第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社第14回HR EXPO春(人事労務・教育・採用)|RX Japan株式会社

離職率30%から3%の優良企業へ復活させたスタートアップ社長が教える!

『社員の自己実現を導く組織づくりとは』Vol.2

前回のコラムでお伝えした通り、manebiは創業5年目に離職率30%という壊滅的な状態に陥りました。
この数値は5年目にはっきりと顕在化しましたが、それまでも社内の雰囲気は良くない状態がずっと続いていました。今回、このままでは組織崩壊してしまうと感じるほどの状態だった社内は、実際どのようなことが起きていたのか、その時私は何を感じ、そこからどう変えようと行動したのか。赤裸々に語っていきたいと思います。

目次

  1. 当時の社内風土とぶつかった人数の壁
  2. まずは自分の意識から変えることを決意
  3. 社員一人一人との『対話』から始めていった
  4. 話し合う前に決めていた1つのルール

当時の社内風土とぶつかった人数の壁

役員や創業メンバーは常に仕事に対して意識が高かったのですが、一方で、それを求めていない社員も多く、モチベーションの差を感じていました。社内の風土として全員が自主自立、自走型にはなっておらず、みんなで同じ方角を向いて走っている感覚はありませんでした。

その状態で、弊社のプロダクトの1つである『派遣のミカタ』という製品が好調だったため、事業拡大を図ろうと経験スキルを重視し、一気に人を採用したところ、毎月のように人が辞めていく離職率30%の結果を招きました。元々、一枚岩ではなかった組織をさらに拡大しようとしたことで明確に崩壊してしまったのです。
よくスタートアップ企業が拡大に当たってつまずくことを「10人の壁」「30人の壁」と表現しますが、弊社の場合は20人前後の所でその壁にぶつかりました。

まずは自分の意識から変えることを決意

こうした事態を招いたのはひとえに私の責任です。採用も教育も、体制を明確に整えておらず、仕事は各人に任せきりでそれぞれに対するケアを行っていませんでした。
「みんな、なんでこんなに人任せなんだろう」
社員のための組織づくりをしていないにも関わらず、当時、私の中に渦巻いていた感情です。
「自分から動かないのに何でわざわざこんなに小さいスタートアップに来たのだろう」
そんなことさえ思っていました。みんなが何を求めているのかを知ろうともせずに、自分の要求ばかりを先行して考えていました。

このままでは組織崩壊するというところまで追い込まれて、私は自分の意識を変えることを決意。創業の時からあった「私自身も仲間もお客様も幸せにして、社会に幸福の連鎖を作りたい」という思いに立ち返りました。もう一度、初心に帰って、社員一人一人を幸せにするにはどうするべきかを考えていったのです。

社員一人一人との『対話』から始めていった

私が経営書としてよく参考にしている本に、『ビジョナリー・カンパニー 2』があります。この本の中には、5段階でリーダーを評価した『第五水準のリーダーシップ』という文章があります。それによると、一番優れた第五水準のリーダーは、簡潔に言うと「私心ではない人」だと書かれています。良いことが起こればみんなの手柄だし、悪いことが起これば全て自分の責任にする。私もそんなリーダーになりたいと思いました。

そこで、私がまず最初に行ったのは、社員との『対話』です。不満が色々と噴出していたことは分かっていましたが、その不満の本質が分からなかったので、それを突き止めるために一人一人と話をすることから始めました。
「そんなこと?」と思う人もいるかもしれませんが、これは本当に重要なことです。そして、この当たり前のことができていないリーダーが非常に多いのです。組織づくりは仕組みだけを整えればどうこうなるものではありません。まずは社員や部下と向き合い、それぞれの価値観や考え方を理解することが大切です。人と真剣に向き合うためには、もちろん相当な覚悟が必要になります。

話し合う前に決めていた1つのルール

私はそれまで社員との対話を企業成長に対して時間が掛かり過ぎて面倒だと思っていました。不満が出ている人と話しても、ネガティブな意見が来ると分かっている。しかし深層心理では、こちらが絶対に嫌な気持ちになるし、傷つく。そうした自分の弱さから話し合うことを避けていた事に気づきました。でも組織を立て直すためには、最早逃げ続ける訳にはいかない――。覚悟を決めました。

そこで、会社に対し不満を抱えていた社員一人一人と話すことにしました。その会議室に向かう前に「何を話そう。どうしよう」と内心では恐れがあったもの、1つだけ話す前に自分の中に決めていることがありました。それは話の目的を「お互いが幸せになるためには」という軸から絶対にブレさせないということです。どんな感情や状態の人とでも、この軸で話すことができればきっと大丈夫だろう。そう信じて対話に向かいました。
その時の話し合いで私はとても大切な気づきを得たのですが、その話はまた次回のコラムでお話いたします。

>>>第3回へつづく
『社員の自己実現を導く組織づくりとは』Vol.3

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