第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社

アンケート結果から見えた2022年度新入社員の傾向

コロナ禍だからこそ『バリュー』を軸に教育すべき理由

期待や希望を胸に入社したはずの新入社員が日を追うごとに意欲をなくしていき、早期離職してしまった。そんなケースを目にしたことがある方は少なくないはずです。

それはもしかすると、コミュニケーションのズレが原因かもしれません。

仕事に対する考え方は、世代やバックグラウンドにより変化するものです。例えば、2022年度入社の方々は、感染症等の影響により、リモートでの授業や就職活動が当たり前となった世代です。仕事の進め方について、これまでと異なる考え方を持っている方も多くいらっしゃいます。

このような価値観の相違はディスコミュニケーションを生みます。意思疎通が上手くいかないと生産性は低くなりますし、信頼関係も築きにくくなります。すると社内で対立や衝突が起きやすくなり、渦中にいる本人はもちろん、周囲のモチベーションも下げてしまい、離職を選ぶ人が出てくることに。

そこで本コラムでは、新入社員に対する理解を深めることを目的として、300名以上の2022年度新入社員を対象に実施したアンケートの結果とそこから見えてきた傾向を公開。そこから、新入社員の離職防止に『バリュー(価値観・行動指針)』を軸とした教育が必要である点を紹介します。今後の社員教育の参考になりましたら幸いです。

《調査概要》
●調査目的:
2022年度新入社員の方々が入社当初に抱く会社や仕事に対する考え方・傾向を知り、社内教育の一助となること。
●調査対象:
2022年度新入社員(有効回答数:321名)
●調査期間:
2022年3月1日(火)~2022年4月30日(土)
●調査方法:
アンケート用紙もしくはGoogleフォームにて、各人の匿名性を保証した上で回答を依頼した。

目次

  1. 2022年度新入社員が持つ3つの傾向
  2. 傾向①就職先は、何をするかより「企業の理念や文化」と「社員の人柄」で決める
  3. 傾向②「報酬・福利厚生」よりも、「勤務環境・労働時間・休日」を重視する傾向が強まっている
  4. 傾向③「自分の能力・成長」と「人間関係」に関する不安を強く感じている
  5. 教育は『バリュー』を軸に
  6. バリュー浸透で早期離職を防止

2022年度新入社員が持つ3つの傾向

この度のアンケートから確認できた2022年度新入社員の傾向は、主に以下の3つです。

①就職先は、何をするかより「企業の理念や文化」と「社員の人柄」で決める
②「報酬・福利厚生」よりも、「勤務環境・労働時間」を重視する傾向が強まっている
③「自分の能力・成長」と「人間関係」に関する不安を強く感じている

傾向①就職先は、何をするかより「企業の理念や文化」と「社員の人柄」で決める

今の会社に入社を決めた理由を聞いたところ「理念・社風・企業文化」が最も多く選ばれました。どんな仕事をするかということよりも、会社の目標や価値観に共感できるか否かが入社の決め手となったようです。

また、「社員の人柄」が3番目に選ばれています。説明会や面接、採用イベント、採用サイトなどを通じて知りえた先輩社員のイキイキと働く姿や、社員同士の関わり方に魅力を感じ、一緒に働きたいと考えた方が多いようです。

傾向②「報酬・福利厚生」よりも、「勤務環境・労働時間・休日」を重視する傾向が強まっている

同質問において2番目に多く選ばれたのは「勤務環境・労働時間・休日」でした。具体的には、「通いやすさ」「土日休み・残業が少ないこと」「働き方の自由度が高いこと」の3つがよく挙げられていました。

昨年までは「報酬・福利厚生」の方が重視されていましたが、今年はそれらよりも「勤務環境・労働時間・休日」を見て決めたという方が多くいました。

授業を始めとする様々な活動がオンライン化したことにより、“時間や費用は削ることができるもの”という認識が広まりました。よって、ワークライフバランスを何によって叶えるかについて考えたときに、まずは時間をどれだけ上手く使えるかに注目が集まるようになったのではないでしょうか。

傾向③「自分の能力・成長」と「人間関係」に関する不安を強く感じている

働くことに関する不安や悩みを聞いたところ、「自分の能力・成長」が1番多く、次いで「人間関係・他社員について」が選ばれました。なお、どちらも例年より割合が増しており、傾向が強まっていることが示されました。

これには、学生生活最後の2年間をコロナ禍の中で過ごしたことが強く影響していると見られます。
自粛生活により必要な体験が得にくい環境下を過ごしたことで、身につけるはずだった能力が備わっていないのではないか。また、それによって業務に支障をきたすのではないか、今後成長していけるのか、周囲と上手く付き合っていけるのかといった不安を抱えているようです。

教育は『バリュー』を軸に

改めて2022年度新入社員の傾向をまとめると、以下の3つになります。

①就職先は、何をするかより「企業の理念や文化」と「社員の人柄」で決める
②「報酬・福利厚生」よりも、「勤務環境・労働時間」を重視する傾向が強まっている
③「自分の能力・成長」と「人間関係」に関する不安を強く感じている

上記の結果から、新入社員の離職防止には、『バリュー(価値観・行動指針)』を軸とした教育が必要であると考えます。

以下にその理由と実施する上でのポイントをまとめました。

1.コロナ禍の影響を強く受けた世代であることを考慮し寄り添うこと。

人は何を言っているのかより誰が言っているのかを重視しますので、教育担当者と新入社員は良好な関係である方がいいでしょう。冒頭で述べた通り、価値観の相違に目を向けないまま片一方のやりかたを通そうとしてしまうと、ディスコミュニケーションが発生し、信頼関係が築きにくくなりますので、まずは相手の目線に立つ必要があります。

特に、2022年度新入社員は「ミレニアル世代かつコロナ禍という、個人ではどうする事も出来ない事象に強く影響された方々」です。このことを考慮し、寄り添いながら見守っていくことが大切であると考えます。

なお、始めは仕事観の違いや自信の無さが気になることもあるかもしれません。ですが、傾向③で述べた通り、これは主に経験不足によって引き起こされているものです。社会人経験を積んでいくことで解消されていくものと考えて良いでしょう。

2.入社後の教育はバリューから行うこと。バリューを軸に丁寧に説明し、納得を促すこと。

教育は、全社員共通の価値観であり、判断基準である『バリュー』を軸に行いましょう。

入社当初というのは、知識不足により物事を多面的に捉えることが難しい時期です。伝え方のニュアンスが違うだけでも「言っていることが違う」と思われかねません。その場のコミュニケーションに支障が出るだけでなく、そうした不満は人間関係構築やエンゲージメントにも影響します。

よって、教える側も教わる側も、バリューを軸に考えることが必要なのです。

人により伝え方が異なったとしても、バリューが軸になっているということが分かっていれば指示の真意をつかみやすくなり、コミュニケーションが円滑になります。また、自分で考えて行動できるようになるまでのスピードが上がりますし、“分からない”ことによる漠然とした不安が減る等のメリットもあります。

新入社員がどのような価値観を持っているとしても、入社の決め手として選ばれていた「企業の理念や文化」「社員の人柄」を構成しているのはこのバリューなわけですから、どの方にとっても受け入れやすいはずです。

バリュー浸透で早期離職を防止

これらのポイントをふまえた施策を自社のみで行うには限界があります。この度の調査においても、第三者が実施しているアンケートの中でなければ言い出すことのできないような本音が多々見受けられました。

弊社は、こうした調査による新入社員様の声や、科学的根拠に基づくオリジナルメソッドを用いて、バリューを社員一人ひとりに浸透させるための研修を個社毎に開発しております。

社員の皆様に『自社の理念や行動指針を体現し、生産性高く働き、成長や幸せを感じてもらいたい』とお考えでしたら、ぜひ一度お話をお聞かせください。

会社を成長させるには、若手社員の定着や、優秀な管理職の存在が欠かせません。中でも、会社の未来を担う新入社員の方々の早期離職防止・生産性向上は、大きな経営課題と言えます。

本調査が、その解決の一助を担えておりましたら幸いです。

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