その採用を無駄にしないために!「幸せな就職」を実現するオンボーディングとは? Vol.3

前回のコラムでは、オンボーディングにおける「組織の説明書のつくり方」についてお話しました。今回のコラムでは、「人間関係構築のサポート」と「自信を与える方法」について、ご説明させていただきたいと思います。

前回コラム:https://at-jinji.jp/expertcolumn/372

目次

  1. 入社した社員の人間関係構築のサポートをする
  2. どのような交流会を設定すればいいのか
  3. リモートワークの今こそ、会社がコミュニケーションをアシストする
  4. 成果発表プレゼンで貢献欲求を満たす
  5. 目標達成にはキーパーソンを設置する

入社した社員の人間関係構築のサポートをする

新しく入ってくる社員にとって最も重要な問題は、「既存社員とコミュニケーションをうまく取れるかどうか」です。manebiは、オンボーディングのゴールを『幸せな就職の実現』と定義していますが、あらためて個人が会社で働く上での“幸せ”とは何かを具体的に考えていくと、「社内で良質な人間関係が構築できていること」は欠かせません。

どのような交流会を設定すればいいのか

では、既存社員と仲良くなるきっかけをどのようにつくっていけばいいのでしょうか。manebiは、オンボーディング期間に交流会の場を設けることにしました。
交流会は、3か月のオンボーディング期間中に、1か月に1回のペースで、計3度行われます。1回あたりの既存社員の参加人数は3~6名。すべて業務時間内に行います。
3回の交流会には、それぞれテーマがあります。1回目は、“業務上関わりがある他部署の人”との交流会。2回目は、“同年代社員”との交流会。3回目は、“新しく入った社員が話したいメンバーを指定”しての交流会。このように毎回テーマを変えることで、なるべく多岐にわたる社員と話せるようになっています。

それぞれの交流会で話す内容は、特に指定していません。ですが、話題としてNGなものだけは決めています。NG話題は、「会社・部署・同僚への愚痴」、「政治・宗教の話」、「恋愛に関する話」、「家庭の事情に関する話」の4つ。これらは場合によってはセンシティブになりがちなトークテーマですので、交流会にふさわしくないため禁止にしています。

リモートワークの今こそ、会社がコミュニケーションをアシストする

こうした交流会を義務化することについて、「社員同士に任せておけばいいのではないか、人間関係にまで踏み込むのは良くない」と思う方もいるかもしれません。ですが、社員同士では、ここまでの機会を自発的につくるのは難しいでしょう。
会社という組織は、大きくなるにつれて風通しが悪くなっていきます。ひどい場合は隣の部署が何をやっているのか分からないとか、歩いて数メートルの席の人と話したことがないという状況も平気で起こります。まして、今は在宅勤務が一般的なので、すれ違いざまに挨拶をすることすらありません。そのような状況で、新規社員が既存社員との関係性を築いていくには、やはり会社がきっかけづくりを行うべきだと思います。

どんなにコミュニケーション能力がある人でも、新しい組織で、自ら溶け込むきっかけをつくり出すのは難しいものです。多くの組織が社員を迎え入れる時に、充実した交流の場を設けてほしいと思います。

成果発表プレゼンで貢献欲求を満たす

もう1つ、manebiの取り組みで共有したいのは「成果発表プレゼン」です。
これは、3か月間のオンボーディング期間の最初(2週目)と最後(12週目)に、新規社員が既存社員を前に行うプレゼンになります。最初のプレゼンは、5分間で「3か月間の業務目標」を発表し、最後のプレゼンでは、10分間で「目標達成率」や「今後会社で実現したいこと」を発表します。

この目標設定は、3か月間で充分に達成できるレベルのものを設定します。できれば達成できたかどうかを明確に判断できるものが望ましいでしょう。例えば、「商談を○件、受注を○件とる」とか、「○○について一人でこなせるようになる」といったものです。

なぜ最初にこうした目標を立てさせ、成果を報告させるのか。それは入社初期の成功体験が、今後その人が組織で活躍していく上で、極めて重要だからです。
最初に何かを達成できた経験は、新規社員に心理的安全性を与えます。「自分はこの組織でやっていける」という自信を持ち、モチベーションをさらに高めることにつながる。逆に、新しい環境に入って成果が出せなかったら、申し訳なさや居心地の悪さを感じてしまうでしょう。最初に自信をなくすと、いつまでも本来のパフォーマンスが出せなかったり、会社になじめなくなったりします。
だからこそ、入社初期に結果を出してもらう必要があるのです。

目標達成にはキーパーソンを設置する

とはいえ、入社初期に1人で業務目標を立ててそれを達成し、プレゼンをつくることは大変なことです。そこでmanebiでは、サポートを行うキーパーソンをしっかりと配置して、どんな方でもプログラムをこなせるようにしています。サポーターは、新規社員1名に対し4名体制で構成し、下記の役割で関わっていきます。

サクセスコーチ:業務上の相談を受け、目標設定と達成をサポートする。(同部署の人間)
メンター :不安や悩みなどの解消をサポートする。(他部署の人間)
ティーチャー :会社のMVVへの理解を深め、人間関係構築の技術を伝える(役員)
HR :オンボーディング全体の進捗管理(人事部)


このようにサポーターは複数人設置することが、重要だと考えています。新規社員の幅広い人間関係の構築にもつながりますし、サポーターを1人に限定すると、万が一その人との関係が上手くいかなかった場合に相談できる相手がいなくなってしまうからです。
サポーター陣はそれぞれが新規社員と向き合い、2週間に1回は情報共有のMTGを開いて、お互いの状況を確認します。MTGでは、「新規社員は会社にどれくらいなじめているか」「目標達成には、どういったフォローが必要か」「目標の再設定や軌道修正は必要か」などを協議しながら、今後の教育方法を決めていくのです。

また、このサポーターの中でも特殊な役割をしているのがティーチャーです。ティーチャーは成果発表プレゼンで最後に語られる、「今後会社で実現したいこと」を決めるサポートをします。具体的には、新規社員の人生観やビジョンをヒアリングし、個人のMVVの言語化までを行います。新規社員は、こうしたティーチャーとの対話の中で、自己のアイデンティティを改めて見つめ直し、この会社で自分は何をしていきたいかを理解するのです。

こうしてサポーター陣に支えられてつくりあげた成果発表プレゼンは、現在はオンラインで行われていますが、毎回非常に和やかな雰囲気に包まれます。発表を見守る既存社員のチャット欄は「すごい!」「素晴らしい!」という声がたくさん出ますし、新規社員も3か月のオンボーディングをやり切った達成感があふれています。まさに試用期間を終えて、正式に会社のメンバーとして迎え入れられる場になっていると思います。

今回のコラムは以上です。「人間関係構築のサポート」と「自信を与える方法」について、それぞれ交流会と成果発表プレゼンの取り組みをお話しさせていただきました。これからオンボーディングプログラムを構築する組織の、参考になれば幸いです。
最後のコラムでは、こうしたオンボーディングプログラム自体を「どうブラッシュアップさせていくか」をメインにお話したいと思います

>>>vol.4につづく https://at-jinji.jp/expertcolumn/382

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