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「STEM領域における女性エンジニアの転職動向調査」株式会社リクルート


女性エンジニア転職者数が過去10年で6.38倍に増加し、男性の2.94倍を上回る

2023.09.29

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リクルート(東京・千代田)は9月26日、STEM領域*における女性エンジニアの転職動向について、転職支援サービス『リクルートエージェント』のデータを分析しまとめた結果を発表した。

調査結果によると、過去10年間で女性エンジニアの転職者数は6.38倍に増加し、男性の2.94倍を大きく上回った。また、電気、機械、化学の分野における女性エンジニアの転職者数が7.61倍に増加しており、環境への配慮やサステナビリティの重要性が高まり、化学分野への需要が増加していることが一因とされている。以下、リリースより。

*STEMはScience、Technology、Engineering 、Mathematicsの略。ここでは具体的に電気、機械、化学、ITを示す)

トピックス

1.STEM領域への女性の転職者数はこの約10年で6.38倍と増加。男性の2.94倍と比べても大きく増加している。

STEM領域へのエンジニア職転職者数推移(男性と女性の比較)|株式会社リクルート

2.女性転職者数の増加の背景には、
・ダイバーシティ経営*の加速により、女性活躍に力を入れる企業が増えた

*「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」
・労働市場の構造的な人材不足により企業が、新しいターゲットに間口を広げたことで、女性がより自分に合った企業に転職しやすくなったことなどがあると考えられる。
また、製造業に多く就業する電気・機械・化学の女性エンジニアの転職者数が7.61倍となっており、全業種やSTEM領域エンジニア全体と比較しても、増加の幅が大きい。その背景には、「サステナビリティ」「GX」というビジネス上でも自然環境に配慮した動きを求める機運が高まるとともに、STEM領域でも女性の就学が多い傾向にある化学分野へのニーズが高まっており、企業が転職意向を高めるために働き方などの工夫をしていることなどが考えられる。

調査結果詳細STEM領域における女性エンジニアの転職動向と働き続けるためのポイント『リクルートエージェント』データ分析

解説:リクルート HR統括編集長 藤井 薫

リクルート HR統括編集長 藤井 薫さん|株式会社リクルート

【社会背景】ダイバーシティ経営の機運が高まる中で、政府は東証プライム市場に上場する企業を対象に女性役員の比率を2030年までに30%以上にする目標を設けるなど、より女性が活躍できる環境づくりを進めようとしています。STEM領域についても例外ではありませんが、日本は国際的に見て、STEM領域の女性比率が低いのが現状です。

【転職動向】そのような中で、『リクルートエージェント』の転職者数の推移データを見ると、女性エンジニアの転職がこの約10年で6.38倍に増えていることが分かりました。その背景には、人材不足や、女性の就学が多い傾向にある化学分野へのニーズの高まりなど社会の変化があります。加えて、多様性を大事にしている企業が、働き方やキャリア選択といったさまざまな面で、働く個人が思い描く生き方・働き方に寄り添うことを努力している姿も見えています。

【展望】女性エンジニアを増やしていくためには、女性一人ひとりが「学びたい」「働きたい」「働き続けたい(活躍したい)」という思いを持てるような社会や企業、育成環境の整備が求められます。「女性は理系に向かない・苦手」という思い込みで選択肢を狭めないよう、社会的な障壁や固定観念を脱し、複線的なキャリアのイメージができるような「ロールモデル」を創出することが必要です。
学ぶの原義は、真似び。「あんなライフキャリアを真似てみたい」といった多様なロールの可視化こそが、「学び・働き・働き続けたい」といった内発的動機を触発します。マネジャー、エキスパート、クラフトマン、プロジェクトリーダー、ストーリーテラー、アドバイザー……。管理職だけでない多様なロールモデルを示す。ライフステージごとに、仕事と暮らしの共振点をリデザインして活躍している先輩実例を示す。そうしたイキイキと働く女性エンジニアのライフキャリアの解像度を上げることで、これから就学や就職を志す学生や転職を志す女性の皆さんの選択肢が広がり、希望につながるのではないでしょうか。

データ分析:STEM領域のエンジニア職の求人件数推移(年度別)

STEM領域のエンジニア職の求人件数は、この約10年で10.47倍と増加傾向にある。特に、SEなどのITエンジニアについては11.84倍と全職種の求人件数よりも増加の幅が大きい。

STEM領域のエンジニア職の求人件数推移|株式会社リクルート

データ分析:STEM領域へのエンジニア職転職者数の推移(年度別)

STEM領域への転職者数の推移を年度別に見ると、女性はこの約10年で6.38倍と増加している。男性の2.94倍と比べても大きく増加していることが分かる。背景には、ダイバーシティ経営の加速や労働市場の構造的な人材不足により新しいターゲットに間口を広げたことなどが挙げられる。

STEM領域へのエンジニア職転職者数推移(男性と女声の比較)|株式会社リクルート

女性エンジニアを職種別に見ると、製造業に多く就業する電気・機械・化学エンジニアの転職者数が7.61倍となっており、全業種やSTEM領域エンジニア全体と比較しても、増加の幅が大きい。「サステナビリティ」「SDGs」「GX」というビジネス上でも自然環境に配慮した動きを求める機運が高まっており、STEM領域でも女性の就学が多い傾向にある化学分野へのニーズが高まっていることも背景にあると考えられる。

STEM領域における女性エンジニア転職者数推移|株式会社リクルート

転職支援の現場の情報から考える女性エンジニアが働き続けるためのポイント

女性エンジニアが転職先として、希望している企業の傾向を見てみた。企業や業界の将来性、自らが手掛けたい技術、製品がある、といった観点とともに、働き方については以下のような観点が挙げられた。

●電気・機械・化学エンジニア

  • ロールモデルを育成している
  • リモートワークやフレックス制などの環境をできる範囲からつくっている
    製造業の場合、工場のような現場にて仕事をすることが不可避ではあるが、品質保証や管理といった部署でリモートワークを始めるなど、働き続けやすい環境をつくろうと工夫をしている。
  • 転勤や管理職登用の際には、本人の意思確認をするなど、個人の意思に寄り添いつつ、柔軟な案件任用をしている

●ITエンジニア

  • 多くの方がリモートワークなど働きやすい環境にある
  • ライフステージによって、常駐の案件を控えるなど、柔軟な案件任用をしている
  • 管理職になるのではなく、エンジニアとしてのプロフェッショナル職など、複線的なキャリアイメージを用意している

コラム:STEM領域を「学びたい」と考える女子中高生を増やしていくために

女性エンジニアが活躍しやすい機会が広がってきている中で、STEM領域を「学びたい」と思う女子中高生が増えていくことが、今後の日本にとって重要なアジェンダの一つとなっています。

■『リクルート進学総研』所長 小林 浩 
女子高校生の理工系学部への進学を語る時には、「女性」「女子学生」といった紋切り型の議論で終始することが多い印象です。しかし、学生の声を聞いてみると、女性のキャリアが多様化する中で、大切なのは「私がどうなれるか」。どのようなサポートがあるのか、ロールモデルはあるか。大学については、就職率の数値ではなく、一人ひとりがどんなサポートを受けられるのかに関心を持っていると思います。
企業でも同じです。結婚や子育て、介護、転勤といったさまざまなライフステージの変化があった時に、どのような支援ができるのかを明示することが重要でしょう。

■リクルート 人事 DEI推進室 DEI推進部 統括グループ 正木 理恵
リクルートは東京大学「メタバース工学部」のプラチナ法人会員として、リクルートが事業展開する人材・学び領域における知見やIT・情報発信におけるノウハウを活かし、「メタバース工学部」の取り組みや工学分野の魅力、女性の工学キャリアの啓発につながる情報発信・コミュニケーション支援を行っています。
取り組みの一つとして、私は工学部出身者の立場から、工学部に進学したきっかけや、大学での学びがどのように仕事で活きているのかなどをお話ししています。理系・工学の魅力を知ってもらい、STEM領域に興味を持ってもらいたいと考えています。一回に約400~500人参加する女子中高生向けイベントで複数回、講演をさせていただいております。
活動の中で感じるのは、学生は「得意・苦手な科目」や「文理」で進路を捉える傾向にあるということです。将来やりたい仕事や学びたいことから考えるのは大事だと思っていますが、まだ明確に想像ができず、入試科目から考えざるを得ない場合もあると思います。その場合は、「自分の興味関心といった好奇心から考えてみるのはどうですか」とアドバイスをしています。自分の「好き」「気になる」「やってみたい」という好奇心を膨らませていくために、学校の外の視点での支援も大切だと考えます。

データ分析担当:リクルート HR横断リサーチ推進部 研究員 菊池 満帆

データ分析担当:リクルート HR横断リサーチ推進部 研究員 菊池 満帆さん|株式会社リクルート

新卒でパナソニック株式会社に入社し、機構設計エンジニアとして特に熱設計および CAE を用いた熱シミュレーション業務に従事。その後株式会社リクルートキャリア(現:株式会社リクルート)に入社し、ハイキャリア・グローバル・コンサルティング部に配属。営業およびコンサルタントとして、ハイキャリア領域の製造業分野の企業および求職者の支援に従事。現在は中途、新卒、アルバイト・パート領域等 HR 全般の市場調査やデータ分析を担当。

 

リクルートグループについて

1960年の創業以来、リクルートグループは、就職・結婚・進学・住宅・自動車・旅行・飲食・美容などの領域において、一人ひとりのライフスタイルに応じたより最適な選択肢を提供してきました。現在、HRテクノロジー、マッチング&ソリューション、人材派遣の3事業を軸に、60を超える国・地域で事業を展開しています。リクルートグループは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、一人ひとりが輝く豊かな世界の実現に向けて、より多くの『まだ、ここにない、出会い。』を提供していきます。
詳しくはこちらをご覧ください。
リクルートグループ:https://recruit-holdings.com/ja/
リクルート:https://www.recruit.co.jp/

本件の詳細をこちらより御覧ください
STEM領域における女性エンジニアの転職動向と働き続けるためのポイント『リクルートエージェント』データ分析(2MB)

【プレスリリース「STEM領域における女性エンジニアの転職動向と働き続けるためのポイント『リクルートエージェント』データ分析」より|2023年9月26日・株式会社リクルート】

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