「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」Indeed Japan株式会社
働く男性の54.6%が職場における「男性であるがゆえの困難」を経験。そのうち79.7%が職場の困難によるキャリアへの影響を実感
2023.11.16
11/19の国際男性デーを前に、 Indeedが「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」を実施。主な困難は、「肉体的なハードワーク」や「長時間労働への要求」
Indeed Japanは11月16日、11月19日の「国際男性デー」を前に、全国の20歳〜59歳の男性の正規雇用者2,500人を対象に実施した「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」の結果を発表した。
同調査は、職場において女性だけではなく男性もアンコンシャス・バイアスなどに起因する男性特有の困難や障壁に直面していると考えられることを背景に、実際のどのような困難や障壁があるのか実態を明らかにするために実施したもの。
調査結果によれば、働く男性の54.6%が職場における「男性であるがゆえの困難」を経験しており、そのうち79.7%がこれらの困難がキャリアや働き方に影響を及ぼしたことがあると回答した。肉体的なハードワークや長時間労働への要求が主な困難として挙げられ、調査結果には男性が直面するアンコンシャス・バイアスに関する声も含まれている。以下、リリースより。
- 調査結果要約
-
- 職場における男性特有の困難(以下、困難)を経験したことがある男性は54.6%。困難を経験したことによって、仕事やキャリア、働き方に影響を受けたことがある男性が79.7%。
- 他者が体験した困難を職場で見聞きしたことがある男性は46.8%。そのうち90.7%が何かしら「変わってほしい/変えるべきだと思う」ものがあり、80.9%が何かしら「会社や職場で問題として認識されていないと思う」ものがあると回答。
- 経験または見聞きした困難に対し、55.4%が「誰にも相談しなかった/何もしなかった」。理由は1位「人に相談しづらい」(30.6%)、2位「波風を立てたくない」(30.2%)。
- 困難を解消するために職場に求めることは1位「長時間労働の是正」(33.4%)、2位「ワークライフバランスの推進」(32.0%)。
調査実施の背景
近年、人々の働き方や仕事への価値観が多様化する中で、日本でも企業においてD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)からDEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)への動きが進んでいます。職場におけるエクイティ(公平性)を目指す観点から、男女の賃金格差の解消をはじめとするジェンダーエクイティ(男女平等)の取り組みが広まっています。
労働市場における女性の不平等の解消に社会的関心が高まる一方で、内閣府男女共同参画局が行った「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」※1では、「男性は仕事をして家計を⽀えるべきだ」「組織のリーダーは男性の方が向いている」「男性は人前で泣くべきではない」など、女性だけではなく、男性にも性別による決めつけや役割分担などのアンコンシャス・バイアスがあることが指摘されています。同様に、Indeedが2022年に実施した「#これでいいのか大調査」※2では、職場において女性だけではなく男性もジェンダーギャップを感じたり、経験していることが明らかになりました。
職場において、男性もアンコンシャス・バイアスなどに起因する男性特有の困難や障壁に直面していると考えられます。
また、2023年ノーベル経済学賞を受賞したクラウディア・ゴールディン氏の研究では、仕事の柔軟性の低さなどにより、女性に育児負担が偏りがちになることが男女の賃金格差につながっていることを明らかにしており※3、「チャイルドペナルティ」とよばれています。労働市場でのジェンダーエクイティの実現には、男女ともに柔軟な働き方を実現することや、長時間労働の是正、男性の育児参加を促すことが重要であると示唆されています。
職場における男性特有の困難や障壁を明らかにし、社会的にその解決に向けて取り組むことは、男性の働き方やキャリアへの影響だけではなく、結果的に労働市場における女性の不平等の解消にもつながると考えられます。
そこでこのたび、男性の多様性を祝福し男性が直面する社会課題と向き合う「国際男性デー」を前に、職場において男性が直面する困難や障壁についての実態や意識を明らかにするため、全国の20歳〜59歳の男性の正規雇用者を対象に調査を実施しました。
Indeedは「We help people get jobs.」をミッションに掲げ、あらゆる人々が公平に自分に合った仕事が得られる社会の実現を目指しています。今回の調査を通じ、職場における男性特有の困難や障壁の実態や意識を明らかにすることで、職場のジェンダーエクイティについて意識するきっかけとなり、その実現へとつながればと考えています。
※1 内閣府男女共同参画局「令和4年度 性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に関する調査研究」
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/seibetsu_r04/02.pdf
※2 2022年 Indeed「#これでいいのか大調査」
https://jp.indeed.com/press/releases/20230207
※3 スウェーデン王立科学アカデミー「THE PRIZE IN ECONOMIC SCIENCES 2023 POPULAR SCIENCE BACKGROUND」
https://www.nobelprize.org/uploads/2023/10/popular-economicsciencesprize2023.pdf
(1)職場における男性特有の困難(以下、困難)を経験したことがある男性は54.6%。困難を経験したことによって、仕事やキャリア、働き方に影響を受けたことがある男性が79.7%。
全国の20歳〜59歳の男性の正規雇用者2,500人を対象に、直近3年間で働いた全ての職場において、【職場における男性特有の困難】(以下、困難)を経験したかどうかを尋ねたところ、全体の54.6%が「経験したことがある」と答えました。加えて、自身が経験した困難について、全体の39.7%(経験者の72.7%)が「悩んでいる」と答えています。
経験した困難を項目別に見ると、1位「肉体的にハードな仕事をさせられやすい」(40.9%)、2位「残業など長時間労働をさせられやすい/断りづらい」(39.7%)、3位「家庭より、仕事を優先すべきだという空気感を感じる」(37.1%)の順となりました。また、「体調不良でも休みづらい」(37.0%)、「大黒柱として家計を⽀えなければならないというプレッシャーを感じる」(36.9%)などが続き、働き方やキャリア選択に関して男性特有の困難が存在していると考えられます。
困難を経験したことがあると答えた人に、経験した困難によって自身の仕事やキャリア、働き方に影響を受けたかを聞くと、79.7%が何らかの「影響を受けたことがある」と答えました。
困難を経験したことによって自身の仕事やキャリア、働き方に具体的にどのような影響があったかについて聞くと、最も多かったのは「プライベート(家庭・家族は含まず)を犠牲にしている/したことがある」(47.1%)でした。他の具体的な影響では、「体もしくは心の調子を崩している/崩したことがある」(39.0%)、「家庭参加(家事、育児、介護など)を犠牲にしている/したことがある」(34.7%)、「希望する休暇を取得できない/できなかった」(31.9%)が上位に挙がりました。
男性であるがゆえに自身が職場で直面した困難と働き方への影響に関して自由記述式で尋ねたところ、以下のような声がありました。
また、男性であるがゆえの困難や差別、障壁を感じた言葉や発言についても同様に尋ねたところ、男性が直面するアンコンシャス・バイアスに関するものなど、さまざまな声が挙がりました。
(2)他者が体験した困難を職場で見聞きしたことがある男性は46.8%。そのうち90.7%が何かしら「変わってほしい/変えるべきだと思う」ものがあり、80.9%が何かしら「会社や職場で問題として認識されていないと思う」ものがあると回答。
直近3年間で働いた全ての職場での出来事として、職場の同僚などの他者が体験した困難を見聞きしたことがあるかを尋ねると、46.8%が「見聞きしたことがある」と答えました。こうした困難は当事者の経験として潜在的に存在しているだけではなく、職場における課題として表面化している傾向があると考えられます。
見聞きした、他者が体験した困難を項目ごとに見ると、1位「男性であるがゆえ残業など長時間労働をさせられやすい/断りづらい」(35.2%)、2位「男性であるがゆえ肉体的にハードな仕事をさせられやすい」(35.0%)、3位「男性であるがゆえ体調不良でも休みづらい」(34.3%)の順となりました。経験と同様に見聞きした困難についても、働き方に関する項目が上位となりました。
また、見聞きした、他者が体験した困難のうち、「変わってほしい/変えるべきだと思う」ものを尋ねました。見聞きしたことのある人のうち、少なくともひとつ以上の困難について「変わってほしい/変えるべきだと思う」と回答した人は、90.7%に上りました。
「変わってほしい/変えるべきだと思う」人の割合が最も高かったのは「男性であるがゆえ残業など長時間労働をさせられやすい/断りづらい」(71.8%)、次いで「男性であるがゆえ体調不良でも休みづらい」(69.8%)、「男性は長時間労働をした方が評価されやすいので、せざるを得ない」(68.7%)でした。
さらに、見聞きした、他者が体験した困難のうち、「会社や職場で問題として認識されていないと思う」ものを尋ねました。見聞きしたことのある人のうち、少なくともひとつ以上の困難について「会社や職場で問題として認識されていないと思う」と回答した人は80.9%でした。
「会社や職場で問題として認識されていないと思う」人の割合が最も高かったのは「男性であるがゆえ体調不良でも休みづらい」(47.1%)、次いで「男性は長時間労働をした方が評価されやすいので、せざるを得ない」(45.6%)、「男性であるがゆえ転勤や異動(配置換え)の打診を受けやすい」(44.6%)となりました。
職場で表面化している困難について、「変えるべきだ」と考えられている一方で、それが職場で問題として認識されていない現状が明らかになりました。
(3)経験または見聞きした困難に対し、55.4%が「誰にも相談しなかった/何もしなかった」。理由は1位「人に相談しづらい」(30.6%)、2位「波風を立てたくない」(30.2%)。
困難を経験した、もしくは見聞きしたことがある人に、そのときに何らかの行動を起こしたかを尋ねたところ、半数以上が「誰にも相談しなかった/何もしなかった(自分の心の中に留めた)」(55.4%)と答えています。多かった行動は、「同僚に相談した」(15.8%)、「上司に相談した」(11.5%)でした。
「誰にも相談しなかった/何もしなかった(自分の心の中に留めた)」と答えた人に、行動しない理由を尋ねると、「人に相談しづらいと思ったから」(30.6%)、「波風を立てたくなかったから」(30.2%)、「逆に批判されそうだと思ったから」(16.1%)、「(自分が行動を起こしても)どうせ何も変わらないと思ったから」(15.9%)などが上位に挙げられました。
職場での周囲の反応や自分への評価を気にして、困難を経験しても半数以上が誰にも相談しないまま、自分の心の中に留めている傾向が明らかとなりました。
(4)困難を解消するために職場に求めることは1位「長時間労働の是正」(33.4%)、2位「ワークライフバランスの推進」(32.0%)
困難を経験し悩んだことがある、もしくは見聞きして「変わってほしい/変わるべきだと思う」と答えた人に、その困難を解消するために企業や職場にどのようなことを求めるかを尋ねました。その結果「長時間労働の是正、残業の削減に向けた労務時間の適正管理」(33.4%)が最も多く、次いで「ワークライフバランスの推進(仕事とプライベートや家庭とのバランスがとりやすい制度や仕組みづくり)」(32.0%)、「性別による決めつけや役割分担の押し付けを解消する取り組み」(29.3%)、「長時間労働に依存しない評価制度や給与体系の見直し」(29.1%)という結果でした。
企業が長時間労働の見直しや柔軟な働き方を取り入れること、また性別による決めつけや役割分担をなくし、男女ともに公平に活躍できる職場づくりに取り組むことが求められていると言えます。
国際男性デー「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」調査概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:本調査=全国の20歳〜59歳の男性正規雇用者(在就業中の正社員、会社経営者、公務員、団体職員を含む)2,500人(総務省の労働力調査結果における「正規の職員・従業員」の年代別の人口構成比に合わせて割り付け)
- 調査期間:2023年10月20日(金)〜10月23日(月)
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※本調査は「男性」「女性」と性自認している方を対象として調査を行っていますが、Indeedはあらゆる人の仕事探しをサポートしており、異なる性自認の方がいることも認識するとともに、同じようにサポートを行っていきたいと考えています。
Indeed(インディード)について
Indeedは、最も多くの人が仕事を見つけている世界No.1求人検索エンジン*です。現在60カ国以上、28の言語でサービスを展開し、求職者は何百万もの求人情報を検索することができます。約350万の企業がIndeedを利用して従業員を見つけ、採用しています。また、月間3.5億人以上のユニークビジター**が、Indeedで求人検索や履歴書の登録、企業の情報検索を行っています。詳細は https://jp.indeed.comをご覧ください。
*出典:Comscore 2023年6月総訪問数 **出典:Indeed 社内データ 2023年4〜7月
【プレスリリース「11/19の国際男性デーを前に、Indeedが「職場における男性特有の困難や障壁に関する調査」を実施。働く男性の54.6%が職場における“男性であるがゆえの困難”を経験。そのうち79.7%の男性が、困難によって働き方やキャリアに影響を受けたことがある」(PDFより)|Indeed Japan株式会社・2023年11月16日】
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