ワークスタイル多様化時代に生きる、職場活性化のためのコツ

各企業が独自に実施している人材育成、コミュニケーション活性、社員のモチベーション向上などにつながる取り組みに光をあて表彰する「グッド・アクション」の表彰式（主催：株式会社リクルートキャリア）が2月７日（火）に品川グランドホール（東京・品川）で開催され、独自の取り組みが認められた8企業が表彰を受けた。【写真：表彰を受けた8企業の代表者と審査員（撮影：2017年2月7日）】

チャレンジ性や独自性に秀でた取り組みを評価

グッド・アクションは、2014年から始まり今回の表彰式は3回目を数える。
過去2回の表彰式では、管理職を全社員の総選挙で選び離職率が10分の1にした「エリアマネージャー解散総選挙」（株式会社オンデーズ）や、全社員9日連続の休暇取得が必須で連絡も禁止し、社員全員の業務一覧表やマニュアルを作成し、業務を属人化させない仕組みを構築した「山ごもり休暇制度」（株式会社ロックオン）などが受賞している。
前回より応募数が増えた今回は、新たに若新雄純氏を審査員に新たに迎え、チャレンジ性や独自性などを重視した審査を行った。

株式会社LASSIC（本社・鳥取）は、廃校を利用した全社会議を実施し、実現に向け地元自治体の関係者や地域住民等の協力を得ながら、郷土食や100名超の宿泊場所としての準備を進めた取り組みが評価された。
若新氏は受賞のポイントとして、同社が全国展開していく中で、社員に浸透しづらくなっていた経理理念（「鳥取発ITで、地方創生」）に向き合う機会を創出した点を挙げた。「地域と関わり、なぜ自分たちはこの活動をやっているのか。なぜそこを使っているというのを言葉にし、考えてみる機会を作った。理念の深まりの効果もあげている」

なお、グッド・アクションの応募条件は、「職場と働く社員を盛り上げる取り組み」で、女性・シニア・外国人・チャレンジドの活躍促進や、社内コミュニケーションの活性(社内イベント、オフィス環境改善など)、キャリア入社後の活躍促進など。応募は自薦に限定しており、1社で複数の取り組みを応募できる。
審査はまず「書類審査」（昨年の場合、エントリー期間が2016/7/27～9/30まで）があり、通過すると、取り組み主体者と取り組みに参加している社員へのヒアリングを実施する「訪問審査」を経て、最終審査で受賞企業が決まる。2017年度も募集する予定だ。

第3回 グッド・アクション 受賞企業

〈若手社員の活躍が会社を動かした〉

日本の古き良き「入浴文化」の起源となった銭湯を守りたい！
会社公認部活動「バスクリン銭湯部」の発足。
株式会社バスクリン（東京・九段北／医薬部外品、雑貨品等の製造販売／250名）

500人のノウハウを全員でシェア?!
事業部横断制度 Leverages Crossdepartmental Program(LCP)
レバレジーズ株式会社（東京・渋谷／メディア事業他／510名）

〈現場を巻き込んだ人事制度改革〉

3C（スリーシー）評価制度
フォルシア株式会社（東京・新宿／情報検索プラットホーム開発／83名）

「コタエはエンジンが教えてくれる」が常識に。
【人材育成エンジン】を中枢に置いた科学的人材育成
株式会社セプテーニ・ホールディングス（東京・西新宿／グループ企業の統括／就業員1159名）

週3日から働ける。自宅で働ける。
自由な勤務が選べる『FreeWorking制度』
株式会社シグナルトーク（東京・蒲田／インターネットサービス／39名）
→【編集部取材】柔軟な働き方が、業績を伸ばし人材流失を防ぐ

〈地方創生〉

【IT×廃校活用】
人と地域が共に成長する新たなカタチ
株式会社LASSIC （鳥取県・鳥取／ソフトウェア開発／124名）

〈大企業に芽吹いたイノベーション〉

アイシンナンバーワン計画プロジェクト
～ランチケーションをベースにした部署横断コミュニケーション活動～
アイシン精機株式会社（愛知県・刈谷／自動車部品などの製造販売／14,089 名）

discover! プロジェクト
千代田化工建設株式会社（神奈川・横浜／プラント建設／1,573名※）

（各企業の社員数は2016年9月時点のもの。千代田化工建設のみ同3月時点）

受賞企業の詳細情報　「グッド・アクション2016」

審査員

一橋大学大学院商学研究科教授 守島基博 氏
SAPジャパン株式会社常務執行役員人事本部長 　アキレス美知子 氏
慶應義塾大学特任講師/株式会社NewYouth代表取締役　若新雄純 氏
株式会社リクルートキャリアリクナビNEXT編集長　藤井薫氏