トッパントラベルサービスの海外人事サポート(後編)
グローバル企業の人事が知るべき、最新の海外赴任情勢とリスク回避法
2019.05.31
4月に改正出入国管理法が施行され、外国人の受け入れが拡大しています。一方で海外の情勢は日本と逆行し、アメリカやシンガポールでは外国人の受け入れを制限しつつあります。
それでも、日系企業は国内市場縮小や人件費などの問題から、海外進出を年々増やしています。人事担当者が進出先の情勢やビザの取得事情を理解せずに赴任準備をすると、手続きで混乱し予定通りに着任できないことも。各国のカントリーリスクの最新情報や、人事担当者が海外赴任手続きで注意すべきことを、海外人事サポートを手掛けるトッパントラベルサービス(東京・港)の風間弘将さんに聞きました。【取材:2019年4月9日】
参考:@人事e-book「トラブルを回避し、リスクを軽減する海外赴任の対応ガイド」
風間弘将(かざま・ひろまさ)
トッパントラベルサービス海外人事事業部営業部長、モビリティーコンサルタント。2003年に同社に入社し、業務渡航手配事業、国内外の業務渡航のコンサルティング、航空券販売などの法人営業に携わる。2010年に新規事業「海外人事サポート」を立ち上げ、海外進出・出向の業務手配やコンサルティング、外国人社員受け入れ時のビザコンサル、受け入れ体制のアドバイスを行う。
大企業では3カ国間での人材異動が増加
――日系企業の海外進出の動向を教えてください。
日本の人口減少や高齢化の影響で、日系企業が国内市場だけを頼りに生き残るのは難しくなっています。2017年10月時点で海外進出している日系企業は7万5,531拠点。前年より約5.2%の増加で、2005年以来最多となりました。日系企業の海外進出は着実に増えています。
(出典:外務省「海外在留邦人数調査統計(平成30年要約版)」)
海外進出の理由は、販売拠点や製造拠点の移転、新設などです。特に、中国一極集中のリスクを防ぐ「チャイナ・プラスワン」の動きが加速。中国周辺の新たな進出先として、人件費の安いASEAN後発国(ベトナム、キャンマー、ラオス、カンボジア)が存在感を示すほか、中東への進出も増えています。
また、外国人受け入れにも関わる話題として、人材のダイバーシティー化もトレンドです。大手企業で3カ国間での人材異動が増えてきました。例えば中国人を日本に受け入れ、さらにシンガポールに赴任させる場合は、日本で取得したビザとシンガポールに入国するためのビザの両方を加味して対応します。インバウンドとアウトバウンドが入り交じり、ビザ取得の難易度は日本人を海外に赴任させる際の倍になります。
世界全体としては外国人の受け入れを制限する方向に
――各国のカントリーリスクとはどういうことでしょうか。
諸外国ではこの2~3年で、外国人受け入れに関する制度を改正しています。駐在する人材の給与水準や職務年数などの条件面を厳格化する国が多く、そのレベルは国によって異なります。企業側はどの国にどの人材を、どんな要件で送り出すか丁寧に考えなければいけません。
【カントリーリスクの例】
・アメリカ:トランプ政権がアメリカ人の雇用の保護を重視するため、外国人へのビザ発給が厳格化しつつある。ビザ発給の判断基準には企業の貿易投資額も厳しくチェックされる。
・シンガポール:シンガポール内に外国人労働者が増えたことから就労ビザの規定が厳格化し、シンガポール人を優先して雇用するようになった。法人税が安く進出先に選ぶ日系企業が多かったが、この数年で日本企業の進出は減少した。
・ベトナム:親日国家、人件費の安さ、市場成長性の高さから、新たな進出先として人気を集めている。シンガポール進出が難航した企業がベトナムに流れている。
一部を除き、世界全体としては外国人の受け入れを制限する方向です。情勢はその都度変化し、インターネットだけでは十分な情報が得られません。政府や日本貿易振興機構(ジェトロ)のセミナーでは最新の情勢が分かりますが、毎回は参加できないでしょう。いかに最新のカントリーリスクをキャッチし、対応策を考えられるかが重要です。
カントリーリスクを理解してワンストップで計画し、タスク管理する
――人事担当者が海外赴任で注意すべきポイントは。
ビザの申請です。
国によってビザ取得までのスピードが異なり、ブラジルでは半年かかる場合もあります。各国のビザの申請ルールや難易度、カントリーリスクを理解した上でビザの取得計画を立て、社員が予定通り、合法的に赴任できているかチェックする必要があります。
また、大手企業では同時期に複数人が赴任することが多く、人事担当者のタスク管理は複雑です。ビザ取得の準備、健康診断や予防接種の受診日、赴任後の一時帰国日などを正確に管理しなければなりません。
コスト管理も意外な落とし穴です。海外赴任の手続きをアウトソーシングしている企業は多いですが、ミスなく予定通りに赴任させることを重視して思いがけず高い費用を払っている可能性もあります。見積もりを精査して費用を比較検討すべきです。
――海外赴任をミスなく、効率的に進めるコツを教えてください。
赴任計画の策定時から帰国時まで、ワンストップで管理することです。
ビザ取得は取得後の多くのタスクと連動しています。新たに新興国に進出する場合は情報量が少なく、海外赴任に慣れた企業でも混乱します。ビザ申請でつまずいて着任が遅れないよう、一括してアウトソーシングするのも一つの手です。
トッパントラベルサービスでは各地のカントリーリスクを踏まえた上で、ビザ取得を含む赴任計画の全体をコンサルティングします。海外赴任にかかる費用を複数社で比較検討するコストシミュレーションにも自信があるほか、6月には海外赴任タスクを一元管理できるシステムをリリースします。
グローバル化を目指す企業がビザや法制度の壁にぶつかることなく、社員を適材適所で活用できるようになるため、私たちが専門的な知見から支援できればと思います。(インタビューおわり)
株式会社トッパントラベルサービス
HP:https://www.toppantravel.com/
【取材・編集:@人事編集部広告制作部】
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