コラム

残業ゼロを目指して


次の仕事の計画は、前の仕事が終わる「直前」に立てよう!

2017.12.07

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残業ゼロを実現するためのビジネスハック術を紹介する、作家・佐々木正悟氏の連載企画。今回は、モチベーション管理に関する仕事術です。

目次
  1. モチベーションが冷える前に
  2. 次の仕事につながる部分をすぐに用意する
  3. 「計画」にかける時間は5分で良い
  4. 5分でPDCAが回る!
  5. 多くのタスクに応用すれば、驚くほどの時短が望める

モチベーションが冷える前に

仕事に対するモチベーションが最も高くなるのはいつでしょうか?

私の経験では、最もモチベーションが高い状態は、「仕事の終わる直前」です。マラソンに置き換えてもらえば、イメージしやすいかもしれません。42.195キロのゴールにたどり着く直前付近では、人は最後の力を振り絞って、ゴールテープまで全速力で進むことができます。そのタイミングで「次の仕事」の仕込みをやってしまう、というのが私の提案です。

仕事を完全に完了したあとだと、次の仕事をはじめるために、モチベーションをもう一回「温め直す」必要が出てきてしまいます。冷えたものをもう一度温め直すのは、とてもエネルギーを使います。モチベーションが冷える前に、次の仕事をはじめるきっかけを作ってしまえば、温め直すエネルギーが大きく節約できるのです。

次の仕事につながる部分をすぐに用意する

前回、PDCAサイクルが苦手な方は、まずは「PDP」を繰り返せばいい、という話を書きました。今回の内容は、このサイクルをまわす具体的な実践方法でもあります。

なによりやっておきたいのは、仕事が終わったら間髪入れずに、その仕事の特にキモとなる部分をコピーして、「次回分」としてペーストすることです。企画書を作成していたなら、完成間際の企画書の本文をコピー&ペーストし、それを「次回の仕事のフォーマット」にする、といったやり方です。

これだけでも、次回の仕事に取りかかるまでのスピードがずいぶんとちがってきます。次に仕事をする際には、「前回分」を確実にレビューすることができますし、「次は何をすべきか」と悩む時間が減ります。

最悪なのは、「前回分の仕事の成果」を探し出さなければならないとか、探し出せないといった状況です。そうなってしまうと、しなくてすむ仕事を再びやることになります。

「計画」にかける時間は5分で良い

仕事が終わるころに次回の「P(計画)」を手がける、というこの方法ですが、気をつけるべきは、「計画」の時間は最長でも5分程度でよいということです。

すでに1つ仕事を終えていて疲れている状態ですので、あまり負担の大きい目標を立てると、実行できなくなる可能性が高くなります。大きな目標を立て、続けようとがんばると、続けられないときに途端にイヤになってしまいます。逆に、どんなに気が向かなくとも5分だけはやっておくことです。5分かければ、次回の仕事の輪郭くらいは描けるものですし、それがあるとないとでは、次回の仕事の開始時に、最大で1時間程度かかる時間に違いが出てきます。

5分でPDCAが回る!

このようにすれば、「仕事の終わり間際に今回の仕事を記録する→それを読む→反省点をふまえ、次の計画を立てる」ということができます。つまり、5分で簡易PDCAサイクルを回すことができるわけです。

もちろん「ちゃんとしたPDCA」をまわそうと思えばもっといろいろなことをしなければならないでしょうが、最初はこのくらいで十分です。計画を壮大にしておいていつまでも手がけないというよりは、ずっと成果が上がります。

そもそも、反省するのに間を開けなければいけないとか、レビューに2時間かけなければいけないといった決まりはないのです。みなさんの多くは常に「時間がない」という気持ちに駆られているわけですから、時間をあまり使わずになるべく多くのことをすませられた方がいいはずです。

多くのタスクに応用すれば、驚くほどの時短が望める

この簡易PDCAで時短の成果を上げるには、とにかく多くの仕事でこの方法を実践していくことです。

私は書籍原稿やセミナーの準備、子どもの宿題を見る際でも、この方法を実践しています。やったことのコピーを、やり終えた直後にとっておいて、次回はそれを「見る」ところから始めるのです。

日々さまざまな業務に取り組んでいると、一週間も経てば、仕事で何をどうしたかという詳細は忘れてしまいます。完全には忘れなくても、多くのことを思い出せなくなっているわけです。思い出そうとすれば、5分くらいはかかってしまいます。

1つの仕事について5分の時間がかかれば、5つ仕事があれば30分必要になります。それはただ、「仕事のことを思い出す」だけに使ってしまっている時間です。この時間は、本来ならほぼゼロにできる時間なのです。

執筆者紹介

佐々木正悟(ささき・しょうご) 心理学ジャーナリスト。「ハック」ブームの仕掛け人の一人。1973年北海道生まれ。「効率化」と「心理学」を掛け合わせた「ライフハック心理学」を探求。執筆や講演を行う。著書に、ベストセラーとなったハックシリーズ『スピードハックス』『チームハックス』(日本実業出版社)のほか『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』(中経出版)『一瞬で「やる気」がでる脳のつくり方』(ソーテック)などがある。ブログ:佐々木正悟のメンタルハック

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