失敗しない人材採用
採用担当者が知っておくべき、失敗しない「求める人物像」の作り方
2015.06.24

あなたの会社では、欲しい人材像を「なんとなく」イメージし、「とりあえず」ナビで募集をかけ、「なんとなく」面接の受け答えが好印象の人材を採用したら、「何か」が違っていた――。
そんな採用を行ってはいないだろうか。「失敗しない人材採用」において必要なことは何か。リクルート出身で、現在は採用コンサルティングを行う長谷真吾氏に、その条件を聞いた。
「人材要件」のポイントは3つ
「採用活動では、欲しい人材像のイメージ自体がそもそも間違っている企業は多いです。『優秀な学生』といった漠然としたイメージでは、意味がありません。採用活動において、もっとも重要なことは『人材要件』の定義です」と長谷氏は話す。
「人材要件」とは、自社において“どのような人材が必要”か、“どのような人材が活躍できるか”を可視化したもの。長谷氏が提案する人材要件のポイントは極めてシンプルだ。
- 【1】会社の顧客は誰か
- 【2】その顧客は、なぜあなたの会社のサービス・商品を選ぶのか
- 【3】どんな人材が、実際に活躍しているのか
この3点のみである。
例えば、銀行のケースで見てみよう。
【1】メインとなる「顧客」は、中小企業の経営者だ。
【2】「晴れの日に傘を貸し、雨の日には取り上げる」と言われる銀行である。金利や細かい規制が法令で定められており、他社との大きな差別化は図りづらい。顧客がその銀行のサービスを利用する理由とは、営業の人柄によるところが大きい。
そして、【3】そこで活躍する営業とは、どのような人材だろうか。
「銀行のビジネスは、大げさに言えば9割9分が矛盾の世界です。この世界で活躍できる人材というのは、ストレス対処能力が強く、中小企業の経営者の話をじっくり聞き、ときにはひたすら頭を下げて人間関係を構築ができる人です。社内政治がうまい人、事務仕事にミスがなく、相手の心を読むのがうまい人です」。
語弊を恐れずに言えば、変革を望む人、白黒をはっきりさせたい人、社会貢献を第一に考える人は「合わない」ということだ。
ディリゴの長谷真吾氏
長谷氏が採用コンサルティングを行うときも、まずこの人材要件の定義から行う。欲しい人材像のイメージを徹底的にヒアリングし、実際にその企業で活躍している優秀な社員にインタビューを行うという。
もし、あなたが採用担当として、人材要件の定義に悩むことがあれば、実際に活躍している社員にインタビューを行ってみるといい。仕事への取り組み姿勢や業務の進め方などを聞いてみると、おのずと見えてくるポイントがあるはずだ。
職種で一括りにはできない「人材定義」
客観的には同じような職種でも、その人材要件がまったく違うこともある。例えば、同じ「研究職」でも「基礎研究」と「応用研究」とでは、その人材要件は変わってくる。ひたすら同じ条件下で実験を繰り返し、物事の仕組みや構造を解析するのが「基礎研究」。そこで発見された新理論や新技術の応用を考えるのが「応用研究」だ。
応用研究には絶対必要な「柔軟性の高さ」は、「基礎研究」の仕事では、求められないどころか、むしろマイナス要因となってしまう。
他にも、「個人プレーが求められるのか」「会社の看板のもと、チームプレイを求められるのか」なども目安になる。言い換えれば、「数百万~数千万の金額を一人で責任を持って動かすのか」「数億~数百億のプロジェクトの一員となるのか」。それによっても人材要件は変わってくるだろう。
人材要件を間違えてしまえば、訪れるのは若年層の“3年以内の離職”だ。「求人広告でどのようなキャッチコピーを打ち出すか。面接でどんな質問を行うか。内定を誰に出すか。迷ったときには、人材要件に立ち戻れば、おのずと答えは出るはずです」。
一流大学の学生がベンチャー企業へ就職するのも、当たり前となった時代。それは、学生がより「自分がやりたいことができる企業」を純粋に選んでいるからだ。
雇い入れる企業側でいえば、学生の出身大学よりも、自社の「人材要件」に合っているか否かで判断する方が、よっぽど理にかなう採用ができるだろう。
- 長谷真吾さんの紹介
- 1965年生まれ。株式会社ディリゴ代表取締役。1989年リクルート事件直後にリクルート入社、人材開発部にて5年間で1000人以上の新卒採用を行った。95年独立。数々の有名大手企業をクライアントに持ち、「EI理論」をベースにした人材採用、教育、配属、評価、メンタルヘルス対策などのコンサルティングを行う。
執筆者紹介

玉寄麻衣(たまよせ・まい) 1979年生まれ。立命館大学政策科学部卒業。外資系大手人材派遣・人材紹介会社で、営業として主に中小企業の人材採用をサポート。その後フリーランスのライターとなり、人材採用、人材育成、大学教育、広報・PR、企業経営等に関する取材・執筆を行う。
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