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女性の3人に1人が「結婚・出産は自身のキャリア形成にマイナスになる」と回答。男性の育休賛成派は9割以上に

2020.07.17

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産育休制度は円滑に運用されてもキャリアへの影響の懸念は依然としてある

20代・30代のキャリア支援を行うMAP(東京・渋谷)は7月14日、20~30代の転職希望者に対して実施した「会社の産育休制度と自身のライフプラン」に関するアンケート調査の結果を発表した。有効回答数は432名。

調査結果によると、40%の人が「自社の産育休制度は円滑に運用されている」と回答した。男性の育休取得については、「必要」と回答したのが47.2%、「どちらかといえば必要」は44.7%で、男性の育休に賛同する意見は9割以上を占めた
また、自身のキャリアにライフイベントがどう影響するかを聞いたところ、男女全体で44.2%が「プラスに影響」と回答した一方で、男女別データで見ると、「マイナスに影響する」と回答したのが男性は9.4%に対して女性は約4倍の37.6%だったことが分かった。

ライフイベントが女性のキャリア継続に影響を与える点があらためて浮き彫りになる結果になったが、MAPウーマンキャリアの菊池華恵氏は、長期的なキャリア形成の観点からは、産休前と同じ仕事・ポジションでの復職に固執しないことも必要だと述べる。
「コロナ禍により数か月で世界が変化したように、今のルールやスキルがいつまで通用するのかはわかりません。これからは元に戻ることだけを考えるのではなく、復職時の状況に合わせて対応できる柔軟さや、新たな提案ができる行動力も必要ではないでしょうか」

政府の有識者会議で「男性の育休取得義務化」が取り上げられる

内閣府の「少子化社会対策大綱」(2020年5月29日発表)によれば、男性の育休取得率の目標を2025年に30%と定めている。しかし、厚生労働省が2019年7月に発表したデータ※では、過去10年間の育休取得率が女性は80%台で推移しているものの、男性は2%から6%に微増したのみだ。
今月初めに行われた政府内の少子化対策などを検証する有識者懇談会の中間報告では次の一文が記載されている。

「世の中の性別役割分担意識を変える取組として、育児休業の分割取得を更に柔軟化し、テレワークと組み合わせつつ、家族の態様に応じ男女協力して子育てを行う多様な形を示していくこと、また、象徴的な取組として男性本人に対し、育児休業の取得の義務化や強力なインセンティブを与え、男性が全員取得する環境を目指すことも提案したい。」

『選択する未来2.0中間報告』p.22より

企業の産育休制度の整備・運用は進んでいるが、今後はさらに女性のキャリア観に変化を与える一歩踏み込んだ取り組みが求められる。以下、リリース内容を紹介。

※厚生労働省 雇用環境・均等局 職業生活両立課「男性の育児休業の取得状況と取得促進のための取組について」

産休・育休制度が整っても不安拭えず。⼥性の3⼈に1⼈が「結婚・出産は⾃⾝のキャリア形成にマイナスになる」と回答

1)40%が「⾃社の産育休制度は円滑に運⽤されている」と回答

グラフ:女性社員の育休・産休取得、活用事例について(MAP調べ))

「現職企業では⼥性社員が育休・産休を取得、また活⽤できていますか︖」の質問では、「休暇取得、その後の復職含め、円滑に活⽤されている」と回答した⼈が173⼈(40%)でトップ。「制度が整っておらず、活⽤実績もない」33⼈(7.6%)を⼤きく上回りました。

⼀⽅で「制度は存在するが活⽤している⼈が少ない」56⼈(13.0%)「休暇前と同様のポジションで復職する例が少ない」39⼈(9.0%)など、⼥性社員がライフイベントを機にキャリアを中断せざるを得ない企業も少なくないようです。

また「よくわからない」と回答した⼈も79⼈(18.3%)に上り「今のところ実感がないためなんとも⾔えない」(男性・24歳)など、⾃⾝の結婚・出産についてまだイメージできず、会社の産育休制度⾃体に興味がないという声もありました。

2)「男性の育休賛成派」は90%以上

グラフ:男性の育休取得についてどう思いますか?(MAP調べ)

「男性の育児休暇取得についてどう思いますか︖」という質問に対しては、「必要。今後もっと定着すべき」、「どちらかといえば必要だが、定着は難しそう」と回答した⼈が合わせて397⼈(91.9%)と「男性の育休賛成派」が⼤多数を占め「必要ない」と回答した⼈はわずか1⼈という結果に。

男性からは「⼦供ができると仕事に対するモチベーションは変わる。融通の利く会社が増えることを願っています」(男性・29歳)、「出産、⼦育てのしやすい環境づくりを企業が率先して⾏うべき」(男性・26歳)といった要望があがる⼀⽅「育
休取得が⾃⾝の出世に影響するのではという不安がある」(契約社員 男性・29歳)と、理想と現実のギャップを訴える⼈もいました。

3)⼥性の3⼈に1⼈「ライフイベントはキャリアにマイナス」

グラフ:ライフイベントが自身のキャリア形成に与える影響は(MAP調べ)

男女合計

グラフ:ライフイベントが自身のキャリア形成に与える影響は(MAP調べ)

女性のみ

【※MAP作成のデータに編集部が赤枠を追加しています】

「結婚、出産(育児)などのライフイベントは、⾃⾝のキャリア形成に影響があると思いますか︖」という質問では「プラスに影響すると思う」との回答が191⼈(44.2%)でトップに。
「マイナスに影響すると思う」との回答を⼤きく上回りました。しかし、男⼥別に⾒るとマイナスに影響すると答えた男性の割合9.4%に対し、⼥性は約4倍の37.6%。
「⼥性は結婚や出産、育児によってキャリアを中断しなくてはならない。まだまだ男⼥不平等だと思う」(⼥性・27歳)「産育休を問題なく取得できても、再び同じように勤務できるのかが不安」(⼥性・26歳)といった声がありました。

また「近々結婚予定ですが、ライフイベントを控えた⼥性は転職活動で不利になるので不安」(⼥性・24歳)と、転職活動への影響を危惧する声も。⼥性がライフイベントによってキャリアの中断を余儀なくされることへの不安や不満を抱える⼈は少なくないようです。

この他には「在宅勤務できる会社であれば、ライフイベントにまつわる不安は軽減されると思う」(⼥性・29歳)、「産育休取得後、問題なく復職できるようなスキルを今から⾝につけたい」(正社員 ⼥性・24歳)といった声もありました。

【総括】「元のポジションへの復職」だけにこだわらない柔軟さも必要

写真:MAPウーマンキャリア 取締役 菊池 華恵氏共働き世帯は1,000万世帯を超えなお増加傾向が続いており、産育休制度の整備・運⽤は企業規模問わず改善されています。しかし、結婚・出産などのライフイベントが⼥性のキャリア継続に影響を与える点は未だ変わらず、男性の育休取得義務化への期待が⾼まっています。

しかし、⻑期的なキャリア形成においては「産休前と同じ仕事・ポジションでの復職」だけに固執しないことも必要です。変化の早い時代、たった1年で⾃社の事業内容が変化したり、所属部署の役割が変わったりすることは珍しくありません。コロナ禍により数か⽉で世界が変化したように、今のルールやスキルがいつまで通⽤するのかはわかりません。これからは元に戻ることだけを考え
るのではなく、復職時の状況に合わせて対応できる柔軟さや、新たな提案ができる⾏動⼒も必要ではないでしょうか。

先⾏き不透明な今、男⼥問わずビジネスパーソンに求められるのは「変化に強い柔軟性」です。たとえ前例がなくとも、⾃分⾃⾝が会社のロールモデルとなる気概を持って、新しい働き⽅を積極的に模索していきましょう。
(MAPウーマンキャリア 取締役:菊池 華恵)

調査概要

●調査内容 キャリア⾯談事前アンケート
●調査対象 MAPグループ転職⽀援サービス登録者の20〜36歳
●有効回答数 432名(男性 200名 ⼥性 232名)
●調査⽅法 ⾯談時にアンケートフォームへの⼊⼒⽅式で実施
●調査期間 2020年3⽉5⽇〜2020年7⽉3⽇
※本調査データを転載・引⽤する場合は(出典︓株式会社MAP)の表記をお願いします。

株式会社MAP https://map-on.co.jp/

2007年設⽴。「⼈がイキイキと働く社会を創る」をミッションとし、20代〜30代の転職を⽀援。既卒・フリーターの転職をサポートする⽇本若者転職⽀援センター(https://wakamonoshien.com/)、ファーストキャリア構築を⽀援する⻑期的転職⽀援事業・WORX(ワークス)(https://map-on.co.jp/worx/)などの事業を中⼼に、グループ全体で次世代を担う若者のキャリアアップを応援しています。

MAPウーマンキャリア https://map-on.co.jp/woman/

⼥性が”輝く”社会の創出をビジョンとする⼥性専⽤転職エージェント。もっと活躍できる強いキャリアを形成したい、ライフイベントを経ても⾃分らしく働き続けたい。そんな⼥性の転職とキャリアアップを、同世代の⼥性アドバイザーがサポートします。

【プレスリリース「【アンケート調査】 産休・育休制度が整っても不安拭えず 女性の3人に1人が『結婚・出産は自身のキャリア形成にマイナスになる』と回答」より|2020年7月14日・株式会社MAP】

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