25卒採用トレンド、動向まとめ
【25年卒採用】企業規模に関わらず企業側は高い採用意欲が継続。「採用3.0」のトレンド到来、AIを活用した採用手法が浸透するか
2024.01.22
昨年末、2025年卒の採用トレンドや動向を探るセミナーが多く開催された。テーマごとに概要を整理して紹介する。
25年卒の採用動向
企業の25年卒の採用見通しを見ていく。人と組織に関する研究機関 ・ リクルートワークス研究所の発表によると、高校生、大学生・大学院生いずれの新卒採用においても企業側が高い採用意欲を見せていることが分かった。
25年卒者の新卒採用見通し(大学生・大学院生)
25年卒の大学生・大学院生を対象とした新卒採用見通しは、前年に続き「増える」が「減る」を上回り、従業員規模別・業種別いずれも全体的に採用意欲が高い状況が明らかになった。また、高校生の新卒採用においても、「増える」が「減る」を上回っている。
汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ3)の実施状況(大学生・大学院生)
汎用的能力・専門活用型インターンシップ(タイプ3)とは
2022年6月、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省合意)が改正され、インターンシップをはじめとするキャリア形成支援にかかわる取り組みが4つに類型化された。
そのうち、タイプ3とタイプ4が「インターンシップ」に分類され、それぞれ「汎用的能力・専門活用形インターンシップ」「高度専門型インターンシップ」と称されている。
▼キャリア形成支援に係る取り組みの4類型
調査結果によると、全体では3割弱の企業がタイプ3インターンシップを実施済・実施予定であり、そのうち大手企業では学生の理解促進を、中小企業では専門人材へのアプローチを目的にしていることが分かった。
詳細はこちら>>>引き続き高い採用意欲。新しいインターンシップ制度の実施はこれから本格化か
25年卒の新たな採用トレンド
Thinkingsは、テクノロジーの進化による採用環境の変化や「採用でのAI活用」に関するアンケート結果を基に「2025年卒採用トレンド予測」を発表し、採用環境の変遷と25年卒採用のトレンドキーワード「採用3.0」についてCHRO佐藤邦彦氏が解説した。
採用環境の変遷
自身も1990年代後半に就職活動をしたという佐藤氏は、情報発信が紙媒体からインターネットへと移り変わり始めたこの頃、自社のホームページを持っている企業と持っていない企業が混在し、求職者側も求人誌と口コミサイトの両方を使いながら就職活動に励んでいたと振り返った。
その後、約10年ごとに採用環境が大きく変化していく。2010年頃からスマートフォンが急速に普及し、採用活動・就職活動のチャネルや情報量が増加。スピードも向上した。そして現在、2023年から2024年にかけて、もう一度大きな変革が起こるのではないかというのがThinkingsの見立てだ。要因はAIの台頭である。佐藤氏は、この変化を「採用1.0」「採用2.0」「採用3.0」に区分し、より具体的に説明した。
AI活用の広がり:採用3.0
新型コロナウイルスによって一気にオンライン化が進んだことが後押しとなり、同時にOpenAIの「ChatGPT」をはじめとしてテクノロジーの進化も相まって、社会のさまざまな場面でAIが活用されるように。
採用活動・就職活動においても同様で、すでにAI活用の先進事例も集まっている。この流れは今後も加速することは間違いなく、再び採用環境に大きな変革が起こることが予見される。Thinkingsはこれを「採用3.0」と位置付け、2025年卒採用のトレンドキーワードとして掲げた。
佐藤氏は関連アンケートの結果も用いながら、「AIを活用すれば書類選考にかけるリソースを大きく削減でき、担当者の体力的・精神的負担軽減にもつながるためトータルの生産性が向上する」と強調した。
詳細はこちら>>>新たなトレンドは「採用3.0」。AI活用が欠かせない時代に
25年卒の志向
「マイナビ 2025年卒 大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(11月)」の調査結果によると、新卒で入社する会社で何年働きたいかという問いに対して「定年まで」同じ会社で働きたいと回答した学生は20.1%に上り、「1〜3年ぐらい」での勤務を希望する学生は3.9%にとどまったことから、25年卒は長期的なキャリアビジョンを描いている様子が見受けられた。
社会人になったら「同じ会社で、ある仕事を軸にして、類似した仕事に領域を広げながら働いていきたい」が最多の21.6%
40代くらいまでのキャリアを想定して、社会人になったらどのように働きたいかについて聞いたところ、「同じ会社で、ある仕事を軸にして、類似した仕事に領域を広げながら働いていきたい」が21.6%となり最多だった。
理由として、「自分の知識や経験を積み重ねて、それらの蓄積を難しい仕事、規模が大きい仕事に活かしたいが、それは慣れた環境下のほうが実現しやすい」「可能な限り同じ企業で働き続けたいと考えているので、ある程度ポジションや業務内容を変えながらジェネラリストになることを視野に入れている」という意見が挙がった。
▼社会人になったらどのように働いていきたいか(40代くらいまでのキャリアとして)
11月のインターンシップ・仕事体験の参加割合は前年比3.2pt増の56.9%
また、25年卒学生の11月単月(2023年)のインターンシップ・仕事体験の参加割合は前年比3.2pt増の56.9%、累計参加割合は前年比4.8pt増の87.6%となり、いずれも前年を上回っていることも分かった。
▼【これまでに(累計で)】インターンシップ・仕事体験に参加したことがある割合の推移
詳細はこちら>>>就活前の学生の長期就業意欲が明らかに。5人に1人が新卒入社する会社で「定年まで」勤務を望み、短期離職希望は3.9%にとどまる
25年卒IT人材系の志向
paizaの「就職活動実態調査(25卒版)」によると、24年卒は大手志向が強かったのに対して、25年卒は大手企業に固執せず、自分に合っているかどうかも同等に重視しており、多くの企業にエントリーして比較検討する傾向が見られた。なお、調査対象者の約70%がITエンジニアを志望している。
就職活動の進め方の傾向
調査結果によると、大手企業にこだわらず、自分に合いそうな企業を数多く受けて比較検討したいと考える学生が2024年卒よりも増加している。実際に、「志望する企業の形態」に関する質問では大手志向が減り(14.3ポイント減)、自分に合っていれば企業の形態はこだわらない学生が増加(10.1ポイント増)。
加えて「就職活動の進め方」については、軸を決めて企業数を絞って応募する学生が減少(16.1ポイント減)し、とりあえず数多く応募する(11.9ポイント増)が24卒より10%以上も増加した。
志望企業の選定ポイント
志望企業を選ぶ上で企業に求めることや選定ポイントについての問いでは、例年同様「給料が良い」がトップ。また、同率で「福利厚生が充実している」もトップ入りし、安定を求める25卒の価値観が垣間見られた。
次いで30.1%の学生が「社風」を企業選定ポイントとして挙げており、働く環境や社風に関わってくる企業の価値観、考え方にも興味を持っていることが考えられる。ほかにも、ITエンジニアを目指す学生にとっては、「技術力がある」(20.3%)「先進的な技術にチャレンジできる」(15.4%)など、自身のキャリアアップが実現できる環境かどうかも重要なポイントであることが分かった。
詳細はこちら>>>25卒の志望動向は大手志向と自分に合う企業がほぼ同等に。企業選びでは給料の良さと福利厚生の充実を求める
採用環境の把握と求職者への効果的なアプローチを
採用環境の急速な変化によって採用担当者の業務負担は日々増すばかりだ。トレンドや動向を知らず、従来の考えや手法で採用活動を続けていると、求める成果が得られなくなりつつある。
採用競争で勝ち抜くためには、採用担当者が本来注力すべき採用戦略や計画の立案、面接・選考、内定者フォローといったコア業務にどれだけ時間を割けるかが鍵となる。こうした時間を確保するため、さまざまな採用支援サービスの中から自社にマッチするものを選び、効果的に活用するのも手だろう。
ダイレクトリクルーティング完全ガイド
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