コラム

書籍紹介

人事に薦める一冊


『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』から学ぶこと

2018.03.10

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
目次
  1. ルールを「なくすこと」で人の力を引き出す

ルールを「なくすこと」で人の力を引き出す

『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』
生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方
武藤北斗 (著)
単行本
2017/4/16発売
イースト・プレス

 「この工場では、誰が何時に出勤してくるのかが事前に一切分かりません」、こう聞くと、多くの人が耳を疑うのではないでしょうか。

これは、大阪でエビの加工・販売を行うパプアニューギニア海産の工場のこと。パート従業員が事前連絡なしに好きな日に出勤して良いという「フリースケジュール」制を2013年に開始し、今では出勤日のみならず、出退勤時間や休み時間も各自の自由です。型破りな制度ですが、離職率が下がり、職場の雰囲気や商品の品質も向上して良いことづくめだそう。

工場長の武藤北斗さんの著書『生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方』には、「フリースケジュール」を始めた経緯や思いが綴られています。

同工場でパート従業員の多くを占めるのは、子育て中の女性です。小さい子どもがいれば、病気や学校の用事などで仕事に行けないことも度々あります。そのときに「いちいち会社に説明して休むことは、大きなストレスになるだろう」と考えた武藤さんは、いつでも気兼ねなく休める制度を発想したのです。

好きに休める制度があっても、気をつかって事前に連絡をするようになってはストレスはなくなりません。だから、同工場では出勤や欠勤に関する事前連絡を「しなくて良い」ではなく、「してはいけない」ということを徹底しています。

そのルールは本当に必要? 常識を疑うことで、真に働きやすい職場を作る

こういった実態から分かるのは、「フリースケジュール」とは既存のルールを“取り除くもの”だということです。

事前に決めたシフトどおりに出勤する、休むときは事前に連絡をする、遅刻・早退も事前に連絡する――、これらは多くの職場ではごく当たり前のルールです。

でも、このルールは本当に必要なのか、なくしてしまった方が気持ちよく働けるのではないか――、常識を疑うことが、真に働きやすく生産性も高い職場を生み出しました。皆さんの職場でも、新たな制度やルールを作るだけでなく、なくすことで人の力を引き出せないか、考えてみませんか。

執筆者紹介

やつづかえり 「働き方」をテーマに取材、情報発信するフリーライター。メーカー、教育関連企業に11年間勤務後、独立。組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介する『My Desk and Team』を運営。Yahoo!ニュース(個人)他、各種Webメディアにて働き方、組織などをテーマとした記事を執筆中。

@人事では『人事がラクに成果を出せるお役立ち資料』を揃えています。

@人事では、会員限定のお役立ち資料を無料で公開しています。
特に人事の皆さんに好評な人気資料は下記の通りです。
下記のボタンをクリックすると、人事がラクに成果を出すための資料が無料で手に入ります。

今、人事の皆さんに
支持されているお役立ち資料

@人事は、「業務を改善・効率化する法人向けサービス紹介」を通じて日本の人事を応援しています。採用、勤怠管理、研修、社員教育、法務、経理、物品経理 etc…
人事のお仕事で何かお困りごとがあれば、ぜひ私達に応援させてください。

「何か業務改善サービスを導入したいけど、今どんなサービスがあるのだろう?」

「自分たちに一番合っているサービスを探したいけど、どうしたらいいんだろう?」

そんな方は、下記のボタンを
クリックしてみてください。
サービスの利用は無料です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

あわせて読みたい

あわせて読みたい


資料請求リストに追加しました

完全版 HR系サービスを徹底解説! HR業務支援サービス完全ガイド 勤怠・労務管理 採用支援 会計・給与ソフト など