「転職活動者調査」株式会社リクルート
転職を考えるきっかけは、賃金や労働条件より成長できる環境、責任ややりがいのある仕事を重視
2023.02.07

リクルート(東都・千代田)は2月2日、転職活動者調査を発表した。調査期間:は2022年12月13~14日、有効回答数:1040人。
調査結果によると、転職を考えたきっかけは賃金や労働条件よりも、成長できる環境やより責任ややりがいと答えた割合のほうが多く、個人が賃金だけでなく自分のキャリアを考え転職活動を始めていることが分かった。
こうした傾向について、HR統括編集長の藤井薫氏は「中長期を見据えた転職活動者に、『持続可能な賃金上昇の可能性とキャリアの機会』をどう提供できるか。円滑な労働移動を目指す日本型雇用にとっても、再興の好機と言える」と考察する。以下、リリースおよび調査結果詳細より。
調査結果詳細:転職活動者調査 賃金への関心は高まる 転職後の年収上昇を見越せることも重要視(2MB)
転職時に年収が下がっても、将来的に上がる可能性があればよいと考える個人も
会社の将来性不安だけでなく、責任ややりがい、成長環境を求め転職活動を始める傾向
トピックス
- 転職活動者の仕事の満足度では、収入面の満足・計は28.5%に対して、不満・計は45.2%。
- 転職時に現在より高い年収を希望する人は多い。転職後将来的に年収が上がる可能性も重要視
- 転職を考えたきっかけは、賃金や労働条件に関するものよりも、成長できる環境で働きたい、より責任ややりがいのある仕事をしたい、といった前向きなもののほうが高い
- 応募の際に重視する点では「給与水準が高い」「やりたいことを仕事にできる」「プライベートの時間を確保できる」が高い
- 【解説】中長期を見据えた転職活動者に、「持続可能な賃金上昇の可能性とキャリアの機会」をどう提供できるか
転職時に現在より高い年収を希望する人は多い。転職後将来的に年収が上がる可能性も重要視
転職活動者に聞いた転職時に希望する年収水準は、現在よりも高い年収水準を希望する割合が60.8%となった。
ただし、聞き方を変えると変化が見てとれた。「転職時の年収水準」と「将来の年収水準」について、考えに近いものを聞いたところ、「転職時に年収が下がっても、入社半年~1年程度で年収が上がる可能性があればよい」のあてはまる・ややあてはまるを合わせた『あてはまる・計』は45.8%に上った。
また、中長期(2~3年程度)や長期(5~10年)という期間でも上がる可能性があればよいと考える方もそれぞれ43.7%、39.8%となっており、目の前の年収だけではなく、しっかりと将来にわたってキャリアを積めて、年収が上がる見込みがあるのかを重視する転職活動者の考えが見てとれた。なお、以下の結果に年収帯による大きな差は見られなかった。
転職を考えたきっかけは、賃金や労働条件に関するものよりも、成長できる環境で働きたい、より責任ややりがいのある仕事をしたい、といった前向きなもののほうが高い
転職を考えたきっかけでは、「いまの会社の将来性に不安があるため」28.2%、「成長できる環境で働きたいため」25.4%、「より責任ややりがいのある仕事をしたいため」22.0%の順に高い結果となった。
会社の将来性への不安が高まっている中、責任ややりがい、成長環境を求めてといった前向きなきっかけも多く、個人が賃金だけでなく自分のキャリアを考え動き始めていると考えられる。
応募の際に重視する点では、「給与水準が高い」「やりたいことを仕事にできる」「プライベートの時間を十分に確保できる」が高い
企業へ応募する際に重視する点では、「給与水準が高い」44.6%、「やりたいことを仕事にできる」43.1%、「プライベートの時間を十分に確保できる」31.9%の順に高い結果となった。
給与に関する希望は高いが、同じくらい「やりたい仕事を(選択)できるか」という点が重視されていると言える。また、プライベートの時間を重視する、暮らしと仕事の関係を見つめなおす個人は今後も増えるだろう。
HR統括編集長 藤井薫解説サマリー:
今回の調査結果からは、転職活動者が短期の年収アップ(賃金上昇)だけでなく、中長期のキャリアを見据えて、転職先を探していることが明らかになりました。
「より責任とやりがいのある成長環境で、やりたい仕事に没頭し、プライベートの時間を大切にしながら、ありたいキャリアを描く。そのために年収が一旦下がっても、将来上がる可能性があれば転職したい」…。
このように考える転職活動者が4割近く存在することは、賃金の多寡が採用の成否を決すると諦めている企業にとって、見逃してはならない事実だと思います。転職活動者にとって金銭報酬は重要ですが、それ以外にも、機会報酬(仕事や働き方の選択権)、成長報酬(ジョブアサイン、リスキリング)、意味報酬(パーパス、貢献実感)といった、多様な報酬が不可欠です。
中長期を見据えた転職活動者に、「持続可能な賃金上昇の可能性とキャリアの機会」をどう提供できるか。円滑な労働移動を目指す日本型雇用にとっても、再興の好機と言えるでしょう。
調査概要
調査方法:インターネット調査
調査対象:転職活動中の方
有効回答数:1040人
調査実施期間:2022年12月13日(火)~12月14日(水)
調査機関:インターネット調査会社
本件の詳細をこちらより御覧ください
転職活動者調査 賃金への関心は高まる 転職後の年収上昇を見越せることも重要視(2MB)
※記事内の画像も上記資料より
【プレスリリース「『就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022』第1弾 転職経験や転職意向等について」より|2023年2月2日・株式会社リクルート】
@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。
@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。
今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料
@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。

「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」
「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」
そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。
関連記事
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
株式会社リクルート
【人的資本経営に関する働く人の意識調査(2022)】部署配置やジョブアサインに対し最適だと感じている人は約3割にとどまる
リクルート(東京・千代田)は9月29日、企業で働く10,459人を対象に実施した「人的資本経営に関する働く人の意識調査(2022) 」の結果を発表した。調査結果によると、「今の部署...
2022.10.04
-
ニュース・トレンドプレスリリース
「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」株式会社リクルート
50代でも約4割が転職を検討。年代を問わず4割以上が転職先を決める前に退職
リクルート(東京・千代田)は9月22日、20~65歳の就業者13,240人を対象に実施した「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」の結果の一部を第一弾として発表した。調査...
2022.10.04
-
プレスリリース国内・海外ヘッドライン
株式会社リクルート
【2022年度転職市場動向レポート】IT通信・コンサルティングなど15業界の中途採用・転職活動の状況を分析
リクルート(東京・千代田)は9月1日、『リクルートエージェント』の転職データと各業界に精通したコンサルタントの知見をまとめた「転職市場動向レポート」を発表した。レポートは2022年...
2022.09.09
-
ニュース・トレンド
株式会社イノベント
「第1回 人材不足・人手不足 対策EXPO [PEREX]」が6月4日から東京ビッグサイトで開催
人材不足・人手不足対策EXPO実行委員会(運営:イノベント)は、6月4~6日まで東京ビッグサイト東1~3ホールで「第1回 人材不足・人手不足対策EXPO」を開催する。会場には課題を...
2025.05.15
-
ニュース・トレンド
クアルトリクス合同会社調べ
「従業員はリーダーがAIを効果的に導入できるか疑問視」。従業員とリーダーのAI に対する認識の違いが明らかに
米国クアルトリクスの日本法人、クアルトリクス合同会社(東京・千代田)は4月22日、「2025年従業員エクスペリエンス トレンドレポート」に基づく調査を公開した。調査結果から、日本を...
2025.04.30
-
ニュース・トレンド
@人事ニュース解説ぷらすvol.5
ハローワークにAI導入、企業の採用業務に新たな支援体制が始動
厚生労働省は、ハローワークにおけるAI(人工知能)活用の実証事業を令和7年度より本格的に開始する。そのため、企業の人事担当者や経営者がハローワークを通じて求人活動を行う際の利便性・...
2025.04.24
あわせて読みたい
あわせて読みたい

人気の記事

国内・海外ヘッドライン

THE SELECTION
-
THE SELECTION特集
【特集】ChatGPT等の生成AIが一般化する社会で必須の人材戦略・人的資本経営の方法論
-
THE SELECTION企画
人事のキャリア【第25回】
皆がうらやむような会社づくりに取り組む(アイロボットジャパン・太田浩さん)
-
THE SELECTION企画
レポートまとめ
@人事主催セミナー「人事の学び舎」 人事・総務担当者が“今求める”ノウハウやナレッジを提供
-
THE SELECTION特集
「副業」新時代-企業の向き合い方 特集TOP
-
THE SELECTION特集
人事のキーパーソン2人が@人事読者の「組織改革」の疑問に答えます(第2弾)
数値化できない部署を無理に人事評価する方が問題。曽和利光×北野唯我対談
-
THE SELECTION特集
「令和時代に必須! ハラスメント対策最前線」
パワハラと指導の違いは? 6種類のパワハラを佐々木亮弁護士が徹底解説(中)