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コラム

LIG編集長・朽木氏に聞く


LIGブログ編集長が語る、「仕事」に対する過去のカン違いとは?

2015.06.19

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インターネット上で数々の人気コンテンツを量産しているLIGブログ。その編集長である朽木誠一郎氏は、某大学の医学部を卒業後、医学の道に進むことなく2014年に新卒でLIGに入社した。同年9月にLIGブログ編集長に就任後は、媒体の運営だけではなく、多くのセミナーに登壇したり、Yahoo!ニュース 個人に寄稿したりするなど、目覚ましい活躍を見せている。

そんな彼でも、LIG入社時には様々なギャップを感じたという。そのギャップを抱えつつも仕事を着実にこなし、今では編集長として事業全体に責任を持つ立場となった。視点を高めるきっかけとなったのは、朽木氏自身の仕事に対する「カン違い」があったという。果たして、そのカン違いとはどういうものだったのか?以下、朽木氏の寄稿文を掲載する。

自分のがんばりが評価されていないと感じた「初めての人事考課」

初めての人事考課で提示された額面を見て何かの間違いではないかと思った。編集とライティングの業務はミスなくこなしていたし、メディア全体のクオリティー向上に貢献しているつもりでいた。
毎日遅くまで、当時は土日も仕事か仕事につながる作業をしていたので、実際の稼働時間をもとに時給に換算するとそれは低かった。がんばっているのに報われないと思った。

事業の収支に責任を持つ立場になってようやく、それがカン違いだとわかった。自分に支払われる給料は会社がどこかから持ってきてくれるものだと思っていたのがその原因だ。
もちろん事業や会社全体の規模にもよるのだろうけれど、自分の給料を上げたいのであれば自分がそれだけの利益を上げればいい。利益を上げていないのに給料を上げるのは現実問題として難しい。

与えられた仕事だけをするのと、自分の仕事に誇りを持つのは似ているようで違う。
僕は当時、ディレクションはディレクターが、営業はセールスがやればいいと思っていた。僕は編集者なので編集を、ライターなのでライティングをするが、それしかできないのではメディアという機械の歯車のひとつでしかない。歯車が評価されるには機械全体が大きくなるのを待たなくてはいけない。

構造上の問題とはよく言ったものと思うが、歯車がただ回るだけでは機械そのものは大きくなりようがない。機械を大きくするのは歯車ではなくいつだってヒトの仕業だ。
そう気づいたのは編集長としてメディアに裁量を持ったのがきっかけだ。営業、企画、提案などが新しく僕の仕事になり、事業の全体像が見えてくると、ビジネスというものがほんの少しだけではあるがわかるようになった。

今の編集長業務に活きる、駆け出しの頃の「徹底的な認識合わせ」

最初に付いた上司でビジネスパーソンの人生が決まるとよく聞く。僕がマーケティングや広報戦略の担当として動き回れるようになったのは間違いなく僕に最初に付いた、初めての人事考課を担当した上司のおかげだ。今でこそチームには10人以上の専任の編集者とライターがいるが、当時のLIG編集部の事業規模ではその余裕はなかった。その上司に、「編集長になる前に、営業と企画と提案をしろ」と言われた。

新卒だった僕はビジネスのことがなにもわからなかった。社外のメールは「お世話になっております」ではじめ、社内のメールは「お疲れ様です」ではじめることも後で知った。
僕はLIG編集部から営業と企画と提案をするチームに転属されることになったが、その上司は仕事の手順を教えてくれなかった。当時は不満だったけれど、徹底的な認識合わせをさせられたことは、今となっては感謝の気持ちでいっぱいだ。

課題に対して、どのような結果を想定し、アプローチをするのかをまずは自分で考え出して、上司に相談する。それについてのフィードバックを持ち帰り、認識が一致しなければ再度相談し、一致していれば実行する。結果はまた上司に報告し、フィードバックされる。この繰り返しはPDCAサイクルを回すことであり、今思うと手とり足とり仕事を教わるよりも役に立っている。
転属先でひと通りの経験をさせてもらい、晴れて僕は編集長になった。

報われていないと感じたら、自分の市場価値を把握してみる

人事考課をする立場になってかつての僕の思い上がりをはずかしく思う。
報われていないというのはある意味では自分がもっと評価されてしかるべきという思いだ。単純に言えば、給料を倍にしたいのであれば自分が上げている利益を何倍かにすればいい。
リソースやポジションなどの問題でそれができないと言うとすればそれは思考の停止だ。機械の構造は組み換えがきくし、それをするのが歯車から抜け出すということだろう。

部下に恵まれた今、当時の自分の不出来さを思い返しては苦笑いをすると共に、あの初めての人事考課が僕にとっては大きな分岐点になったと思う。同時に、報われていないと思ったときは自分の正当な評価というのを把握するようにアドバイスしたい。
あなたが出している利益はどれくらいか、その何割があなたに還元されているのか。市場価値を知るにはエージェントと一度話してみるのもいいだろう。

あとは給料以外のメリットについても検討する。あなたは所属する組織のブランドの恩恵を享受していないか、フリーランスになりたいなら福利厚生も天秤にかけないといけない。そうしたすべてを踏まえた上でそれでもなお不満が残るのであれば、辞めるという選択もある。辞める選択まで提示するのは上司としてなかなかしんどいのだけれど。
とにかく、僕は上司のおかげで今があるのであり、今でもその上司に感謝している。

明日、組織が解散になっても生きていける力を

さて、僕が誰かの上司になった今、しばしば「明日解散になっても生きていける力をつけろ」と口にする。これは歯車から抜け出すことと同じ意味で使うお気に入りのスローガンだ。
いつまでも僕が編集長でいるのは、後進の育成という意味では望ましくない。同時に、僕自身もまた利益を上げて組織に貢献しながら、内外からの自分の正当な評価というのを高めて、これからもずっと世の中に新しい「機械」を生み出すヒトでありたい。

執筆者紹介

朽木誠一郎(くちき・せいいちろう)(編集者/ライター) メディアコンサルタント。大学時代にフリーライターとしてキャリアをスタートし、卒業後はメディア事業をおこなう企業に新卒入社。オウンドメディアの編集長として企画・編集・執筆を担当したのち退社。現在はYahoo!ニュース個人などで執筆、PAKUTASOのフリー素材モデルとしても活動している。

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