組織を強くする「エンゲージメントトリップ」のススメ

働き方改革の時代だからこそ社員旅行にこだわれ!

働き方改革が叫ばれている今だからこそ、社員旅行という社内イベントが果たすべき役割が非常に高まっています。では、人事・総務担当者は具体的にどのようなアクションを起こせばよいのでしょうか。社内イベントを通じた組織開発や人材育成を手がけるリンクイベントプロデュースが、社員旅行が果たすべき具体的な役割と設計ポイントについて解説します。

社員旅行は、「生産性の向上」に貢献する

 「働き方改革」と「社員旅行」がどう紐づくのか? そう疑問に思われる方も多いかもしれません。
実際にこの話をすると、そういったリアクションをいただくこともあります。

ただ、それは「働き方改革=労働時間の削減である」という捉え方をされている方に多いといえます。

従業員の労働時間の削減は、働き方改革の重要なテーマの1つです。一方で労働時間の削減のみが政府が掲げる働き方改革の主意ではなく、もう1つの大きなテーマが「生産性の向上」です。

社員旅行は直接的に労働時間の削減には貢献しませんが、社員旅行を有効に活用することにより、生産性の向上には大きく貢献すると我々は考えます。その理由を順に説明していきます。

エンプロイーエンゲージメントを高めることが生産性を高める

近年注目されているキーワードに「エンプロイーエンゲージメント 」というものがあります。

これは「従業員満足度」とは似て非なるものです。従業員満足度が組織で働く居心地の良さを示しているのに対して、エンプロイーエンゲージメントは会社に対する愛着心であり、会社との絆を示すものだからです。
つまりエンプロイーエンゲージメントが高い状態とは従業員が自発的に情熱をもって事業成果にコミットする状態を言います。

過去に米国の多くの企業では「従業員満足度」を大事に経営してきましたが、業績との相関性は見られず、従業員満足度が高くても経営破綻する企業も出てきました。
これは、従業員の個別の居心地の良さや働きやすさだけが、組織成果に直結するとは限らないことを示唆しており、多様な従業員を組織成果に向けて「束ねる」ことを重要視する動きが高まることになりました。

そこで、「エンプロイーエンゲージメントの向上」という概念が、米国を中心に近年広く浸透していくことになります。
各種の調査で、エンプロイーエンゲージメントの向上は、「利益率の向上」「サービスクオリティの向上」「離職率の改善」につながることが証明されています。

今後、日本企業でも「エンプロイーエンゲージメント」を高めることで生産性向上につながるという考え方が、広く浸透していくと考えられます。
つまり、働き方改革の推進において、この「エンプロイーエンゲージメント」を高めることが重要なキーファクターになると我々は考えています。

エンプロイーエンゲージメントを高める「4つのP」とは?

それでは、このエンプロイーエンゲージメントを高めるために、企業はどうすれば良いのか?
このイシューを考えるにあたっては、弊社が提供しているフレームである「企業の魅力因子4P」という考え方を使うのが効果的です。

このフレームは、自社の持つ魅力について社会心理学をベースに「理念・目的(Philosophy)」「事業・仕事(Profession)」「人・組織(People)」「特権・制度(Privilege)」という4つの因子で分解したものです。
つまり、この「4つのP」を具体的な施策に落とし、メッセージとして社員に発信することがエンゲージメントを高めるために有効となるのです。

そして、このメッセージの伝達の場として、「社員旅行」はとても有効であり、この4つのPを意識した社員旅行のプログラムを設計することで、エンゲージメントを高める効果が期待できます。

社員旅行でエンゲージメントを高めるには?

では、具体的に社員旅行でエンゲージメントを高めるには、どのようなプログラム設計が有効か。弊社が実際に提供させていただいた事例を踏まえて見ていきましょう。

【企業の魅力因子4P】

まず、「理念・目的(Philosophy)」にフォーカスをあて、あらためて自社の理念や存在意義、目的を伝える場を作ることで社員との絆を深いものにしたい場合です。

このケースでは例えば、創業の地など会社が歩んできたゆかりのある場所を巡るという体験を社員に提供するのが有効です。旧財閥系のグループ企業では、新入社員や成績優秀者等を創業の地に連れて行く取り組みをしています。自社が何を目指して設立されたのか、未来に向けて何のために存在しているのかを体感する機会の提供は非常に有効な手段です 。

また、「事業・仕事(Profession)」の魅力を従業員が再確認することも重要な要素です。
この場合、旅行というリアルな場の特性を生かした自社の事業・仕事の魅力を再確認する設計がポイントとなります。例えば、自社の事業の広がり・影響度の大きさを感じるために地方拠点・海外拠点を巡ったり、直接エンドユーザーの声が聞けるような場所を訪れたりする体験をプログラムに加えてみるのが良いでしょう。

先日お会いしたアウトドア用品メーカーの方は、自社製品のユーザーの活用方法を実際に見聞きするため、毎年関東近郊の山に社員旅行を兼ねて登山をしに行くと仰っていました。このように業務中にはなかなか行けない「自社製品やサービスにゆかりのある場所」を訪ねるのは、まさに一石二鳥と言えるでしょう。

そして、「人・組織(People)」の魅力で社内の一体感を形成していくことも大切です。ここを狙いにする場合、チームワークが必要となるようなアウトドアでのアクティビティをプログラムに組み込むのが有効です。

先日、企画のお手伝いをさせていただいたお客様は、これまで、観光地へ向かう行きのバスで朝からお酒を飲み、夜は宴会で社員が出し物をするという慰労を目的とした社員旅行をしていました。このお客様の事業は、複数の顧客先に社員が常駐する業務モデルのため、社員同士の関係性の希薄化が課題となっていました。

そこで、昼食を数十種類の変わった素材を活用してチームでカレーを作る対抗戦にしました。また、日中も、チーム対抗で発想力豊かなクルマを作って競うワークショップ、夜は自社や社員の人となりについての理解を(面白おかしく)深めるクイズ大会を実施するプログラムを実施しました。
その結果、参加者アンケートで「普段関わることのない人たちと自然に会話ができて距離が縮まった」といったコメントを多くいただきました。


チーム対抗のカレー作り対決】

最後に、「特権・制度(Privilege)」を社員旅行でPRするのも有効な手段です。
自社ならではの特別な制度を体感してもらうのも良いですし、もし特別なものがない場合でも、この旅行を通じて社員のために何か手作りのものを提供することができれば、それは紛れもない社員の方々の特権となります。

ある企業では社員全員に社長から直筆の手紙を渡して感謝を伝えています。「ここまでしてくれるのか!」という社員の期待を超える感動体験の提供は、まさに社員が自社で働く喜びを再確認する機会になるでしょう。


社長からの感謝の手紙】

単に社員を満足させる社員旅行ではなく、会社と社員との絆を深める「エンゲージメントトリップ」を!

企業によっては、「全社員が集まる場は社員旅行しかない」というケースもあると思います。
年に1回程度の貴重な場だからこそ、まず「このタイミングで社員に何を伝えて、何を持って帰ってもらうか」という目的を定めてから、具体的な社員旅行の企画を立てることが、社員旅行を「働き方改革推進イベント」に変える鍵といえます。

単に社員を満足させるためだけの社員旅行ではなく、会社と社員との絆を深める「エンゲージメントトリップ」にすることが、社員旅行の価値を高める秘訣といえるでしょう。
(情報は2017年8月時点)

■解説
富樫義久(とがし・よしひさ)
リンクイベントプロデュース 営業企画ユニット マネジャー
リクルートにてさまざまなメディアの商品企画や新規事業開発に携わり、起業を経てリンクイベントプロデュースに入社。

                               【監修:@人事編集部広告制作部】


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「組織と個人の絆を深める『エンゲージメントトリップ』

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