HRトピック
企業と社員、双方にメリットがある「第3の賃上げ」とは?
2024.02.22

日本商工会議所ならびに東京商工会議所が中小企業に対して実施した調査※1によれば、人手が「不足している」と回答した企業の割合は、65.6%にのぼる。2024年度に賃上げを予定する企業の6割は「業績の改善が見られないが、賃上げを実施予定」と回答しており、多くの企業にとって「選ばれる企業」になるための施策が急務だ。
賃上げは、人材確保・定着のために有効な施策ではあるものの、企業の規模や業界によっては早急な実施が難しいケースも少なくない。
そうした状況に一石を投じようと、食の福利厚生サービスを手掛けるエデンレッドジャパン(東京・千代田)と、借上げ社宅サービスを展開するfreee(東京・品川)の2社が、福利厚生を活用した賃上げを「第3の賃上げ」と定義し、2024年2月に「#第3の賃上げアクション」をスタートさせた。
【TOP写真:第3の賃上げで“実質手取りアップ”を掲げた関係者ら(ローンチ発表会で)】
※1 「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」(日本商工会議所・東京商工会議所 2024年2月14日)
「未曾有の採用難」に
2月6日に都内で行われた「#第3の賃上げアクション」ローンチ発表会の冒頭、発起人であるエデンレッドジャパンの代表取締役社長・天野総太郎氏【下写真】が、今回のアクションの背景を語った。
企業の人手不足は、差し迫った課題となっているが、今後、時間外労働の上限規制厳格化や、少子高齢化などにより、人員の確保がさらに難航する「未曾有の採用難」の到来が見込まれるという。一方、社員もまた厳しい現実に直面する。賃上げスピードが物価上昇率に追い付かず、実質賃金が低下の一途をたどっているからだ。
天野氏は、こうした状況において、企業・社員、双方がメリットを享受できる施策の1つが「福利厚生」だと述べる。
企業側のメリットは、一定の要件を満たせば費用が経費として扱われ、コスト削減につながる点。どのような福利厚生を導入しているかアピールすることで、企業のビジョンや企業風土がメッセージとして伝わりやすくなることもある。
一方、社員にとってのメリットは、日常生活で活用できる福利厚生によって、生活コストが軽減することがある点だ。福利厚生で支給される金額は、要件を満たせば税金や社会保険料の対象にならず、実質の手取り金額が増えるケースがある。
「例えば、エデンレッドジャパンが提供する食事補助サービスを利用して、会社が食事補助として1カ月あたり3,500円を補助し、社員が補助額と同額以上の金額を負担したと仮定する。その場合、会社が補助した3,500円は給与所得とみなされないため、年間にすると4万2,000円が非課税となる。同額を給与として支給するよりも、社員の実質手取り額が増える。このように、実質の手取り額や増やすための福利厚生を“第3の賃上げ”と定義づけ、賛同する企業の輪を広げていきたい」と天野氏は意気込みを語った。
「住宅手当」と「借上げ社宅」とで実質手取り額が変わる理由
借上げ社宅サービスは、社員が住みたい家を法人が契約し、法人から社員に貸し出す仕組み。税金や社会保険料の対象となる一般的な「家賃補助」とは異なり、「借上げ社宅」の場合は家賃の一部を会社が支払うことで給与の額面が減り、それによって税金や社会保険料が抑えられるため、社員の実質の手取り額がアップする。
しかし、給与の額面が減るため、将来受給する年金や国からもらえる給付金が下がる可能性もあることは留意しておきたい。
このサービスの目的について、freeeのHR事業部 社宅事業責任者・相澤茂氏【上写真】は次のように語った。
「採用現場では、福利厚生が整っていることが、企業にとってのアピールポイントとなりますが、現状では大企業と中小企業との間には、福利厚生の待遇格差があります。私自身、大企業からスタートアップ企業への転職経験がありますが、その際、待遇面で周囲には反対する人もいました。思い返せば、ミッションに共鳴して一緒に働きたい人と働けたことはとても良い経験でした。『freee福利厚生』のサービスを通じて、大企業と中小企業の福利厚生の格差を解消し、事業やミッション、人に共鳴する企業で働くことができる社会を実現していきたいと思います」
「第3の賃上げ」への期待と効果
「第3の賃上げ」アクションが起きた背景には、企業がどのような課題を抱えているのかを知る必要がある。介護業界、スタートアップ、IT業界の代表者がそれぞれ直面している課題と、「第3の賃上げ」へ期待や効果について語った。

写真:左からアイシーティーリンク取締役副社長・吉野真吾氏、ハートコーポレーション常務取締役・岡嵜将志氏、YOUTRUST」経営企画部人事労務G リーダー 加藤マキ氏
▼ハートコーポレーション 岡嵜氏
「当社は高齢者の介護事業を展開しています。介護業界は、国が定める介護報酬が絡んでおり、企業単位での積極的賃上げが難しい業界です。介護業界の人材の採用・定着のためには、給与面以外の待遇を改善する必要があるので、福利厚生を充実させる必要があり、食事補助を導入しました」
▼YOUTRUST 加藤氏
「昨年から借り上げ社宅制度を導入しました。当社は平均年齢が30歳で若い社員が多いスタートアップ企業ですので、福利厚生で社員の満足度をあげていきたいと思います」
▼アイシーティーリンク 吉野氏
「当社は2016年に設立した若い会社で、福利厚生は十分に整っていませんでしたが、コロナ禍後、日常的に使える福利厚生として、食事補助のサービスを導入しました。社員の満足度は高いと感じています」
賃上げが難しい業界のため福利厚生を充実させて人手不足を解消したい、会社の規模を拡大したい、社員のモチベーションアップにつなげたいなど、各社がそれぞれの目的をもって福利厚生を選択していた。
人手不足にあえぐ企業は今後さらに増加することが見込まれる。
「選ばれる企業」であるために、戦略的に福利厚生を導入することは、企業にとって重要な施策となるかもしれない。
「#第3の賃上げアクション」プロジェクトサイト
https://edenred.jp/the3rd_chinage
イベント日時
イベント名:「#第3の賃上げアクション」ローンチ発表会
日時:2024年2月6日(火)
場所:渋谷ソラスタコンファレンス(東京都渋谷区)
主な登壇者:株式会社エデンレッドジャパン 代表取締役社長 天野総太郎氏
フリー株式会社 HR事業部 社宅事業責任者 相澤茂氏
関連情報
・“福利厚生”で手取りアップと高いエンゲージメントの実現を「 #第3の賃上げアクション 」プロジェクトの発足
・「チケットレストラン」 https://edenred.jp/ticketrestaurant/
・「freee 福利厚生」 https://www.freee.co.jp/benefit/
※編集部注:本記事はエデンレッドジャパン社による提供情報を一部編集して制作したものです。画像の著作権は同社に帰属します。
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