【解説コラム】効果的な採用代行活用法とは? 採用代行の基礎知識から、ケース別のおすすめサービスの特徴まで紹介

採用代行の利点と成功事例を解説。時間とコストを削減し、優れた人材を確保しよう

人材の流動化により採用市場での競争が激化し、採用の難易度が上昇している状況において、採用業務は複雑化し、多くの企業がリソース不足を感じています。
そこで注目を集めているのが、採用代行(RPO)サービスです。

採用代行は、企業の採用活動全体または一部を外部委託することで、高品質な人材を迅速に獲得し、企業の採用コストや時間を削減するサービスです。
多くの企業が効率的かつ質の高い採用を実現するために、採用代行サービスを利用しているのは、採用代行を活用することで、市場競争で勝ち抜くために注力すべき採用戦略の立案や面接・選考などの、コア業務に専念できる利点があるからです。

しかし、RPOサービスの導入を考える際、どのサービスを選ぶべきか、またどのように利用するのが最適かは、企業のニーズや状況に応じて異なります。

この資料では、人事担当者のために採用代行の基礎知識から、ケース別のおすすめサービスの特徴までを網羅的に紹介します。

※この記事は、@人事編集部が企画・制作をした、2023年11月6日公開の@人事e-book「失敗したくない人のための採用代行(RPO)の基礎知識と選び方〜ケース別おすすめサービス紹介付き〜」の内容を編集して構成しています。

目次

  1. 採用環境を取り巻く10の変化
  2. 採用代行とは?
  3. こんなにある採用業務。何を委託できる?
  4. 【ケース別】採用代行を導入すべき範囲とタイミング
  5. 採用代行サービスの違いと12のチェックポイント
  6. 採用代行の費用相場
  7. 採用代行サービスの比較ポイント
  8. 採用代行に依頼するためのフロー
  9. 採用代行に依頼する際に押さえておくべきポイント
  10. 失敗例から学ぶ! 導入成功のカギ
  11. 給与計算システム乗り換え時トラブルの主な原因
  12. 採用代行サービスの導入を成功に導くコツ
  13. 【ケース別】採用代行の導入事例

採用環境を取り巻く10の変化

近年、採用を取り巻く環境は大きく変化しています。具体的に10個の変化に分けて紹介します。

変化01:求人倍率の高止まり

少子化の影響で新卒の人材が採れない現状を背景に、短期的な人手不足の穴埋め補填や即戦力の確保を目的として、中途採用を強化する動きが見られました。
中途採用への需要が急増したことで、再び新卒採用へのアプローチに力を入れる企業が増えたことから、その動きが他社にも波及し、求人倍率が高止まりの状態になっています。

変化02:人材の流動化

日本はこれまで「一つの企業や業種に長く就く終始雇用制度」でしたが、さまざまな職場を経験すること、つまり転職が一般的になりました。
こうした人材の流動化は、採用環境にも影響を与えています。給与の高さも含めて「採用力の強い企業」のほか、カルチャーや仕事の内容など、求職者にとって魅力的な要素を持つ(あるいはそれをPRできている)企業に人材が流れる傾向が強まっています。

変化03:女性や外国人の雇用増加

これまでは、出産や育児でキャリアを離脱しがちな女性を積極的に登用する企業は多くありませんでした。しかし人手不足を背景に、女性の雇用が増えています。同様に外国人の採用も増加しています。
また、日本政府も2016年4月に性差による男女の不平等をなくすために「女性活躍推進法」を施行しました。(2022年改定)

変化04:さまざまなツール・サービスの登場

採用代行やダイレクトリクルーティングといった新たな採用手法のほか、適正検査をはじめとした採用活動をサポートする各種ツールやサービスが増加しています。
これらのサービスを効果的に活用することで、採用環境のトレンドのキャッチアップや採用活動の効率化が期待できます。

変化05:媒体と手段の細分化と増加

新卒・中途採用、業種や職種別ごとなど、求人媒体の細分化が顕著であり、かつ媒体数自体も増加しています。
多くの場合、優秀人材をより確保しやすくするため、あるいは採用活動を効率化するためにツールを導入します。
しかし、ツールとの組み合わせに対応していない求人媒体を活用した場合、管理業務が煩雑になってしまうという事態も発生しています。

変化06:リモートワークの浸透

新型コロナウイルスの影響により、日本社会でリモートワークの導入が急速に進行しています。その影響で、地元や近隣地域のみで採用活動を行っていた企業も全国規模での採用が可能に。
しかし一方で、地域的な制約がなくなったことで新たな競合企業が増え、採用の難易度がさらに上がっています。こうしたリモート化の波に対応するために、採用後の教育体制やリモート社員も参加しやすいイベントの整備充実など、従業員の定着をサポートする施策が重要になりました。

変化07:手間をかけることの重要度が増した

近年の採用活動は、以前と比較して手間が増えています。特に、求める人材を確保するには、市場リサーチとターゲットへの継続的なアプローチが不可欠になりました。
ターゲットの転職意向が低い場合、企業には継続的なフォローが求められます。しかし、手間をかけたから即座に効果が出るとは限りません。

変化08:新卒採用活動時期の前倒しがもたらす採用担当者の負担増

近年、インターンシップ募集の開始時期が早まり、採用活動の前倒しが顕著になりました。
こうした状況下で、24卒、25卒、26卒といった異なる年度の新卒採用活動を同時に進める企業も出てきており、採用担当者の業務が複雑化しているのが実情です。

変化09:給与相場のシフト

業務内容や役割が決まっており、成果に見合った給与を支払う「ジョブ型採用」が増え、給与体系も変化しています。
例えば、エンジニア職の新卒採用では年収800~1,000万円を設定する企業も出てきており、給与の高さが採用力の高さに直結するケースも多く見られます。担当者はこうした局面を理解し、採用戦略を見直すことが求められます。

変化10:情報収集の難易度が上がった

採用に関する変化が急速に進む中、最新情報・トレンドをいち早く把握し、最適な採用戦略を立てる必要がありますが、それが一層難しくなっています。
SNSやウェブサイト、採用関連のセミナーなど、情報収集のためのチャネルも増加しており、その中で適切な情報を選定するスキルが求められてます。

近年の採用市場は、取り上げた10の要因によって大きく変化しています。これらの変化により、企業の人事担当者の負担は日々増大しており、既存の方法だけでは優秀な人材の確保が難しくなってきています。
このような状況下で「採用代行」を活用し、効率的な採用活動を実施することが、企業の持続的な成長と競争力の向上の鍵になるでしょう。

採用代行とは?

採用代行(RPO=Recruitment Process Outsourcing)とは、採用に関わる業務を外部に委託することです。
求人広告の掲載や応募者対応、面接など、採用プロセスの全てを委託することもあれば、一部の業務を委託することもあります。

採用代行でできること

採用の工程は多岐にわたりますが、採用代行会社によって対応できる業務範囲は異なります。
例えば、採用業務に課題を抱えている企業や、採用活動の効率化・コスト削減を図りたい企業は、採用計画の立案から内定者フォローまでをアウトソースするケースが考えられます。一方で、採用業務に自信がある企業や、自社の採用ノウハウを蓄積したい企業は、求人広告の掲載や応募者対応など、一部の業務をアウトソースするケースが多いです。

こんなにある採用業務。何を委託できる?

採用活動は、採用計画の策定から内定者フォローに至るまで多くの業務が含まれます。実際どのような業務を委託できるのか、「採用計画・戦略立案」「募集」「応募者対応・選考」「面接・合否決定」「内定・入社」の5つのフェーズに分けて紹介します。

フェーズ01:採用計画・戦略立案

採用活動を開始する際の基盤となるフェーズです。採用の目標、方針、要件を明確に定義し、全体の戦略を立案します。

採用計画・戦略立案は、採用活動の成功を左右する重要なステップです。
採用の目標や方針を明確に定め、採用活動全体の戦略をしっかりと立案することで、優秀な人材の確保につなげることができます

フェーズ02:募集

採用活動の第2のフェーズです。採用目標に合わせて、最適な募集方法を選択し、応募者を増やすための取り組みを行います。

このフェーズは、採用代行サービスの活用が特に効果的な段階です。採用代行会社は、さまざまな広告媒体や採用手法のノウハウを有しており、自社で行うよりも効果的な募集活動が期待できます。

フェーズ03:応募者対応・選考

採用活動の第3段階として、応募者から最も適切な人材を選び出すフェーズです。

選考を代行するサービスもありますが、最終的な合否判断は行わないのが一般的です。主に、指定された基準に基づく初期のスクリーニングを担当します。応募者の管理は手間がかかる一方で誰が行っても結果が変わらないため、最も採用代行サービスに依頼されている業務の1つです。

フェーズ04:面接・合否決定

採用活動の第4段階として、応募者との面接を行い、その結果に基づき合否を決定します。

面接の実施を自社のコア業務と位置付けるか、外部に委託するかは、企業の方針によります。面接を代行するサービスも提供されているため、その利用を検討することも一つの選択肢といえるでしょう。ただし、最終的な合否の判定は企業自身が行うことが一般的です。

フェーズ05:内定・入社

採用活動の第5段階として、内定者を無事に入社させ、早期の活躍をサポートします。

内定者は、入社後のことを不安に思っているものです。不安や疑問を解消することで、入社への意欲を高めることができます。研修や交流会の開催、定期的な面談など、内定者とコミュニケーションを密にする機会を設けましょう。内定者フォローや入社手続きを自社で行うのが難しい場合は、採用代行会社に依頼するのも一つの方法です。

【ケース別】採用代行を導入すべき範囲とタイミング

自社の状況や課題によっては、採用代行サービスの導入が採用成功への近道になる場合もあります。
ここでは企業の採用シーン・課題を12例挙げながら、どのような範囲やタイミングで採用代行サービスが活用できるかを解説します。

CASE01:初めての新卒・中途採用

新卒・中途いずれも支援実績が豊富なサービスがおすすめ!
採用活動が初めてだと、そもそも何から始めたら良いか分からないかもしれません。どのような採用戦略が効果的か、どの媒体を利用すべきか、どのように選考を進めるべきかなど、これら全てに試行錯誤を必要とします。しかし、採用競争は激しさを増しているため、初動が遅れてしまうと求める人材と出会えないリスクが高まります。こうした企業は、採用代行サービスを利用してサポートしてもらうと同時に、優秀な人材を引き寄せる戦略について聞いてみましょう。

CASE02:支店や店舗数が多い

各拠点の採用を一括で請け負うサービスがおすすめ!
多店舗展開している企業は均一な採用活動を行うことが求められますが、労働市場やニーズは地域によって異なります。その上、各エリアの責任者や店長に採用を任せてしまうと力量にばらつきがあったり、求人情報を得る場所がさまざまで同等の成果を得られない可能性も。各店舗の採用を一括で請け負う採用代行サービスを効率よく利用すれば安定した人員供給が期待できるとともに、現場の従業員が本業に専念できます。

CASE03:大量採用する必要がある

大量採用に関する知見や実績が豊富な大手のサービスがおすすめ!
一時的なプロジェクトや季節のイベントなど、短期間で大量のスタッフを確保しなければならないシチュエーションは、採用担当者に多大なプレッシャーを与えます。大量採用には特有のノウハウやリソースが必要で、これを社内で準備するのは容易ではないからです。数百人単位での採用を前提としたプロジェクトを進める場合、通常の採用活動とは異なるアプローチが必要です。大量採用に関する知見や実績が豊富な大手の採用代行サービスを活用することで採用担当者の工数が削減されます。

CASE04:要件定義と標準化がされていない

前工程から参画してくれるサービスがおすすめ!
求める人材の条件を明確にしないと求職者と企業間の認識にミスマッチが生まれ、採用成功率の低下や早期離職を招く可能性があります。人材要件や採用活動全体のプロセスなどを指す「要件定義」を含む業務フローが標準化されておらず、さらに採用担当者が複数いると、採用活動に一貫性がなくなります。
自社で要件定義できず、業務標準化できていないときには、前工程から採用代行サービスに参画してもらい、一貫したレベルでの採用活動をサポートしてもらうのが良いでしょう。

CASE05:採用担当者の働き方改革と業務平準化

採用業務を全般的に代行してくれるサービスがおすすめ!
採用担当者の業務は季節によってピークが存在し、特定の時期に業務負荷が増加することがあります。例えば、新卒採用のエントリーシート審査や就活イベントなどは一定の期間に集中します。
しかし、コンプライアンスのために働き方改革を推進し、採用担当者の業務を平準化しようと努める企業も少なくありません。そうした際に、採用代行サービスを利用するのも一つの手です。

CASE06:採用担当者の後任がいない

採用業務を全般的に代行してくれるサービスがおすすめ!
採用活動は企業の成長につながる大切な業務です。
採用担当者が退職して後任が不在だったり、そもそも自社に採用担当者がいない場合、担当者育成までの「つなぎ」として採用代行サービスを役立てるケースもあります。

CASE07:採用活動に借り出される部門からの反発

採用業務を全般的に代行してくれるサービスがおすすめ!
採用部門に所属していない従業員がグループワークなどの採用関連業務に駆り出されることもありますが、ミッションや目標に対するズレ、またリソースを割くことへの不満を招き、ときに反発を受ける恐れもあります。
採用代行サービスを利用することで各部門が本来の専門業務に注力でき、必要なリソースも確保されます。

CASE08:募集ポジションが幅広い

多岐にわたる業界や職種に対するノウハウを持つサービスがおすすめ!
異なる職種や業界知識を要するポジションが複数ある場合、内部での採用活動は複雑化します。例えば、ITエンジニアから販売スタッフ、管理職まで、多岐にわたるポジションを同時
進行で募集する際、それぞれのポジションにマッチした採用戦略や募集メッセージ作りが必要です。採用代行サービスは、多岐にわたる業界や職種に対するノウハウを持ち、一つひと
つのポジションに最適なアプローチをプランニングしてくれるため、委託することで工数削減につながります。

CASE09:採用を急がなければならない

自社に直接来てサポートしてくれるサービスがおすすめ!
採用活動で成果を出せず期限が迫っているなど、自社の都合や状況によって採用を急がなければならない場合にも採用代行サービスを利用できます。
代行業者のスタッフが自社におもむいてサポートしてくれるサービスを利用すれば、コミュニケーションも取りやすく迅速に業務を進められます。

CASE10:ノンコア業務に忙しく、手が回らない

ノンコア業務のノウハウがあるサービスがおすすめ!
人事担当者が採用業務も兼任している場合、採用活動におけるノンコア業務や日々の業務に追われ、採用活動に注力できないケースがあります。採用業務は重要だと分かってはい
ても、必ずしもそこに人員を割けるわけではありません。
担当者の手が回らない企業は、採用代行サービスを利用して採用活動を計画的に行いつつ、コア業務に注力するのも良いでしょう。

CASE11:応募者が大量にいる

連携して適切なスクリーニングを行えるサービスがおすすめ!
例えば大手企業などで常に応募者が大量にいる場合、エントリーシートや履歴書を一つひとつ丁寧に確認し、候補者とのコミュニケーションを取るには多くの時間と手間を要します。加えて優秀な応募者を見逃さないためには迅速な対応も必要です。スクリーニングの基準や選考プロセスを明確に伝え、採用代行サービスのサポートを受けることで、そうした採用担当者の負担が大幅に軽減されるだけでなく、公平かつ効率的な選考も期待できます。

CASE12:採用成果が経営成績に直結する

迅速に代行スタートしてもらえるサービスがおすすめ!
企業の成長や事業拡大に伴い、採用成果が経営成績に直結するケースが増えています。
特にスタートアップや急成長を遂げている企業では、新しいポジションの創出やプロジェクトの拡大が頻繁にあり、その都度、新たな採用が必要となります。こうした場合、採用が遅
れるとプロジェクトの進行が遅れ、最終的には経営成績にも影響を与える可能性があります。こうした戦略的な採用活動を素早く行いたい際にも、採用代行サービスは一つの手段になります。

【おわり】


e-bookでは、今回紹介しきれなかった、「採用代行サービスの違いと12のチェックポイント」、「採用代行の費用相場」、「採用代行サービスの比較ポイント」、「採用代行に依頼するためのフロー」、「採用代行に依頼する際に押さえておくべきポイント」「失敗例から学ぶ! 導入成功のカギ」、「採用代行サービスの導入を成功に導くコツ」、「【ケース別】採用代行の導入事例」を紹介しています。採用代行を成功させるためには、自社に適した採用代行サービスを選ぶことが大切です。ぜひ、このe-bookを活用して、サービス選びの際の参考にしてください。

記事企画:@人事編集部

==========
今回コラムで紹介したe-bookはこちらよりダウンロードできます。
https://at-jinji.jp/library/591

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