特集

キャリアセンターに聞いてみました


企業と学生間の「非対称性」を解消し、より良いマッチングの実現を―東京海洋大学 高橋敏行氏

2016.10.24

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企業と学生の「架け橋」となり、就職活動において、重要な役割を果たす各大学のキャリアセンター。学生・企業人事双方の視点で、就職活動を最前線でウォッチしてきた彼らは、現在の就職活動の状況をどのように捉えているのか。今回は、職業の選択のみならず、人生設計の一環としての進路指導を打ち出す国立大学法人、「東京海洋大学」の高橋敏行氏に話を聞いた(2016年9月取材:勝木健太)。

学生の就活の実態はどのようなものだったか?

企業側の「量より質」重視の採用方針は変わっていませんが、採用熱は依然として高く、就職率としては、100%近い水準(取材時点で2名のみ内定未取得)をキープしています。

人事担当者と接していて感じることはあるか?

人事の方々というか、企業に求めることになってしまうのですが、学生に対し、「本音」を求めるのなら、企業側も、可能な限り、ありのままの「姿」を見せて欲しいという要望が少なからずあります。最大限努力して下さっているのは重々承知しているのですが、社風や企業カルチャーについては、説明会に参加したとしても、学生が完全に理解するのはなかなか難しい部分があります。また、企業が学生を「深堀り」することは、面接を通じて可能だとしても、学生が企業を「深堀り」するのは、現実問題として、きわめて難しい。そのあたりの「非対称性」を解消していくことが出来れば、企業と学生のより良いマッチングの実現につながると考えています。

17卒生の就職状況と振り返りについては?

東京海洋大学の高橋敏行氏

先程申し上げました通り、就職状況に関しては、ほとんど100%の就職率を実現することができている状況です。また、就職先の企業ですが、大学名からも見て取れるように、海運や関連する業界への就職は多いですね。また、食品系の学科を設置していることから、食品業界への就職にも強く、これらの業界に対しては、少なからずポジティブなインパクトを与えているという自負があります。一方、メガバンク系のベンダー等への就職実績もあるように、業種を問わず、幅広い領域に優秀な人材を送り込めている点も、特筆すべきポイントかもしれません。内定を獲得する学生の特徴としては、「頭脳明晰」な学生よりも、むしろ「素直さが感じられる」学生の方が、比較的スムーズに内定を獲得しているように思います。

18卒生の現在の就職状況(取材時点。特徴や傾向、今後の予測など)については?

基本的には、前年同様、高い就職率を達成できると見込んでいます。また、18卒生に限らないことですが、東京海洋大学の学生は、素直で、対人能力に優れた学生が多く、人事担当者からも高く評価されています。実際、日本経済新聞・日経HRの共同調査では、「対人力」のカテゴリーで、全大学の中で、ランキング1位を獲得しており、手前味噌ながら、学生のコミュニケーション能力、柔軟性や適応力の高さについては、自信を持っています。

加えて、品川キャンパス、越中島キャンパスに共通することですが、「大手志向」というよりも、「自身が生涯をかけて取り組んでいきたい仕事」か否かを重視する学生が多いことも、東京海洋大学の特色と言えるかもしれません。一方で、自分の持っている「強み」を表現することが得意でない学生も存在し、そういった学生に対しては、就職支援室としても、個別面談を繰り返すことで、入念に対策を行い、学生を鍛えていく準備があります。また、2年程前から業界セミナーに取り組んでいるのですが、業界セミナーでは、業界の全体像についてイメージを得ることは出来ても、個別企業に対するイメージを獲得しづらいこともあって、今後は、企業セミナーに重点を置いて、学内セミナーに取り組んでいく方向です。さらに、去年から合同企業セミナーも開始しております。

企業が学内セミナーへの参加、求人票受け付けなどコンタクトを取る方法については?

直接、求人票を送付頂く方法もありますが、場合によっては、「埋もれる」可能性もあるため、就職支援室の高橋宛てにお電話頂ければ宜しいかと思います。

キャリア教育の取り組みについては?

一般論としての早期のキャリア教育の必要性については否定しませんが、東京海洋大学では、下位学年に対するキャリア教育については、必ずしも就職活動とは結び付けず、「将来の進路選択を考えるにあたって、現段階から何をするべきか」について考えて欲しい、というスタンスで実施しています。

※免責事項:本記事における高橋氏の見解はあくまで個人的なものであり、大学を代表するものではありません。

執筆者紹介

勝木健太(かつき・けんた) 1986年生まれ。幼少期7年間をシンガポールで過ごす。京都大学工学部電気電子工学科卒業後、邦銀に入行。法人営業、外貨バランスシート経営の企画、グローバル金融規制対応、各国中央銀行との折衝に従事。外資系コンサルティングファーム、監査法人でのブロックチェーン技術をはじめとするFinTech領域の戦略立案に従事した後、独立。

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