しゅふJOB総研/株式会社ビースタイル ホールディングス
【産後パパ育休】56.8%が「夫の視野を広げる」、44.4%が「妻のストレスが溜まる」。夫の家事・育児参加が妻のストレス軽減の鍵
2023.10.13
産後パパ育休「知っていた」54.3% ~しゅふJOB総研調査~
ビースタイル ホールディングス(東京・新宿)の調査機関「しゅふJOB総研」は10月11日、「産後パパ育休」をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性に実施したアンケート調査の結果を発表した(有効回答数:637件)。
調査結果によると、産後パパ育休を「知っていた」と回答した人は54.3%で、施行前の2022年9月時点の35.4%と比べると、一年のうちに産後パパ育休の周知が上昇したことが明らかになった。その比率は、子供の数が多いほど高くなっている。
また、産後パパ育休の開始によってのメリット・デメリットを尋ねたところ、メリットは「家事育児の経験が夫の視野を広げる」が56.8%で最も高かった一方で、デメリットは「夫が家事育児をせず、かえって妻のストレスがたまる」が44.4%で首位だった。
この結果に対し、しゅふJOB総研の川上敬太郎氏は、「メリットにおいてもデメリットにおいても、産後パパ育休が妻のストレスに大きな影響を及ぼすと感じている人が多く、産後パパ育休の成否は、夫の育児が妻のストレスを軽減するか否かが鍵を握っている」とコメントした。以下、リリースより。
関連記事:【女性の管理職希望】家庭の制約がなく100%仕事に時間を使えれば管理職を「希望する」85.0%|@人事
1.産後パパ育休「知っていた」54.3%/子どもの数別・施行前後の比較
2.メリット「家事育児の経験が夫の視野を広げる」56.8%
3.メリット/ランキング・施行前後の比較
4.デメリット「却って妻のストレスが溜まる」44.4%
5.デメリット/ランキング・施行前後の比較
6.フリーコメントより
◇寄せられたフリーコメントより抜粋(年代:就業形態)
- ママが1日にしていることを何日も続けてやってみるのは良いこと。どれだけ大変か知ってほしい(40代:今は働いていない)
- 夫が育休を「休み」だとか「手伝う」くらいに思っているケースがある。その概念を取っ払わないと、いつまでも日本の妻の負担は減らないし、少子化対策にならないと思います(50代:その他の働き方)
- きっと頭の固い上司が、そんなもん取るのか的な発言で、取ることが出来ない気がする。それを言ったら、罰を与えるくらいの勢いがないと、結果として進まない(60代:派遣社員)
- パパの育児には期待できない(40代:パート/アルバイト)
- いい制度だと思う。子供との時間はかけがえのないものだと思うから(40代:今は働いていない)
- ちゃんと家事育児に参加する夫なら良いが、家のことをやろうともせず遊んでばかりの夫なら本当に邪魔なので育休とか取らずに大人しく働いて金稼いてきて欲しい。育休よりむしろ乳児扶養手当とかの名目でドンとあげてベビーシッターとか雇えるようにすれば妻も楽になっていいのに(40代:SOHO/在宅ワーク)
- 育休に併せて、育児教育もすべき。また、育休中の生活について報告などどんな育児を行なったかのチェック体制も敷くべき(50代:パート/アルバイト)
- いらないと思う。今の人たちは、甘すぎる考え方が、ちょっとおかしいし、理解できないことが多々ある。子育てがつらいなんて、子供が可愛そう。そんな親に育てられた子供の先行きが不安でならない(40代:派遣社員)
- 皆、産後パパ育休をとるべきだと思う(50代:派遣社員)
- 育休から戻ったときに、席があるのか心配。異動になりそう(40代:パート/アルバイト)
- 大手企業からスタートということで、大企業はどんどん進んで整えられる。産後パパ育休自体はいいと思うけど、中小企業や自営などの産休も取れない女性、有休も取れない人たちの改善こそ先に進めてほしい(40代:パート/アルバイト)
- 家にいたところで、あまり役に立つとは思えないが、せっかくなら法的にどの家庭の父親も育休を強制的に取らせるべき(30代:フリー/自営業)
- 私の周りにいるご家庭でも育休を取っているパパが複数います。皆さんママを楽させるためにとても協力的で素敵なパパばかりです(40代:パート/アルバイト)
- 育休をしてもキャリアに影響が出ない仕組みを作る必要があると思います(40代:派遣社員)
- 職場の理解を得られる環境を作ってほしい(50代:派遣社員)
- 制度があっても実際には取得できるような雰囲気ではないと思う(30代:今は働いていない)
- それぞれの家庭でメリットにもなり、デメリットにもなる。家庭の事情で取得すればいい(60代:派遣社員)
- 男女問わず産休育休は現場の負担になってしまうため、取得にあたって謝り通さなければならない現状を何とかしたほうがいいと思う。産休育休中のスタッフがいる部署で働くスタッフにはカバー手当としてボーナスの上乗せをする、とか(勿論難しいですが)(40代:今は働いていない)
- 一時的なものなので、期間が終わってしまったらほとんど育児に関わることがなくなる。継続的な父方へのフォロー制度が欲しい(20代:正社員)
- 今の日本じゃ無理だと思う(30代:パート/アルバイト)
- 短期間の育休にメリットを感じない(50代:派遣社員)
- パパ育休、取るにこしたことはないが、育休中の仕事をカバーする人員のケアや本人復帰後の人員構成など上司や管理職の力量がいるのではないでしょうか?そのような人が日本企業(特に中小企業)にどれくらいいるのか謎(40代:パート/アルバイト)
- まとまった休みではなく、必要な時に1日ずつ有休のような感じで取れたらいいと思う。例えば子供の健診日、子供が病気の時、妻が体力的・精神的につらい日など。それなら夫がただ長期間休んでいて家事育児をしないなどの事態にならず、有効に使えると思う(40代:正社員)
- しまいそうです。私の夫は育休取れなくて、産後1ヶ月は残業無しで帰ってきてくれましたが、それだけでもとても助かりました(40代:フリー/自営業)
- 育休の推進も良いと思うが、各企業で有休を希望通りに取得できる環境づくりが先だと思う(40代:派遣社員)
- 会社時の体制事態を改善しないと、余り変わらない気がする(50代:パート/アルバイト)
- 短い期間でも家事と育児をパパが担当する事で家族の絆が深まると思います(50代:パート/アルバイト)
- 息子が産後育休をとっていたが、昭和生まれの私には1ヶ月も仕事を休む事には反対でした(60代:今は働いていない)
- お産を理由に育休とか延長とか、理解できない。独身でその分を働いている人たちのことを逆に、子供がいないとかお産経験がない人には、わからないよねグループを作って嫌がらせ行為を受けたことがある(60代:パート/アルバイト)
- 各家庭での考え方は違うのでそれぞれの選択肢が増えるのは良い事だと思います(50代:正社員)
- パパが本当に育休しているか、妻やパートナーの報告書の提出義務があれば良いと思う(30代:パート/アルバイト)
- 昔はそのような制度はなかったので羨ましいです(50代:パート/アルバイト)
- 最近、夕方に自転車の後ろに子供を乗せた男性を2,3度見かけた。自分が幼少期の頃、この制度があれば、自分の価値観や物の見方は変わっていたのではないかと思う(50代:派遣社員)
- お休みもろくに取れない仕事なのに育休なんて考えられない(40代:パート/アルバイト)
- 家庭が助けれられる面が増えればいいと思うが、夫の負担がやや大きいようにも感じる(30代:フリー/自営業)
しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎より
産後パパ育休が施行されてから一年が経ちました。主婦層を中心とする就労志向の女性に「2022年10月より、産後パパ育休がスタートしたことをご存じでしたか」と尋ねたところ、「知っていた」と回答した人が過半数でした。その比率は、お子さんの数が多いほど高くなっています。実際に育児し、その負担が大きい人ほど産後パパ育休へのアンテナが高いということなのかもしれません。また、施行前の2022年9月時点(※1)では「知っていた」と回答した人の比率は35.4%に留まっていました。一年のうちに、産後パパ育休の周知が進んだようです。
続いて「産後パパ育休の開始によって、どんなメリットがあると思いますか」と尋ねたところ、「家事育児の経験が夫の視野を広げる」が最も多く56.8%。さらに「夫と子どもが、かけがえのない時間を過ごすことができる」、「妻のストレスが軽減される」と続きました。「妻のストレスが軽減される」は施行前より7ポイント以上上昇しています。一方、「産後パパ育休の開始によって、どんなデメリットがあると思いますか」との質問には、「夫が家事育児をせず却って妻のストレスが溜まる」が最も多く44.4%でした。施行前よりは比率がやや減少しているものの、2位の「昇進が遅れるなど夫のキャリアダウンにつながる」が22.0%なので、ほぼ2倍と突出しています。メリットにおいてもデメリットにおいても、産後パパ育休が妻のストレスに大きな影響をおよぼすと感じている人が多いことが伺えます。産後パパ育休の成否は、夫の育児が妻のストレスを軽減するか否かが鍵を握っているようです。育児を通じてお子さんとのかけがえのない時間を過ごせることはもちろん、『家オペ力(※2)』を磨くことで仕事に必要なソフトスキルが鍛えられるといったメリットもあわせて産後パパ育休を取得する意義を周知していくことが大切だと考えます。
※1:産後パパ育休について、就労志向の女性はどう思ってる?:https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-29740/
※2:“しゅふ業”はブランクじゃない!『家オペ力 マトリックス R-1』:https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/news-18005/
しゅふJOB総研 研究顧問 川上敬太郎 ープロフィールー
1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。
仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦・主夫層”のべ40000人以上の声を調査・分析し、200本以上のレポートを配信。2021年に独立。“ワークスタイル”をメインテーマにした研究・執筆・講演、企業の事業支援および広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。
人材派遣、紹介、アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げなど事業現場の最前線から、広報ブランディング・経営企画・人事など管理部門までを管轄。雇用・労働分野の有識者として多数のメディアに出演し、人材マネジメントから法規制まで雇用労働分野の幅広いテーマについて意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。
Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/JCAST会社ウォッチ解説者/日本労務学会員
◇委員等
厚生労働省 委託事業検討会委員
・民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職促進検討会」(平成29~30年度)
・労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラム検討委員会」(平成29~31年度)
日本人材派遣協会
・派遣事業運営支援部会員(平成20~21年、24年)
内閣府
・規制改革会議 雇用WG勉強会(平成26年)など
◇メディア出演
NHK『あさイチ』解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー、フジテレビ『みんなのニュース:ふかぼり』解説などのテレビ出演の他、ラジオ・新聞・雑誌・ビジネス系ウェブメディアなどでコメント多数
◇執筆・その他
ITメディア連載『「人材サービス」が滅ぶ日は来るのか?』/マネープラス連載『ワークスタイルの見つけ方』
他、日本経済新聞、日経MJ、時事通信、NEWSポストセブン、アーバンライフメトロなど執筆・寄稿記事多数
大学や男女共同参画センターなどでの講演、パネルディスカッションのモデレーターなども務める
調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:637名 ※女性のみ
調査実施日:2023年9月12日(火)~2023年9月19日(火)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者
しゅふJOB総研について
「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」
そんな志から始まった2011年設立の研究所です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を高め、女性のみならず誰もが働きやすい職場をより多くつくっていくために、定期的なアンケート等の調査を実施し結果を社会に発信しています。
※過去の調査結果はこちら⇒https://www.bstylegroup.co.jp/news/shufu-job/
※しゅふJOB総研は、東京大学SSJDAに過去の調査データを寄託しています⇒http://bit.ly/2n8jHIJ
ビースタイルグループについて
https://www.bstylegroup.co.jp/
『時代に合わせた価値を、創造する。』という存在意義 -PURPOSE- のもと、その時代の社会問題や人々の不便を革新的な事業によって解決しようと取り組んでいます。創業以来、しゅふの雇用をのべ18万人以上創出してきた「しゅふJOB」や多様な働き方×ハイキャリアを実現する「スマートキャリア」、すきま時間で働く「ご近所ワーク」など人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも取り組み、使命 -MISSION-『「はたらく」をもっと、しあわせに。』を、人と仕事の適材適所によって実現してまいります。
【プレスリリース「産後パパ育休スタートから一年/メリット1位「夫の視野を広げる」56.8%、デメリット1位「妻のストレスが溜まる」44.4%」(PR TIMES)より|2023年10月11日・株式会社ビースタイル ホールディングス】
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