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オンラインインターンシップの内容を考える際の注意点とは? -メリット・デメリットから徹底解説-

はじめまして。株式会社Works Human Intelligenceで採用を担当しています、我如古(がにこ)マリアンと申します。

「密を避ける」意識が高まっている昨今では、人が多く集まる実地でのインターンシップの開催を控えるケースが増えています。弊社でも昨年から今年にかけて、本来は対面のインターンシップを予定していましたが、働く環境が大きく変化する中で、インターンシップを完全オンラインに切り替えて実施しました。今後インターンシップの企画・実施が増える時期かと思いますが、「集合型のインターンシップをオンラインで実施するためにはどうすればよいのか?」と人事の皆さんの中で頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、弊社が実際にオンラインでインターンシップを実施した経験を踏まえて、オンラインインターンシップのメリットとデメリット、実施するにあたっての企画や内容、実施にあたっての注意点などについて解説いたします。

※こちらの記事は下記の人事トレンド紹介コラム「オンラインインターンシップを企画するにあたって知っておきたい内容とは」を@人事の読者様向けに一部編集させていただいております。
https://www.works-hi.co.jp/businesscolumn/online-internship

目次

  1. オンラインインターンシップを実施するメリットとデメリット
  2. オンラインインターンシップの企画/内容
  3. オンラインインターンシップにふさわしい服装とは
  4. まとめ ~オンラインインターンシップを実施するにあたって考えるべきこと

オンラインインターンシップを実施するメリットとデメリット

企業のインターンシップというものは、昨今かなり一般的になってきました。内容は企業によって異なり、数週間、数か月にわたり就業体験が得られるものから、1日~数日間の集合型のものまで、世の中にはさまざまなインターンシップが存在します。
しかし、コロナ禍を受けてテレワークが定着した今、一般的にはあまり馴染みのなかった、オンラインでのインターンシップという新しい形が定着しようとしています。しかしながら、そこにはもちろんメリットもあればデメリットもあります。主に運営目線からのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

1.コスト削減ができるだけでなく、学生の参加機会を均等に保つことができる
インターンシップをオンライン上で開催すれば、場所に縛られず、コストも気にせず参加できるため、学生にとって参加のハードルが低くなります。また、離れた土地にいる学生同士を含め、より幅の広い交流が可能になります。同時に、運営側にとっても交通費支給などのコストを削減できるというメリットがあります。

2.時間の有効活用ができる/コントロールがしやすい
ブース間の移動などのちょっとしたすき間時間がタイムロスとなるオフラインと違い、オンラインでは移動時間等もないため、時間を有効活用することができます。また、グループワークなどの開始/終了もWEB会議ツールを用いて半ば強制的に進められるため、時間のコントロールがしやすいのもメリットの1つです。

3.運営側の社員同士や学生との連絡が取りやすい
オフラインでは、運営側の社員は各自がそれぞれ離れたところにいることが多く、集まって状況を共有できるのが限られた時間のみとなることが多いです。一方で、オンラインでは常にパソコンに向かっており、チャットツールを見ることができるため、何かハプニングがあってもすぐに共有・対処することが可能です。

【弊社事例】
実際に弊社では、チャットツール上に社員連絡用のチャンネルを作成し(下写真)、その中で運営関係者はリアルタイムに社内連携をとっていました。実際に立ち回るオフラインとは違い、常にPC画面を確認できる状態のため、社員同士の連携は非常にスピーディでスムーズでした。
また、オンラインのインターンシップを実施したことがない人事担当者からすると、特に学生との連絡は取りづらいように思われがちですが、チャットツールを利用することで確実かつすぐに連絡事項を届けることができます。運営側の社員同士だけでなく、学生とのコミュニケーションも比較的スムーズに進めることが可能です。

4.学生に「今」の働き方を見てもらえる
画面越しだとどうしても、「リアルな社風や雰囲気が伝わりづらい」と思う反面、テレワークが浸透した現在の「時々生活音が聞こえる中で在宅勤務をする社員」を実際に目の当たりにしてもらうことで、等身大の社員、そしてテレワークとはどういうものか、という実態を知ってもらうことができます。

デメリット

1.身体に負担がかかりやすい
インターンシップに限った話ではありませんが、1日中パソコンに張り付いているため、眼や肩、腰に疲れを覚えやすいのは事実です。在宅勤務に慣れてきている社員はまだしも、学生は1日中パソコンに向き合うことに慣れていないため、こまめに休憩を挟むことが欠かせません。実際に、事後アンケートや日報では、体力的な疲労を訴える声も多くあったため、ある程度「強制的に」PC画面から離れる時間を設けることも必要かもしれません。

【弊社事例】
弊社のインターンでは2日間にわたり計16時間、PC画面に向き合う必要があり、参加者を飽きさせずに、体力・気力・集中力を保つことが課題でした。そこで、弊社のインターンプログラムは人間の集中力の波といわれている15分の間隔で設計し、集中力の持続時間の限界といわれる90分に1回の間隔で大きめの休憩やコンテンツ切り替えを行うようにしました。
適度なメリハリをつけられたことは、最後まで離脱者のいない長時間のオンラインイベントをやり遂げる上での1つの鍵だったかもしれません。

2.対面と比べて円滑なコミュニケーションが取りづらい
「ちょっとした表情の変化がわかりづらい」「会話が途切れ途切れになる」など、こういった細かなことが積み重なることで、だんだんとストレスが溜まっていってしまいます。初対面同士の学生が大半を占める中、コミュニケーションがスムーズに取れないことはかなりのストレスになります。そのため、冒頭や随所にアイスブレイクなどを挟み、緊張をほぐしていくことでなるべくコミュニケーションを取りやすくすることが大切です。

【弊社事例】
特に、集合型のインターンの醍醐味である、同期や社員とのかかわりの中で刺激を受けたり、助け合ったりする機会をどう提供するか、という課題に対して弊社では、グループワークを採用することで画面越しであっても「一緒に仕事をした」という体験を得てもらえる工夫を行いました。
弊社のインターンに参加した学生の声として以下のような声も頂いています。

・初めはオンラインでのインターンのイメージがなかなかつかず、ディスカッションや発表などをきちんと行えるのかとても不安でしたが、オンラインだからこそ自分から自発的に意見を発信しようという意識が強まりオフラインと変わらないくらい議論ができました
・オンライン上でも実際の業務に類似したものを体験させていただくことができて良かったです。

3. 会社や社員の雰囲気/空気感が伝わりづらい
あくまで自宅からの参加となるため、会社の雰囲気が掴みにくいこともデメリットとして挙げられます。また、オンラインではいくらカメラがONであったとしても、社員同士や同じ参加者たちの空気感を感じることは難しいでしょう。そのため、なるべく1人で行うような作業ではなくグループワークを多く用いたり、アイスブレイクや懇親の場を設けたりするなど、コミュニケーションを多くかつさまざまな形で取るための方法を工夫することが重要です。

【補足】上の画像は、アイスブレイクに利用した「NASAゲーム」(参考:https://heart-quake.com/article.php?p=519

のスライドです。「個の力を集結して組織の意思決定をする力」の大切さを実感してもらうために取り入れたゲームになります。

オンラインインターンシップの企画/内容

オンラインインターンシップ開催のメリット・デメリットがわかったところで、「実際にどのような内容を企画すればよいのか?」を考えていきましょう。目的に応じて企画内容はさまざまかと思いますが、今後インターンシップのオンライン実施を考える際のヒントについて、事例を交えて紹介します。

1.従来のオフラインインターンシップの内容を作り変える

以前からオンラインで長期のインターンシップを実施している企業もありますが、もともと集合型の実地インターンシップを行なっていたところからオンラインに切り替えようとしている企業も多いと思います。そうした企業の多くは、「従来実施していたオフラインのインターンシップの内容をオンラインでもできないか」と考えられている場合が多いのではないでしょうか。意外とオンラインであっても、社員との交流等を、ビデオチャットツールを用いて代替することは可能です。まずは置き換えを行うところから考えてみると良いと思います。

2.時間を細かく切ることで集中を持続させる

オフラインとの最大の違いは、どうしても家から1人で参加しているとだらけてしまったり、内容に集中しづらかったりと、インターンシップ独特の緊張感を得ることが難しい点です。しかし、なるべく1つの作業や話、プログラムを短時間で構成・仕切っていくことで集中力を持続させ、かつ緊張感を保って実施することが可能です。

3.全体進行のコントロールを意識する

集合型であれば、参加者ひとりひとりの目をみながら説明をしたり、学生側の聞き逃しやわからないことに関しても、その場で近くの社員に尋ねることができたりと、全体の足並みをそろえることができます。
しかしながらオンラインでは、全員が説明内容を理解しているか、次のスケジュールを把握しているか、を一望して確かめることは難しく、個々人の瞬間的な見逃した、聞き逃した、に対応することができません。

そのため、弊社ではオンライン開催にあたって以下の事を意識的に行いました。

【1】重要なアナウンスはテキストでも同時配信
→「聞こえなかった」「その場で理解できなかった」部分についての後からの見直しをカバーできた。
【2】投影スライドにはポイントや画像のみではなく、話している内容も文章で記載
→「接続不良で音声が途切れてわからなかった」を回避。
【3】開催日前に、主要連絡先/URL接続先/イベントのタイムテーブル概要を記載したPDF資料を事前配布
→なんらかの理由で離脱してしまった際にすぐに戻ってこられるように、そして先の予定を把握できるように配慮。

4.対社員や学生同士の交流機会を多め、かつ多様な形で設ける

オフラインであれオンラインであれ、インターンシップの目的には、「就業体験を通して会社の雰囲気を感じてもらう」「選考を実施する」「内定者を出し、入社を承諾してもらう」などが挙げられます。ただ、1人で仕事をもくもくとこなすのでは、学生を「会社の雰囲気がわかった」「ここで働きたい」「この企業に自分は合っている」という気持ちにさせることは、難しいでしょう。

先ほどデメリットのところでも挙げましたが、オンラインでは特にそれが難しくなります。グループワークを実施して同僚と働いている疑似体験をすることで、他の学生の能力・レベルを知ることや、懇親の場などを設け、さまざまな部署シーンの社員と交流する機会を持つことで会社の雰囲気を知ってもらい、この人たちと一緒に働きたいという気持ちを持ってもらうこと。そういった体験をオンラインでもきちんと盛り込むことで、インターンシップの目的を達成しやすくなります。

オンラインインターンシップにふさわしい服装とは

さて、少し話が逸れますが、意外と気になるオンラインインターンシップ時の服装。
服装はあくまでも意識を変えるきっかけ作りなので、基本的には企業の方針や企業の服装基準に沿えば良いと思います。

【弊社事例】
弊社の場合は、長時間のリモートワークになるので、服装はリラックスした状態にすることで課題に集中しやすくしてほしいという狙いから以下のように案内を行いました。

◆服装について
服装は自由です。社員は私服を着用して臨みます。

他の理由としては、インターンでは働く社員の普段の姿そのままを学生にもみてもらいたい、という意図で、社員側も普段と変わらない服装で臨むことにしていたため、学生にも同じ条件を案内しました。その結果は、9割の学生が私服で参加してくださいました。
ただ、気を引き締めて参加してもらうための方法として、スーツとはいかないまでもオフィスに訪問できるような恰好を意識してもらうことや、節目節目ではきちんとした恰好をして切り替えを意識する、懇親会は私服でよいなど、メリハリをつけた服装を指定することで、よりオフラインと同様の緊張感を持って実施することが可能になると思います。

まとめ ~オンラインインターンシップを実施するにあたって考えるべきこと

以上を踏まえ、オンラインインターンシップを実施するにあたって考えるべきことを以下にまとめてみました。

  • 今考えているオフラインの内容をオンラインにできないか?
    できない場合、どのようにすれば実現可能か?
  • 学生が集中し、きちんと濃密な体験ができる内容になっているか?
  • インターンシップの本来の目的が達成できる内容になっているか?
  • 身体的に疲労が溜まりやすいことを考慮した内容になっているか?

オンラインインターンシップは企業によっては慣れない取り組みであるため、うまくいくのか不安になることも多いと思いますが、オンラインでの実施だからこそのメリットも多くあります。オフラインでできないからやらないのではなく、オンラインでより効果的なインターンシップの実施を検討してみてはいかがでしょうか。【おわり】

※【編集部注】コラム内の画像はすべて株式会社Works Human Intelligence社提供

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