OD Network Japan主催年次大会2018「進化する組織、覚醒する個」
ベストセラー作家が解説! 企業に必要な「対話型組織開発」
2018.08.27

終身雇用や年功序列という日本型雇用の概念が薄れ、働き方の多様化が加速しています。そこで注目を集めているのが「組織開発」です。「OD(Organization Developmentの略)」とも呼ばれ、組織を活性化させるアプローチといえます。NPO法人「OD Network Japan(ODNJ)」は、組織開発を実践する経営者や研究者によって構成されるコミュニティで、組織開発について共に学び、効果的で健全な組織づくりのために協働しています。
2018年7月7日、ODNJは東京都内で年次大会を開催。「進化する組織、覚醒する個」をテーマに基調講演やOD実践企業への表彰を行い、組織を構成する社員が主体的に組織改革に取り組む方法を探りました。
「対話型組織開発」の共著者ジャルヴァース・R・ブッシュ氏が講演
基調講演ではベストセラー「対話型組織開発」の編著者、ジャルヴァース・R・ブッシュ氏がその概要を解説しました。
ジャルヴァース・R・ブッシュ

サイモンフレーザー大学ビジネススクール教授。専門領域はリーダーシップと組織開発。
2017年にイギリスのHRマガジンで「世界に影響を与えた人物」7位に選出された、世界で活躍するHR業界の権威。「対話型組織開発」の第一人者とされる。
2018年7月に日本語訳が出版された『対話型組織開発』(ロバート・J・マーシャク共著、英字出版)は、早くもベストセラーとなった。
海外では対話型組織開発によって高い収益改善率を計上した事例も
対話型組織開発におけるテクニック例はたくさんあり、世界的企業の多くが取り入れています。
例えば、ウォルマートやハンターダグラス、ニュートリメンタルフードやロードウェイエクスプレスなどの企業では、対話型組織開発を取り入れることで高い収益改善率を計上した事例があります。しかし、全ての事例がこれらの企業のように成功を収めるとは限りません。それはなぜでしょうか。我々の研究では、方法論ではなく実践者のマインドセットによって結果が変わることが明らかになりました。
組織の課題は2つある
組織における課題は主に2つにあります。1つは「技術的な課題」、もう一方は「適応を要する課題」です。
「技術的な課題」は数値化や定義化がしやすく、プロセスや手順の解決策を当てはめやすい課題です。「適応を要する課題」の特徴は、「何が問題か」の合意が難しい点、問題解決のために個人と組織の価値観、信念、役割、関係などに変化を要する点が挙げられます。さらに、問題に適応するために、新たに適応しなければならない問題をつくり出す特徴もあります。
組織開発の実践者が組織開発をする上で最も気を付けるべきことは、対策を明確化しにくい「適応を要する課題」を、原因を特定し対策できる「技術的な課題」と間違えて捉えてしまうことです。
対話型組織開発を成功させるポイントとして、「創発のプロセスの促進」「ナラティブの変化」「生成的イメージの取り入れ」の3つを提示します。
創発のプロセスの促進
創発とは、自然界で無秩序から秩序が発生していく変化のことを指します。自然界のシステムのように、組織の各個人がコントロールされることなく自己組織化し、それぞれが連携することで新たな変化を生み出します。
ナラティブの変化
ナラティブとは、組織の各構成員が抱く、個々の人生経験から導き出したストーリー(物語)のこと。個人の行動や判断の合理的な理由として関連付けられることが多くあります。組織が適応を要する課題に向き合うときは、ナラティブを変えることで現実と組織に変化が生じます。
生成的イメージの取り入れ
生成的イメージとは、以前まで見えなかった新しい考え方や行動の形を指します。イメージを取り入れると、新たに建設的な会話の機会が生まれます。イメージはあえて曖昧にされており、行動に対するさまざまな選択肢を想像させます。
リーダーシップとは、組織開発の種を成長させること
対話型組織開発では、リーダーが率先して変革することに価値を見いだしません。多種多様な構成員がのびのびと議論し、組織に変革を起こせる環境をつくるプロセスを見守っていく役割が求められます。それにより、組織は大きなイノベーションを巻き起こすことができるのです。
組織開発の成功企業を表彰! OD Network Japan Excellent Award
基調講演に続き、組織開発により組織を活性化した企業を称える「OD Network Japan Excellent Award」の表彰式が行われました。
受賞したのは面白法人カヤック(株式会社カヤック)【下写真左】。「ぜんいん人事部」「ぜんいん社長合宿」「サイコロ給」など独自の施策に取り組み、積極的に組織開発を実践し続けている点が評価されました。人事部だけでなく、社員全員が「面白く働けているか」を追求し、楽しく働ける環境を自ら生み出すことに成功しています。
特別賞には大企業の若手有志団体のプラットフォーム「One JAPAN」【同右】が選ばれました。大企業に見られる企業体質「大企業病」を打破し、「空気を読む」から「空気を作る」へ変革させようとする取り組みが評価されました。現在は47社1,000名のメンバーを抱える団体となっています。
イベントデータ
イベント名:OD Network Japan年次大会2018
日時:2018年7月7日(土)
場所:東京都港区東新橋1-8-1 電通本社
登壇者:
・基調講演
ジャルヴァース・R・ブッシュ氏(サイモンフレーザー大学ビジネススクール教授)
・OD Network Japan Excellent Award
柴田史郎氏(面白法人カヤック[株式会社カヤック])、濱松誠氏 (One JAPAN、パナソニック株式会社)
主催:OD Network Japan
特別協賛:株式会社電通
執筆者紹介

山岡ソースケ・リホ(ライター) 人材会社出身のフリーライター夫婦。インタビュー取材からコンテンツ執筆、コピーライティングまで幅広く活動する。得意ジャンルは採用関連、ビジネス、IT、グルメなど。旅行が趣味で、毎月1回国内外問わず飛び立つ。阿佐ヶ谷在住で、街のグルメや面白スポットを開拓中。
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