キャリアセンターに聞いてみました
【後編】対策編②関係性持続のための「メール」
2015.11.02
キャリアセンターへの接触はゴールではなくあくまでスタート。継続して学生を紹介してもらい、学内セミナーの参加を案内してもらうために関係性の持続が必要になる。だが、随時訪問することは現実的ではない。その際に活用したいのが「メール」だ。
今回、メールを活用した企業コンサルティングで多数の実績を上げている一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事の平野友朗氏が、大学への取材をもとに、具体的な対策法をアドバイスしてくれた。
- 目次
大学が知りたい情報を伝える
企業の人事担当者は、就職課の担当者と良好な関係を築くことが重要です。定期的な訪問ができれば良いのですが、遠方もしくは、人員不足やスケジュール調整が難しいために訪問ができないかもしれません。そのときに、活躍するのがメールです。
定期的に接触をすることにより、気に掛けていることが伝わります。大学を重要視していることも伝わります。これにより、学生から問い合わせがあったときに、大学側が思い出してくれて、学生に推薦をしてくれるかもしれません。年に1〜2回程度の接触では、就職課の担当者の記憶に残らない可能性もあります。覚えてもらい、長期的な関係を構築するためにも、接触を怠ってはいけません。募集の時だけ連絡をするのではなく、望まれるコミュニケーションをとり続けることが重要です。
メールを送るネタなんかないと考えがちですが、そんなことはありません。相手が知りたい情報は何か。そこを考えてみましょう。たとえば、採用した人物の働きぶりを知らせるのは有効です。卒業生がどこに配属され、頑張っているかという情報は学校側としても非常に喜ばれます。どんな活躍をしているのか、会社としてどう感じているのか、どう評価されているのか。表彰実績などがあれば、それも知らせましょう。
また、それと同時にOBOGリストを更新する企業も好感を持たれます。OBOG訪問の紹介依頼があった際に役立つからです。OBOGの更新が完了したことを連絡する。それによって何度かメールのやりとりが発生しますので、記憶に残りやすくなります。このように相手目線で考えるとどのようなコミュニケーションを取るべきかが分かります。
一方、求人票や会社説明会のご案内をいただくのはありがたいのですが、一方的に送り付けて来られるのは戸惑うという声もあります。その場合、求人表の中には書けないような「どんな人材を採用したいのか」などをメールで補足すると喜ばれます。ある大学は、求人票が1万件弱届くそうです。1万社の1社でしかないことを考え、「選ばれる企業」になるように情報提供をし続け、コミュニケーションをしっかり取ろうと努力をするべきです。
まとめ
他社と同じように求人票を送りつけるだけでは、記憶に残りません。相手が知りたいことに焦点を当てましょう。就職課の担当者は、求人票の情報だけでなく、判断に使える情報を求めています。その際にメールが活用できます。どのようなタイプの学生さんが活躍しているか、どのような人材が欲しいのか。具体的に伝え続け、本音で情報交換ができるまで関係を構築する。たった1年では難しいかも知れません。3年、5年先を考えて、コミュニケーションを取り続けましょう。
- 【前編】中堅・中小企業は大学キャリアセンターとの結びつきを強化せよ!
- 【中編】対策編①「目に留まる求人票」のポイント
- 【後編】対策編②関係性持続のための「メール」
執筆者紹介
平野友朗(ひらの・ともあき)(一般社団法人日本ビジネスメール協会 代表理事)
株式会社アイ・コミュニケーション代表取締役。メールの研修だけでなく、組織のメールのルール策定、効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁、企業などへの講演、研修回数は年間120回を超える。著書は26冊(2017年11月1日現在)。ビジネスメールに関する取材を300回以上受けるメール教育の第一人者。
■一般社団法人日本ビジネスメール協会
電話:03-5577-3210
メール:info@businessmail.or.jp
ホームページ:http://businessmail.or.jp/
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