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リクナビNEXT主催・第4回「GOOD ACTION」レポート(後編)


たった一人から始まった取り組みが社会を変える。グッドアクション2017

2018.03.08

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転職情報サイト「リクナビNEXT」が主催する「GOOD ACTION」は、2月13日、第4回「GOOD ACTION」を受賞した8つの取り組みを発表した。

GOOD ACTIONとは、働き方の多様化が求められる現代において、一人ひとりがイキイキと働くための職場の取り組みに光をあてるプロジェクト。今回は、受賞した8つの取り組みのうち、前回の記事では紹介しきれなかった4つの取組みについて、概要と審査員のコメントを紹介する。

目次
  1. 渋谷から健康、元気、活力の輪を。働く人のための健康経営推進
  2. 建設コンサルタント業界で、初の若手有志組織を設立
  3. Yahoo! JAPAN公式アナウンス部の立ち上げと発展
  4. 全社員で取り組んだ「境界線が曖昧なオフィス」づくり
  5. SAPジャパン株式会社人事本部⻑・アキレス美知子氏の講評
  6. リクナビNEXT編集長・藤井薫氏の全体講評(一部抜粋)

渋谷から健康、元気、活力の輪を。働く人のための健康経営推進

GOOD ACTIONの授賞式の様子⓵

「渋谷ウェルネスシティコンソーシアム」は、株式会社ディー・エヌ・エーで働きながらプロゴルファーを目指すアスリート会社員、平井孝幸氏が発起人となった組織。同組織には、ミクシィ、サイバーエージェント、東急電鉄など、渋谷に拠点を置く企業9社が会員に名を連ね、経済産業省や渋谷区とも連携しながら、活動を続けている。

はじまりは「身体を正しく使って健康になれば、もっと仕事への集中力を高められるのでは」という平井氏個人の思いからだった。社員の健康状態を知るため、DeNAの社内の人々に全社アンケートを取ると、「腰痛や肩こりで生産性が低下している」と回答した社員が約7割存在することが分かった。

想像していたよりもずっと不健康な社員が多いことに気づいた平井氏は、社員が不健康であることがどれだけの経済損失にあたるかを「プレゼンティズム」(Presenteeism:出勤していても、心身の健康上の問題によって十分なパフォーマンスを発揮できない状態)の事例をもとに算出。その結果、年間約23.6億円の損失が、社員の不健康が原因で生じていることが判明した。

これだけ損失が大きいのだとしたら、会社として社員の健康問題に取り組むべきだと考えた平井氏は、人事責任者に直談判。同社会長の南場智子氏も巻き込み、健康経営を専門にした部署「CHO室」を創設した。

平井氏は、「CHO室」を創った際に、経済産業省の知人から「健康経営推進をやるのであれば、渋谷の他の企業を巻き込んでくれれば、省としてもサポートができるかもしれない」という話を受け、渋谷の企業に声をかけはじめる。声がけはコンソーシアムへと発展し、現在では、渋谷に拠点を置く9社とともに1、2カ月に1度会合を開き、ミクシィと共同で渋谷の美味しくてヘルシーなお店を探せるアプリ「ウェルメシ」を開発するなど、健康経営に関わる取り組みを精力的に行っている。

建設コンサルタント業界で、初の若手有志組織を設立

株式会社オリエンタルコンサルタンツの伊藤昌昭氏

「一般社団法人建設コンサルタンツ協会・若手の会」は、業界団体、建設コンサルタンツ協会の中で、初めて結成された若手有志組織。各企業からメンバーを招集し、炎上覚悟で、業界将来ビジョンの提言を実施している他、メルマガの発刊、若手交流会の開催などの活動を行っている。

建設コンサルタントは、道路や橋梁、ダムやトンネルといったインフラストラクチャーを設計する土木技術者の集団だ。公共事業費の削減、長時間労働の蔓延といった環境の中で、若手世代が業界に対して夢を描けないでいることが課題だった。

発起人の一人である、株式会社オリエンタルコンサルタンツの伊藤昌昭氏は、会を立ち上げたきっかけについて以下のように語った。

魅力ある業界にするためにはどうしたらいいのか。これを考えていくのが白髪交じりの経営層ばかりだった。そのことに対して私は非常に違和感を感じました。将来のビジョンを考えていく上では、若手世代が中心となって行動を起こしていく必要がある。それが(会を立ち上げた)我々の動機です」

また、伊藤氏は若手が行動を起こす意味について「一般的にモチベーションが高い状況というのは、自らが決断して行動している状態だと言われます。若手のモチベーションが高い状況というのは、経営層から与えられたビジョンを実行するだけでは得られない」と語った。

「若手の手でつくられたビジョン。それこそが、我々の未来を照らすバイブスになる、そう考えております」(伊藤氏)

Yahoo! JAPAN公式アナウンス部の立ち上げと発展

ナレーターを副業としていた一人の社員・高橋正興氏

 「Yahoo! JAPAN公式アナウンス部」は、ナレーターを副業としていた一人の社員・高橋正興氏が、話すスキルや素養を持った人を集めて立ち上げた団体だ。メンバー全員が企画・開発・編集などの本業を持ちながら、週に2回の本格的な基礎練習や、現場経験を重ね、現在では、さまざまな場での司会、ナレーションを年間100本以上担当するまでに成長している。

きっかけは、社内のエイプリルフール企画だったという。社内で誰がドッキリのための「役者」を演じられるかを検討する中で、舞台の経験があった高橋さんに白羽の矢が立った。当日、企画をうまくこなしたことで、その後、高橋氏は全社朝礼の司会に抜擢される。映像のナレーションの仕事なども社内から発注されるようになり、挑戦する機会が増えていった。

社内イベントなどで司会をする機会が増えていく中で、高橋さんは社内でアナウンスの素養がありそうな方々に声をかけて、「アナウンス部」として練習を開始した。今では社内のメンバーが20人を超えて、社外から仕事を受けることもあるという。

高橋氏はアナウンス部の活動について、「気が付いたこと、財産になったことは、どんなことでも社内を広く見回せば、才能と情熱を解き放ちたいと思っている人はいるんだということです」と語る。

GOOD ACTIONの授賞式の様子②

「私が今回取り組んだのはアナウンス、司会、ナレーションという本当に小さい領域の話でしかないですが、何か新しいことをはじめたいときには『こういうことをやってみませんか』と旗を立てる。そうすると志を持った人たちが集まってくる。そして、その才能と情熱を解き放ちたいという人たちが集まって活動していくと、そこにニーズが出てくる。このマッチングがうまくいくと、仕事の中では出せなかった秘めた思い、ないしはずっと持ってきたスキル、そういったものを外に出す機会というのができてくるのかなと思います」(高橋氏)

Yahoo!JAPAN公式アナウンス部の高橋氏は、「これからも、有志の活動という場面の中で、必ずしも仕事の中では発揮され切れていない才能や情熱を、より解き放っていく活動につなげていければと思っております」と抱負を語った。

 全社員で取り組んだ「境界線が曖昧なオフィス」づくり

株式会社CRAZYクリエイティブディレクターの林隆三氏株式会社CRAZYでは、年末から年始にかけて、約2週間業務をクローズし、全員参加で何かに取り組むという試みを通じて、自社のカルチャーを発展させてきた。2016年の試みは、前年に移転したオフィスのリノベーション。ほぼ素人のメンバーで試行錯誤を繰り返しながらも、自分たちの手で作った、という気持ちを大切にし、リノベーションを完遂した。

同社クリエイティブディレクターの林隆三氏は、リノベーションの意図について「境界線のあいまいなオフィスというコンセプトをもとに『自宅と職場』『自分と社会』『社外と社外』といったあらゆる境界線を曖昧にすることによって『働くことと生きることを分けない』ことを考えて取り組みました」と語る。

今では自分の子どもを連れて出社するメンバーも増え、オフィスが「生きることそのものをする場所」になっているという。

「リノベーションをすること自体が目的ではなくて、自分の存在や居場所に誇りを持つということがねらいでした。プロジェクト当時は9割9分ほぼ大変だったんですけれども、やりきってよかったなというふうに今では心底思っています」(林氏)

SAPジャパン株式会社人事本部⻑・アキレス美知子氏の講評

審査員のアキレス美知子氏は、成功している事例には、以下の5つの特徴がみられると指摘した。

アキレス美知子氏

  1. 当事者、担当者の強い思い、問題意識がある
  2. コンセプトが非常にシンプル
  3. 巻き込む力が非常に強い
  4. 効果・メリットが分かりやすい
  5. 取り組みを浸透するための工夫が見られる

「コンセプトがあまり複雑ですと『一部の人は分かるけれども、他の人は分からない』ということになるので、シンプルなコンセプトはとても大切です。それに、メリットですね。『これをやったら私にどんないいことがあるのか』ということ。人を巻き込んでいくときには、自分にとってどんなメリットがあるかが分からないと、みなさん忙しいですから、動きが広がっていきません。今回受賞されたみなさまの取り組みは、この5つのポイントが共通して含まれていました。これからが楽しみと思っております」(アキレス氏)

リクナビNEXT編集長・藤井薫氏の全体講評(一部抜粋)

リクナビNEXT編集長・藤井薫氏

会社が主導するのではなく、国が主導するのではなく、たった一人からはじまったアクションで、未来につながる取り組みが起こっている。今回はその中でも素晴らしい職場の動きを紹介しました。

今回の4回目のGOOD ACTIONのテーマは『主人公』。漢字を見てみると『主』と『人』と『公』という文字がありますよね。この3つの要素が、今回の全ての取り組みに共通しているものだと思います。『主』体性を持ち、自らが旗をあげて問題意識を持った中で立ち上がって、『人』が持っている無限の可能性であったりとか、人が持っている感情に向き合って、最後は、会社を超えた社会、大きな『公』のために何かもっと良いことをしようという、そんな動きだったと思います。

まだ完成品ではなく、これからもずっと動いていく部分がある取り組みだと思うので、 そこについてはずっと私たちも、みなさまの動きをまた教えていただきながら、来年まで積み重ねていければと思います」(リクナビNEXT・藤井編集長)

【編集部より】
「グッドアクション」に関する、その他の記事はこちら。

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