特集

活力を生み出すダイバーシティ(LGBT編)


【前編】「ありたい姿、性で就職・転職を」
学生が切り拓くLGBTの未来~JobRainbow~

2016.02.15

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欧米に比べ、社会的な理解やインフラが遅れていると言われていた日本でも、LGBTの権利を認め、採用や雇用のあり方を変えていこうとする動きが出始めた。そんな中、「LGBTがありたい姿、ありたい性で就職活動・転職活動をすることの応援」を目的に、学生がLGBT就活生・求職者のための情報サイトを立ち上げた。今回、学生団体JobRainbow代表で立教大学4年生の星賢人さんとメンバーで姉の真梨子さんに取り組みやLGBT就活生の就活状況について話を聞いた(取材:2015年12月7日)。

※「LGBT」とはL(レズビアン)、G(ゲイ)、B(バイセクシャル)、T(トランスジェンダー)の人々を指す呼称。

JobRainbow設立の経緯と取り組みの内容

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代表の星賢人さん(写真右)と真梨子さん

―団体設立のきっかけは?
星代表「僕が大学1年生の時、3年生のトランスジェンダーの先輩がいました。その方は、心は女性で身体は男性です。大学に入る前に一浪して、ホルモン治療や身体の手術をして女性として入学し、大学生活は女性として楽しく過ごせていたものの、3年時に就職活動をし始めた時から変わってしまいました。面接の際に採用担当者から容姿の印象で不快な発言を聞かされたり、『トイレの対応が難しい』という理由で不採用になってしまったりと、そういうことが続いたことで受けた精神的なショックが大きく、就職活動だけでなく大学も辞めてしまいました。女性としてありのままに生きていたいという願いを持って大学に入ったのに、たった3年間で終わってしまったんです。その様子を見ていて、これはおかしいし、そういう人たちが当たり前に、ありのままに就職活動や転職活動ができるような社会を目指したいということで、団体を立ち上げました。現在、学生5名ほどで活動をしています」

―資金もないなかでどのようにして、活動をスタートさせたのか。
星代表「『トリガー2015』という学生のビジネスコンテストに出場し、優勝して支援を獲得しました。審査員にはLINEの森川さん(当時)や、ワークスアプリケーションの牧野さんがいました。社会的な問題として解決しなければいけないことに取り組む貢献性の高さと、ビジネスとして実現性の高さの部分を評価していただき、私たちもその後の活動を進めていくうえで大きな自信になりました」

―サイトでは具体的にどのような情報を発信しているのか。
星代表「一つは企業の取り組みを紹介しています。例えば社内で新人研修のメニューの中にLGBT研修を取り入れている企業や、福利厚生のなかにパートナーシップを盛り込んでいる企業へ訪問し、代表や人事担当者、そこで働く当事者の方にヒアリングをして生の声を紹介します。もちろん、LGBT就活生や求職者のための情報開示の役割はありますが、中小企業の方にヒントを提供することも大きな目的のひとつです。アンケート調査、取材を通じて見えていたのが、中小企業で働く当事者の苦しむ状況でした。一方で、中小企業の人事担当者や経営者の方も、取り組みたいけど何をやったらいいのかわからなくて困っているということもわかりました。ニーズのある中小企業に対して少しでも役立つ情報を届けていくことで、企業・学生双方のメリットになると考えました」【つづく】

LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」

2015年12月8日にリリースした、「jobrainbow.net/」。メンバーがインタビューをしたLGBTフレンドリー企業の取組事例紹介に加え、社員の声を掲載。同時に、LGBTの就活生が、就活での体験談や働いている社員のレビュー、口コミを公開していくことで、「会社がオフィシャルに言っていることとズレがないのか」「この会社では実際にどういう問題があって、どのように対処したのか」などが、口コミベースで知ることができる。

LGBT就活生と求職者向けのサイトではあるが、人事担当者にとっては、LGBTの就活生や社員がどのような考えを持っているのか知りうる貴重な情報源にもなる。採用や雇用環境、制度設計にも役立つだろう。また、企業向けにセミナーや勉強会の情報は発信していないが、問い合わせがあった場合には個別対応するという。
問い合わせは、info@jobrainbow.netまで。

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