仕事がデキる人事・総務のビジネスメール術(Web版)vol.1

業務効率化の第一歩! メール作成時間を2割削減する5つのポイント

会議の時間を削減、移動時間を削減、ペーパレス化など、多くの企業が業務改善に積極的です。しかし見過ごされてきたものが一つあります。それがメールです。隙間時間でメールを書いているため、トータルの時間すら認識していないケースもあります。メールの利用時間は、ちょっとした工夫で1~2割削減することができます。高い効果が見込めるため、今すぐに取り組むべき事項だと言えます。

いくつかある具体的な方法の中から、今回は特に皆さんからの問い合わせが多いものについてQ&A方式で紹介します。

目次
  1. 業務効率化のための「ルール」「テンプレート」作り
  2. 「メールに費やす時間」の把握が業務効率化の第一歩
  3. まずはメールにかける時間と送受信数を把握しましょう

業務効率化のための「ルール」「テンプレート」作り

1.ルール作り

質問:どのような社内ルールを作ったら、業務効率が上がりますか?
答え:数を絞ること。全社的に取り組む雰囲気作りを行うこと。

社内ルールを作る場合、適用すべきルールは5つ程度に留めるべきです。ルールを20~30程度作成しても徹底が難しいのです。まず、社内でアンケートを取るなどして課題を抽出します。そして、解決策を検討します。次にその中で、効果が高く、実践しやすいもの選びます。

たとえば、CCでの情報共有が多い場合、CCで共有すべき情報と共有する範囲を明確に決めます。また、返信をする際に「送信者のみへの返信」「全員への返信」の使い分けも徹底する必要があります。これにより、組織内でのメールの流通量を5~10%程度削減することも可能です。

また、件名の付け方をルール化するだけでも、組織内のメールが見つけやすくなり効果的です。挨拶の書き方や宛名の書き方で迷っている人がいるなら、テンプレートを提示することも有効です。全社的に取り組むならば、ポスターを掲示するなど「メールの業務改善をおこなっている」という空気を醸成することも重要です。

2.PCスキルアップ

質問:メールを書くのに時間がかかってしまいます。どうやったら早くなりますか?
答え:よく使うフレーズを単語登録する。

メールを書くには「文面を考える」「文面をキーボードで入力する」という2つの手順があります。メールに慣れてくると、思考は早くなりますが、入力速度は変わらず、その差が大きくなります。入力速度を上げるためには、パソコンの操作に強くなる必要があります。

たとえばブラインドタッチができるようになる。ショートカットを覚える。これだけでも、スピードが上がるでしょう。しかし、今からブラインドタッチを覚えるには時間がかかるかも知れません。それであれば、キータッチの回数をどうやったら1回でも少なくできるか。それを考えるべきです。

成果がすぐに出るのは、単語登録(辞書登録)の活用です。この単語登録を使うと「あい」+「変換キー」で、「アイ・コミュニケーションの平野友朗です。」のような文字列を呼び出すことができます。これによってある特定の一文を入力する際のキータッチの回数を80%程度削減することができます。 
挨拶、名乗り、製品名、電話番号、こういった日常的に使うフレーズだけでも登録をしましょう。

3.メールのテンプレート

質問:メールの内容を考える時間を省略できないでしょうか?
答え:型を覚えれば考えるのは「要旨」「詳細」のみで済む。

メールを一から書こうとすると時間がかかります。まずは、テンプレートに沿って書くことをオススメします。メールは上から順に、宛名、挨拶、名乗り、要旨(導入)、詳細、締めの挨拶、署名と続きます。この7つの順番を丸暗記してください。挨拶で悩む人もいますが、シチュエーションに合わせて「いつも大変お世話になっております。」「先日は~~へのご参加、ありがとうございます。」のように数パターン持っておけば十分です。署名は社内外の2パターンは最低限用意しましょう。

こう考えると、毎回考えなくてはいけないのは、要旨(導入)、詳細のみです。要旨は、「私は○○のためにメールを送りました」「これから○○の話を書きます」のように概略を知らせるパートです。本文は、情報の抜け漏れが無いように書くのが鉄則です。6W3Hなどフレームワークを利用したり、「会議の時は○○を伝える」のようなチェックリストを準備したりしましょう。

さらに、自分が知りたいことでは無く、相手が知りたいことが何かを考えてください。相手が知りたいことが書かれていないと、追加で質問が入り無駄なやりとりが発生します。

「メールに費やす時間」の把握が業務効率化の第一歩

4.機能と「重要度」

質問:相手に重要なメールを認識させるために機能をどう使えば良いでしょうか?
答え:機能ではなく本文で重要度を判断させる。

メールの重要度は、送信者が決めるものではありません。受信者が判断するものです。送信者は自分事のため、送っているメールは全て重要です。たとえば、営業パーソンが見込み客に送る見積もりメールは全て重要です。しかし、受信者はただ参考までに見積もりをお願いしただけかもしれません。メールボックスの中に送信者が設定した「重要フラグ」がつけられたメールがあったらどうでしょう。不快に思われる可能性があります。そしてそれが原因で印象が悪くなり取引が無くなる可能性もあるのです。

判断をするのは相手です。判断をしやすいように、本文をしっかりと書くべきです。たとえば、先ほどの見積もりの例で考えると、製品の魅力、導入実績、導入のメリット、見積もりの有効期限、今選択すべき理由。こういった判断材料を提供すべきです。

5.フォルダ分け

質問:効率的なメール処理の方法を教えてください?
答え:「すぐ見ない」フォルダをつくる。溜め込まず返信する。

今すぐ見る必要が無いメールは、特定のフォルダに入るようにしましょう。たとえば、社内のメーリングリスト、メールマガジンなどがそれに当たるでしょう。受信トレイに直接届くメールが100通あれば、全て目を通さなくてはいけません。

しかし、そのうちの30通がメールマガジンだったとします。今すぐ読む必要はありませんから、このようなメールを自動的に振り分けるように設定します。すると、受信トレイに届くメールは70通です。処理すべき対象が減るので、とうぜん処理が早くなります。

また、メールを溜め込まないのも重要です。「あとで返信すればいいや」と思って先延ばしにしているとメールがドンドンたまってしまいます。仕事を円滑に進めるためにも、処理の時間を決めて確実に返信してください。
たとえば、朝、昼食後、退社前に各30分メールの処理時間を確保します。自分のカレンダーに予定として入れておくと割り込みの仕事が入りにくくなります。あとは、手が空いたときにメールの処理をしましょう。

そして、理想は、退社時にはすべてのメールが返信し終わっていることです。明日返信をしても、今日返信をしてもかかる時間は一緒ですが、相手の印象が変わります。良い印象を与え続け、無用なトラブルを回避するためにも、当日中の返信を徹底しましょう。

まずはメールにかける時間と送受信数を把握しましょう

何も疑問を持たずにメールを使っているケースが大半です。まずは、ご自身がメールに費やしている時間を測定し、送受信の通数を把握してください。現状認識が重要です。気が付けば仕事の2~3割の時間がメールかも知れません。メールはある意味ルーチンワークになっているはずです。

工場の時間短縮と同様に、この作業を1秒早く終えるにはどうしたらよいのかにこだわってください。メールの型を覚える、単語登録を徹底活用する、テンプレートを整備する。これだけの取り組みでも、年間5日くらいは減らすことができます。

※この記事はフリーマガジン「@人事第2号」(2016/11/30発行)に掲載した「ビジネスメールのカリスマ 平野友朗氏がその技、教えます」の内容を再構成した記事になります。

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