仕事がデキる人事・総務のビジネスメール術(Web版)Vol.15
新入社員に伝えたいビジネスメール「定番フレーズ」使い分けのコツ
7月に入り、新入社員の所属先も決まり、メールを書く場面が増えているかもしれません。4月からずっとOJTだった場合でも、そろそろ独り立ちしてメールを書くことでしょう。メールは、全てを一から考えると時間がかかります。宛名や挨拶など、定型で書けるところはしっかり暗記し、無駄な労力を割かないようにすることも重要。指導する側は、手当たり次第に教えようとするのではなく、暗記で済むところから教えたほうが効率的です。そこで新刊『伝わるメール術』から抜粋して、定番フレーズの極意について紹介します。【執筆:日本ビジネスメール協会・平野友朗】
参考:新入社員にこれだけは伝えたい「よくあるメールのトラブル防止法」
極意1:「冒頭の挨拶」は定番を覚える
メールの冒頭に宛名を書きます。その次に、挨拶と名乗りをセットで書きます。順番はどちらが先でも構いませんが。挨拶を先にするケースのほうが多いです。挨拶は社内と社外で書き分けます。
社内宛てのメールは「お疲れ様です。平野です。」のような挨拶が一般的です。
朝から疲れていないのに「お疲れ様」はおかしいと感じる人もいるようで、朝は「おはようございます。」と書くケースもあります。私の場合、朝に送る1通目のメールは「おはようございます。」にして、それ以降は「お疲れ様です。」を使っています。
社外宛てのメールは「お世話になっております。○○会社の××です。」という挨拶が一般的です。
感謝の気持ちが強い場合は「大変お世話になっております。」と「大変」を付けたり、頻度が高い場合は「いつもお世話になっております。」と「いつも」を付けたりするなど調整も可能です。
感謝の度合いと頻度の両方が高いときは「いつも大変お世話になっております。」としても良いでしょう。コミュニケーションですから、挨拶も状況に応じて書き分けることができます。
大手企業などの中には、社内であっても「お世話になっております。」を使うケースもあります。部署間で取引をしているというイメージなのでしょう。
極意2:結びの挨拶は3パターンが基本
メールを送る目的は「通常の情報伝達」「気持ちを伝える」「行動の促進」の3つに区分できます。それらの目的に合うように、適した結びの挨拶を選びましょう。
「行動の促進」なら結びの挨拶で。メールを送った意図を再度伝えます。検討を促すなら「ご検討よろしくお願いいたします。」、確認を促すなら「ご確認よろしくお願いいたします。」とします。
メールの最後に「取り急ぎご連絡まで。」と書く人がいますが、これは避けたほうが良いでしょう。
「取り急ぎ~。」。と書いた場合、その後にしっかりした連絡があることが前提となります。「取り急ぎお礼まで。」とあれば、このメールの後に正式なお礼がくると考える人もいます。「取り急ぎ」という言葉はとってつけたような印象を受ける人もいるので、使わないほうが無難。メール自体を丁寧に書けば「取り急ぎメールにて失礼します。」のような表現は不要です。
極意3:「様」「さま」「さん」の使い分け
メールで使われる敬称には「様」「さま」「さん」などがあります。「殿」もまれに見かけることがありますが、ごく少数です。メールでは、相手が違和感を持つものは利用しないほうが良いので「殿」は使わないほうが無難です。
「様」「さま」「さん」を相手に応じてバランスよく使い分けましょう。
初めてメールを送るときは「会社名+部署名+役職名+姓名+様」と書き、やり取りが続いたら「会社名+名字+ 様」に変え、電話でも気軽に話をする仲になったら宛名から会社名を省略して「名字+様」にして、より近しい間柄の場合は敬称を「さま」「さん」にするなど、段階的に変えることもできます。相手に与えたい印象によって書き分けることができます。
何度もやり取りをしているのに、いつまでも「会社名+部署名+役職名+姓名+様」と書いていると「堅い人だな、軽い話ができない人だ」と思われる可能性があります。仕事が円滑に進み、少し砕けた話ができるような間柄になったら、それにあわせてメールの宛名も変化させると自然です。
宛名を書くのに5秒以上悩むのは時間の無駄です。相手が「平野さん」と書いてきたら「名字+様」で返事をする。このように相手より少しだけ堅く書くのがポイントです。相手にあわせながら、徐々に崩すタイミングを図れば、さじ加減も身につきます。さじ加減が分からないなら「様」で通すのが無難でしょう。
新入社員に正しい癖を付ける
新入社員が本格的にメールを書き始めるようになったときに、正しい癖を付けさせることが重要です。宛名や挨拶、名乗りなどは定番フレーズで乗り切れます。新入社員が迷うことがないように、正解を伝えてあげてください。
本来、メールを書くときに悩むべきは「要旨(何の用件でメールを送ったのか)」と「詳細」のみです。考えるべきことと、そうではないこと(パターン処理できるもの)を今の時期に学ぶことが、後々効いてきます。
今回は新入社員の研修にも使えるノウハウを、最新刊『伝わるメール術 だれも教えてくれなかったビジネスメールの正しい書き方』より抜粋してお届けしました。本書には、定番フレーズだけでなく、メールの基本、トラブル回避方法、コミュニケーションをとる際の注意点、メールを速く処理する方法など63項目を収録しております。1,180(+税)でメールの学びが深まります。社員に1冊、1部署に1冊、ぜひご活用ください。
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トラブル回避だけでなく、メールの基本、言葉の選び方、コミュニケーションをとる際の注意点、メールを速く処理する方法など63項目を収録。1万通以上のメールを添削してきた平野氏による改善メソッドを、催促、御礼、謝罪などあらゆるシーンで使える文章術として紹介している。
『伝わるメール術 だれも教えてくれなかったビジネスメールの正しい書き方』
著者:平野友朗(一般社団法人日本ビジネスメール協会代表理事、㈱アイ・コミュニケーション代表取締役)
定価:(本体1,180円+税)
装丁:単行本160ページ
出版社:技術評論社
発売年月:2019年2月16日
ISBNコード:978-4297104108
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