習慣にしよう。
p.70
私はそれまで、気分がのっている仕事やなんとなく目の前にある仕事、人から頼まれた仕事などを場当たり的にこなしていました。
単に期限が近いとか、人から頼まれたとか、すぐに着手できるからという理由で仕事の順序を決めることは、まさにフォーカル・ポイントを見失ったタイムマネジメントでした。
上位20%の仕事、つまり価値観やビジョンに合致する仕事から着手するタイムマネジメントの原則を徹底すれば、生産性を驚異的に高められるでしょう。
5.プライベートを充実させる
いまや仕事とプライベートを完全に切り離して考えることはできません。プライベートの充実度は明らかに仕事の成果を左右しているからです。
本書では、仕事の生産性を高めるためにプライベートを充実されることも重要視しています。素晴らしい人間関係や家庭生活、健康的な精神と肉体を維持することは、フォーカル・ポイントに集中するために欠かせない要素です。
プライベートについても価値観やビジョンを明確にし、それを行動に移しましょう。プライベートにおいてもフォーカル・ポイントの考え方を取り入れるということです。
そうすれば、相乗効果的に仕事の成果も高まっていくはずです。
重要な仕事を能率的にこなすより、最重要な仕事に集中する
私は数年前に本書を手にとって以来もう何度も読みなおしていますが、1ページ1ページがパワフルで、読むたびに新しい発見に出会うため唸るばかりです。
日々多種多様な仕事をこなし、雑多な仕事にうもれて「フォーカル・ポイント」を見失っているケースはよく見受けられます。単に重要な仕事は無限にあるからです。
本書の内容に従って、単に重要な仕事ではなく、最重要な仕事(フォーカル・ポイント)に集中するようにすれば、現実に風穴をあけるような変革を得られるはずです。
働き方の大方針を見つけるために、本書をオススメします。
貴下の従順なる下僕 松崎より
執筆者紹介

松崎純一(jMatsuzaki) IT系専門学校を卒業後、システム屋として6年半の会社員生活を経て独立。 ブログ「jMatsuzaki」を通して、小学生の頃からの夢であった音楽家へ至るまでの全プロセスを公開することで、のっぴきならない現実を乗り越えて、諦めきれない夢に向かう生き方を伝えている。 2015年からはjMatsuzaki名義でバンド活動を開始。 ブログ:jMatsuzaki(http://jmatsuzaki.com/)
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