パーソル総合研究所調べ
【働き方改革の裏側】働き方改革が進む企業ほど中間管理職の業務量増加が課題に
2019.10.04

人事の約4分の1は中間管理職の支援を行わず。管理職が抱える課題の認識にも食い違い
総合人材サービス、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームであるパーソル総合研究所(東京・港)は、10月3日に「中間管理職の就業負担に関する定量調査」の結果を発表した。
調査から、働き方改革が進んでいる企業ほど中間管理職の負担が増えていることや、そうした状況にある中間管理職への支援を人事の約4分の1が「特に行っていない」と回答したことが明らかになった。以下、リリースより。
1.働き方改革で業務量が増す中間管理職
昨年2018年から働き方改革が進んでいる企業群と進んでいない企業群を比較すると、働き方改革が進んでいる企業群の方が中間管理職の負担感は増している。働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%(進んでいない企業群では48.2%。全企業の平均52.5%)。
また、働き方改革が進んでいる企業群では組織の業務量の増加は69.0%(進んでいない企業群では36.3%)、人手不足は65.7%(同44.2%)、時間不足から付加価値を生む業務に着手できないは56.9%(同42.3%)となった。
2.中間管理職と人事の認識の食い違い
「中間管理職が抱える業務上の課題」について、中間管理職本人と人事の認識には食い違いがあることが明らかとなった。
中間管理職本人が課題と感じている割合が高かったのは、1位=人手不足(57.5%)、2位=後任者不足(56.2%)、3位=自身の業務量の増加(52.5%)。
一方、中間管理職が抱えている課題だと人事が考える割合が高かったのは、1位=働き方改革への対応の増加(52.0%)、2位=ハラスメントの対応の増加(42.7%)、3位=コンプライアンスの対応の増加(38.7%)。中間管理職本人は、人材や時間の不足を感じているが、人事の意識は法やリスクへの対応に偏っている。
⇒中間管理職への支援について、人事の約4分の1(24.0%)が「特に行っていない」。
3.負担が高いと様々な問題も抱えやすい
中間管理職を負担感の高さに応じて「高群」「中群」「低群」に分けると、「高群」では様々な問題を高い割合で抱えている。
高群は「残業が増えた」が47.7%(低群は40.2%)、「仕事の意欲が低下した」が23.8%(同18.6%)、「転職したい」が27.0%(同20.0%)、「学びの時間が確保できていない」が63.0%(同41.1%)、「時間不足から付加価値を生む業務に着手できない」が64.7%(同38.7%)。
分析コメント
ポイント① 働き方改革による労働時間の削減で、中間管理職に負担がしわ寄せ
ポイント② 労働時間に上限を設けるだけではなく、働き方全般の抜本的改善が求められる
ポイント➂ 人事は中間管理職の業務量や権限を洗い出し、役割にメリハリをつけよ
現在、多くの企業で進んでいる働き方改革には「二重の矮小化」が見られる。本来は働き方というプロセス全般の見直しが必要なのだが、もっぱら「労働時間の削減」が目的になり、さらにそれが「非管理職」の労働時間の削減へと矮小化されている。業務量やプロセスに手を付けず、単に労働時間に上限を設けることが主流の現在の働き方改革では、逆に中間管理職の業務量の負担が増してしまうことが調査データから示唆されている。
そうした職場では、労働時間が制約されて人手不足感に拍車がかかっており、付加価値を生むことも困難になっている。「管理職のなり手がいない」ともよく聞かれるが、そうした後任者不足の問題も、負担の高い職場でより顕著だ。働き方改革は、関連法案への「対応」のフェーズから、業務プロセスの効率化や組織風土改革など、より抜本的な改善フェーズに進むことが求められている。
企業・人事としては、まずは中間管理職が抱える人手不足や業務量などの課題を認識すべきだ。その上で、何でも「中間管理職頼み」にすることは避けなければならない。働き方改革・コンプライアンス遵守・ダイバーシティ対応といった近年の課題を、すべて「マネジメント・スキルの問題」として中間管理職に背負わせるのは酷だ。そして、自社の中間管理職が担っている業務の種類や量を洗い出し、役割のシェア、デジタル化での負担軽減、権限移譲などを進め、過剰な負荷を背負わないようにメリハリをつけていくことが必要だろう。【パーソル総合研究所 パーソル総合研究所 主任研究員 小林祐児】
調査概要
調査名称 | パーソル総合研究所 「中間管理職の就業負担に関する定量調査」 |
---|---|
調査内容 | [中間管理職調査]管理職自身の就業実態と負担感、その他意識 [企業調査]自社の中間管理職に対する課題感と支援の実態 |
調査手法 | 調査モニターを用いたインターネット定量調査 |
調査期間 | [企業調査]2019年 2月7日 – 2月8日 [管理職調査]2019年 3月20日 – 3月21日 |
調査対象者 | 記載がない場合は、本報告書は原則として[管理職調査]のデータとなる。 【中間管理職調査】 全国・企業規模50人以上の企業の管理職(第1階層の管理職) n=2000 【企業調査】 全国・企業規模50人以上の企業の人事部に所属する従業員 n=300 ※企業設立年数5年未満を除外 |
実施主体 | 株式会社パーソル総合研究所 |
■【株式会社パーソル総合研究所】<http://rc.persol-group.co.jp/>について
パーソル総合研究所は、パーソルグループのシンクタンク・コンサルティングファームとして、調査・研究、組織人事コンサルティング、タレントマネジメントシステム提供、社員研修などを行っています。経営・人事の課題解決に資するよう、データに基づいた実証的な提言・ソリューションを提供し、人と組織の成長をサポートしています。
■【PERSOL(パーソル)】<https://www.persol-group.co.jp/>について
パーソルは「はたらいて、笑おう。」をブランドスローガンに、2016年7月に誕生した新たなブランドです。パーソルグループは、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様なサービスを展開しています。
また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも取り組んでおり、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、ITイベント情報サイトおよびイベント&コミュニティスペース「TECH PLAY」、オープンイノベーションプラットフォーム「eiicon」、クラウド型モバイルPOSシステム「POS+ (ポスタス)」などのサービスも展開しています。
【ニュースリリース:「パーソル総合研究所、中間管理職の負担の実態を調査で明らかに
働き方改革進む企業で負担増す中間管理職。62.1%が自らの業務量増加と回答」より|2019年10月3日・株式会社パーソル総合研究所】
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