特集

企業のSNS活用


企業・団体のTwitterアカウント凍結を防ぐ方法

2017.10.06

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目次
  1. なぜTwitterでアカウント凍結が増えているのか
  2. Twitter社が抱える、「企業イメージ」の問題
  3. 「問題アカウント」に対して厳しい対応を取り始めたTwitter社
  4. 企業や団体の公式アカウントでも、凍結された事例が存在する
  5. アカウント凍結防止のために、企業担当者が気を付けるべきこと
  6. Twitterのアルゴリズムは完璧ではない

なぜTwitterでアカウント凍結が増えているのか

SNS「Twitter」でアカウントの凍結が増えている。

ユーザー間では「身に覚えのない凍結だ!」とTwitter運営を批判する声も多く「垢BAN祭り(アカウント凍結が祭りのごとく多い現象)」とも言われている状況だ。なぜ、いまそのような事態が起きているのだろうか。

Twitterは、日本国内では未だ月間アクティブユーザー4,000万人を超える大人気SNSだが、世界的にはユーザー数も伸び悩み、新興のインスタグラムやスナップチャットなどに押され、業績不振に陥っている。昨年9月下旬頃には、身売り報道もあった。

一時期は買い手候補としてグーグルやセールスフォース、ディズニーなどのビッグネームが次から次へと噂され、Twitterの株価も急変動。しかしながら買い手がつかず、自主運営の継続が決定。現在もその状況は変わらない。

Twitter社が抱える、「企業イメージ」の問題

買い手がつかなかった要因は、高額な買収額がネックになったとか、旬が過ぎてしまい収益化が困難だとか、さまざまに噂されている。その要因の中でも特に問題とされているのが、『ヘイトコンテンツが多く、企業イメージを損なう』というもの。

セールスフォースCEOのマーク・ベニオフ氏もネットいじめ等のヘイトコンテンツを問題視していたことを、CNBCが報道している。また、米陸軍も報告書の中でテロリストのTwitter利用について言及するなど、暴力的な過激思想の浸透へ寄与しているという問題もある。こういった要素を排除しない限り、買い手はつきづらいだろう。上記で噂されたほどのビッグネームからすれば、買収により企業イメージを損なうことは大きなリスクだ。

また、こういった問題は自主運営を継続するにおいても大変重要なポイントになってくる。広告中心のビジネスモデルであるTwitterにとって、企業イメージは生命線となる。これは、Twitterが業績を改善するにあたり、避けて通れない問題だ。

「問題アカウント」に対して厳しい対応を取り始めたTwitter社

こういった流れから、Twitterは次々と施策を講じている。Twitter社は2017年1月から6月までの半年間に、テロリズムに関連するアカウント29万9649件の停止を発表。

これは筆者の感覚だが、この時期から「死ね」「殺す」などの暴力的な表現、スパム行為、なりすまし等に対しても、アカウント凍結という厳格な対応をとられるようになってきたように感じる。9月にはTwitter Japanが公式アカウントで以下のようにコメントしており、Twitter社の問題解決への意欲は高い。

https://twitter.com/TwitterJP/status/905557984675106817

今後も、スパム行為、なりすまし、ポルノ、暴力的な表現、攻撃的な行為や嫌がらせなどのヘイト行為は、一時的な制限や凍結の対象として厳しく処分されていくだろう。その中には、残念ながら誤解や間違いによる凍結も一定数含まれるはずだ。

Twitter社といえど、一切の過ちを犯さないアルゴリズムを組むことは不可能であり、人間による判断にも100%は無い。個人だけでなく、企業や団体のTwitterアカウントが、思わぬ誤解により凍結されるリスクは当然存在するだろう。そして、その可能性は以前よりも高まっているといえる。

企業や団体の公式アカウントでも、凍結された事例が存在する

実際に、過去には企業や行政の公式アカウントが凍結された事例は存在する。

人気ゲームアプリ「パズル&ドラゴンズ」の公式Twitterアカウントは、なりすましアカウントを通報したところ、何故か自分のアカウントまで同時に凍結される事態となった。現在は無事復旧している。
(参考:ねとらぼ 「パズドラ」公式Twitterアカウントが一時凍結 偽アカウントと似すぎで)

また、猪瀬直樹知事時代に開設された、東京都公式Twitterアカウントが次々と凍結されてしまったこともあった。これは、複数のアカウントを同じIPから一斉に開設したことがスパム判定を受けたのではないかと言われている。(参考:日本経済新聞 東京都、つぶやけない 公式ツイッター相次ぎ「凍結」

このように悪意がなくとも、ちょっとした誤解や間違いから、アカウントに制限がかかったり、凍結されてしまったりする可能性は十分にあるのだ。事実、この凍結基準についてTwitter日本法人は「透明性を含め、まだまだ見直すべきことが多いと深く反省している」「できるだけ早く透明感を上げたい」とコメントしている。

アカウント凍結防止のために、企業担当者が気を付けるべきこと

月間アクティブユーザー4,000万人を超える日本において、Twitterは、既にインフラと呼べるほど浸透している。

企業においてもその影響力は強く、Twitterアカウントが売り上げを左右する存在であることも珍しくない。では、その大変に重要なTwitterアカウントの凍結を防ぐために、企業の担当者はどのようなことに気をつけるべきなのか?

当然のことではあるが、“ルールを守った運用”が大切になる。

個人で利用しているTwitterユーザーの多くは、利用規約にも、Twitterルールにも目を通していないだろう。しかしながら、企業アカウントの運用担当者ともなれば、責任持って目を通す必要がある。何ができて、何がいけないことなのか、しっかり把握しなくてはならない。

本来であれば、ヘルプセンターの全てに目を通したいところだが、最低でも以下の二つは読んでおくべきだ。

これらをしっかり把握して運用する必要がある。

意外にも、

  • フォローしてくれている多くのアカウントにDMを一斉に送る
  • 一度に大量のフォローをする
  • 一度にたくさんのアカウントをつくる

こうした行為が凍結要因になることを知らない人は多い。

また、世の中の人の多くは、著作権、肖像権などの認識が甘い。経営者は上記ルールをしっかりと担当者に把握させる必要があるし、誰を選任するかの判断も重要だ。規約、ルールを守ると共に、誤解を招くような行為も避けるべきだ。

Twitterのアルゴリズムは完璧ではない

繰り返し述べるが、Twitterもアルゴリズムの強化、人間による判別などに力を注いではいるものの、それは完全ではない。

  • スパムと誤解されかねない連続ツイート
  • 攻撃的だと誤解されかねないツイート

なども避ける必要がある。

「企業アカウントでそんなツイートはありえない!」と思うかもしれないが、繰り返しの宣伝投稿がスパム認定されることもあるし、映画のセリフを引用したツイートの中に攻撃的な表現があったりすることも考えられる。

担当者にそのつもりがなくても、ユーザーの共感を得られず、多くの人から「差別的なツイートだ!」と判断されて通報されれば、それも凍結要因になりうるので注意したいところだ。

もし私が担当者だったら、野球用語すらも避けるだろう。「捕殺」「憤死」「ランナーを刺す」「盗む」など、一歩間違えれば誤解されかねない言葉もある。極端かもしれないが、本気でリスク回避しようとするならば、今はそれぐらいの用心が必要なのかもしれない。

大変難しい問題ではあるが、Twitter社には1日も早く、わかりやすい凍結基準と透明性の向上を成し遂げて欲しい。それらが一定のレベルに引き上げられるまでは、企業担当者は徹底したリスク回避を意識すべきだろう。

執筆者紹介

落合正和(おちあい・まさかず)(株式会社office ZERO-STYLE代表) マーケティング・コンサルタント。事業戦略企画、調査分析などを提供するほか、2010年よりWEBメディア運営、SNSマーケティングに注力。現在は、WEBメディア評論家として、マスメディア等での解説、WEBメディアのプロデュース、講演等を中心に活動中。ネットメディア研究所(https://m-ochiai.net/)運営。

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