就職活動をしている学生が企業選びで最も大切にしてほしいこと

弊社では、バリューを体現する人材のことをバリューシスト【Valuesist】と呼んでおります。(※商標登録出願中)そして、そんな人材を育成するプロフェッショナルとして、500社以上のお手伝いをさせてもらってきました。

また、その中で、「新卒はすぐに辞めてしまうか、成長が遅い」という企業と、「新卒は順調に幹部への道に進んでいるし、成長も速い」という企業の差を、10年以上にわたりデータ化してきました。

なお、2018年度新入社員様についてのデータは@人事プライムコラムでも公開しております。ぜひご覧ください。

新入社員の本音を調査 入社半年後のモチベーションを左右する2つの要因とは

この2つの会社に差が付くことになった最大の要因は、いったい何でしょうか?

社長の魅力や会社の知名度、教育の充実度、先輩社員との人間関係、業務内容、配属先など多々あるとは思いますが、収集したデータからは『ミッション、ビジョン、バリューの浸透』が最大の要因であるということが伺えます。

本コラムでは、就職活動中の学生さんに向け、この『ミッション、ビジョン、バリューの浸透』が新卒の定着と成長にどのように関わっているのか、面接時にどんなポイントに気をつければ良いのかを紹介していきたいと思います。

『ミッション、ビジョン、バリューの浸透』の重要性

『ミッション、ビジョン、バリューの浸透』をさせたいと考えている経営者は多いと思いますが、そもそもなぜ浸透させる必要があるのでしょうか。

経営理念(ミッション、ビジョン、バリュー)に関する研究を進めている業界では、経営理念の機能を「社会適応機能」、「企業内統合機能」、「経営実践機能」の3つに分けています。

社会適応機能:ステークホルダーとの関係、企業の存在意義、将来への方向性を示す機能。

企業内統合機能:企業文化のレベルアップ、社員の動機づけ、行動指針、社員の一体感を生むことに関する機能。

経営実践機能:日常のマネジメントや経営戦略・方針の拠り所、コンプライアンス、人事評価に関する機能。もしくは建て前。

参考:現代日本企業における経営理念の機能と理念浸透策

また、埼玉学園大学の柴田仁夫准教授が、中小企業の経営者に対して“経営者が考える「経営理念の浸透」が企業に与える影響”について調査したところ、

・知名度の向上
・安定的利益の確保
・企業価値の向上
・事業の継続
・社会的地位の向上
・優秀な人材の確保

経営理念の浸透が、これらすべてに影響を与えると考えていることが分かりました。
※参考:経営者の経営理念の浸透に対する感じ方に関する一考察

このようなことから、ミッション、ビジョン、バリューの浸透には様々なメリットがあり、多くの経営者も実際に「必要である」と感じていることが分かります。

ミッション、ビジョン、バリューが本物かどうかを再確認し、ネガティブなGAPを防止

新卒採用では、採用後の詳細が決まる前の段階であったり、配属先によって仕事内容が違うため具体的な内容を伝えきれなかったりという状態で会社説明会を行うことがあります。

その場合、

「我々の会社の存在意義は○○です」=ミッション
「我々の会社は○○を目指しています」=ビジョン
「我々の会社は○○の価値観を大事にしています」=バリュー

といった形でミッション、ビジョン、バリューを伝え、学生をひきつけているという会社が少なくありません。これ自体は、「うちの会社はこういう考えの人が働いているよ」といった部分に共感してくれる学生さんを採用する上で有効であり、素敵なことだと思います。

ただし、“そのミッション、ビジョン、バリューは本物であるか?”ということは、疑問を抱くべきです。本物ではないということは、イコール、“ただ掲げているだけで現状の社員とのリンキングができていない”という状態になります。

そうなると入社後に配属された際、「あれ、おかしい。先輩が全然違う考えで仕事をしている」といったGAPを感じ、「○○の価値観を大切にしていることに魅力を感じて入社したのに……」というネガティブな感情が生まれてしまいかねません。

例えば、企業として“うまくいかない時でも、言い訳せずに可能性を見出す”という価値観を掲げているはずなのに、先輩社員はいつも「これ○○のせいじゃん」と言い訳ばかり……という状態です。

※参考:早期離職はコミュニケーションで防げます! 新入社員の本音から導く4つの対処法

面接時にミッション、ビジョン、バリューが本物かを見抜くには

だからこそ就職活動をしている学生さんには、企業が打ち出している

「我々の会社の存在意義は○○です」=ミッション
「我々の会社は○○を目指しています」=ビジョン
「我々の会社は○○の価値観を大事にしています」=バリュー

は、学生をひきつけるためだけに作られた“絵に描いた餅”になっていないか? という点を最も見てほしいと思います。

絵に描いた餅にせず、ミッション、ビジョン、バリューの浸透に力を入れている会社は、全社員へすでに浸透できているという訳ではなくとも、自社のバリューを体現できるようにと日々努力をしているはずです。

具体的には、「それは“お客様ファースト”という自社のバリューとズレている考えだから、変えていかないと」といったやり取りが日常的にされているという状態です。特に、社員数が多い大企業だと「それは机上の空論で理想論に過ぎない」という傾向が強くなったりします。

2019年5月18日、トヨタ自動車の豊田章男社長が、米国バブソン大学の卒業式スピーチで、「20年後どんな車が走っているのかは、私でさえ予測不可能です。そんな中、 “トヨタウェイ”という価値観は、トヨタにとって北極星のようなもので、私たちを導く光。目指し続けるもの」という発言をしています。

大変革の真っただ中で、未来がどのように変化するかは分からないが、バリューに従って挑戦し続ける、という意味です。

やはり社員数が多いからこそ、「私たちはこのバリューを大切にしている組織だから。○○というビジョンを目指しているのだから」と考え、ミッション、ビジョン、バリューの浸透をしていくべきだと思います。

これを確認するために、面接時には

「会社説明会で聞いた貴社が大切にしている○○という価値観を、△△さん(面接官)は、日々の業務でどんな場面で意識しますか?」

「会社説明会で聞いた大切にしている○つの価値観のうち、△△さん(面接官)が最も共感しているものは何ですか? その理由は何ですか?」

「貴社の○○というビジョンや●●というバリューには、どんな背景があるのでしょうか? 経営者のどんな想いがつまっているのでしょうか?」

といった質問を、是非してほしいと思います。この質問に対する回答から、その会社のミッション、ビジョン、バリューは絵に描いた餅なのか? そうではないのか? のヒントが得られるはずです。

ミッション、ビジョン、バリューをヒントに、会社の本質を見抜くことが重要

時代の変化が早く、企業が提供する商品やサービスもどんどん変化しています。

そんな今だからこそ、ミッションやバリューを自分で確認できるスキルを身につけ、「ここは強い企業なのか?」「成長していく企業なのか?」をしっかり把握することが、就職活動を成功させる上で重要になるのではないでしょうか。

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