ステークホルダーの期待に応えられる人材育成チームとは?
2020年の4月に人材育成施策が急に大きく変わったとことは言うまでもありませんが、今年の新入社員研修からやっとパンデミックの影響が薄くなったように感じます。以前のような対面集合研修もできるし、当然リモート研修もできます。研修以外のeラーニングやマイクロラーニングもできるし、ChatGPTを代表する新しいツールも色々出ています。
このように様々な可能性があるのは良いのですが、経営者の期待、受講者の要望、育成部門の考えがそれぞれ異なるし、研修体系と予算は今までとあまり変わらないケースが多いようです。
そのため、人材育成担当者はこうした状況にピンチを感じていることを最近よく聞きます。育成方針が整理されるまで待つ方が安全と思っている人がいますが、そう簡単に整理されないし時間がかかりそうです。
残念ながら明確な方針を待つと会社の競争力低下と従業員のスキルダウンの原因になってしまうリスクが高いです。
そこで今回は、このように難しい環境の中で人材育成チームが主体的に動いて会社と従業員に貢献するヒントを4つの切り口でお伝えします。
目次
-
- ステークホルダーの期待を把握する
(1) 経営者
(2) 受講者と職場
(3) 人材育成チーム - ポートフォリオで研修施策のメリハリをつける
(1) 成果重視施策
(2) 効率重視施策(手軽で受け入れやすい) - パートナーシップと研修効果測定を重視する
(1) ステークホルダーの巻き込み
(2) 経営者と職場を上手に巻き込むテクニック - とにかく動く
(1) 受身的マインド
(2) 主体的マインドへのシフト - クロージング
- ステークホルダーの期待を把握する
1.ステークホルダーの期待を把握する
個別企業と業界によって異なりますが、人材育成施策に強く影響を与えるステークホルダーの考えや期待はある程度想像できます。イメージは下記のとおりです。
2. ポートフォリオで研修施策のメリハリをつける
従来の人材育成プラニングを簡単に言うと対象 x 能力の研修体系を作って、必要なコマに半日~数日間研修を埋めることでした。しかし残念ながら、様々な期待があって変化が激しい環境だとそのようなプラニングでは全く不十分です。
例えば、経営者の求めているビジネス成果に応えるためには、やりっぱなし研修ではなく充実した育成施策が必要です。一方、職場は受講者の拘束時間と負担を減らすことを求めていますから、より手軽で自由に受講できる施策が必要です。
ポイントは育成施策にメリハリをつけて、しっかりした成果を出す施策と効率よく受講できるものを使い分けすることです。代表的な2種類の施策を比較しましょう。
参考:研修計画を決める際に意識したい「6階層の価値ピラミッド」
https://at-jinji.jp/expertcolumn/410
3. パートナーシップと研修効果測定を重視する
どんなにステークホルダーの期待を理解して対応するような人材育成施策を企画しても、積極的にステークホルダーへの巻き込みや発信がないと伝わりません。特に変化の激しい環境の場合には、ステークホルダーの巻き込みが非常に重要になります。
ステークホルダーを巻き込む目的は
・コミュニケーションを取りながらそれぞれの期待に合わせて人材育成施策を調整する(アラインメント)
・経営者と職場からの情報を生かして、人材育成施策の効果を高める
・研修期間中に経営者と職場メンバーの協力を受けて、受講者のビジネス成果を出させる
・職場での成果について情報をもらって、研修効果を測定する
経営者と職場を上手に巻き込むテクニックとして
・経営方針に合わせて育成ポートフォリオを決める
・職場で求める成果について受講者の上司にヒアリングする
・受講者の職場での行動変容を促進するために受講者の上司に支援してもらう
・人材育成施策と得られるビジネス成果のつながりを明確にして、伝える
・経営者と職場メンバーに刺さる研修効果測定を行う
参考:もう避けられないが「実はそれほど難しくない」研修効果測定「研修効果測定の基本の3ステップ」
https://at-jinji.jp/expertcolumn/359
4. とにかく動く
10年以上前からリーダーシップ研修で有名なDDI(Development Dimensions International)は人材育成チームに関する調査をしてきました。
結果として人材育成チームはこの3つに分類されます。
1. 受身的(Reactors)要望に合わせて人材育成施策を企画・実施する
2. 協力的(Partners)経営者と職場と一緒にニーズを把握して、それに合う人材育成施策を企画・実施する
3. 主体的(Anticipators)経営方針やビジネスKPIから先を見て、先手を打つ人材育成施策を主体的に提案する
出所:DDI Global Leadership Forecast 2023
https://www.ddiworld.com/about/media/hr-leadership-insights-report
経営者が求めているのは当然、3つ目の主体的なタイプですが、調査結果では10%です。
(1. 受身的=29%、2. 協力的=61%、3. 主体的=10%)
このように環境の変化が続き育成方針がまだ流動的な状態においては、主体的なタイプが会社に大きく貢献できるし経営者と職場に高く評価されます。しかし、タイプ3を実現するためにはちょっとしたマインドシフトが必要です。是非下記の図の主体的(Anticipator)のようなマインドを持って、積極的に新しいチャレンジに挑戦しましょう。
クロージング
今年も人材育成業界にとって大きな可能性があります。ただ、ステークホルダーによって期待が異なるのが要注意です。
そこで今回ご紹介した4つの切り口のように積極的に動いて、周りを巻き込みながらそれぞれ期待を把握した上に適切な人材育成施策のポートフォリオを企画・実施をすればうまくいくはずです。成果を楽しみにしています。
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