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アメリカで注目される「こんまり」と進化する「5S」

今、アメリカで最も有名な日本人といえば、片付け術の「こんまり」こと近藤麻理恵さん。

NETFLIXで放映されている「KonMari~人生がときめく片付けの魔法(原題:Tidying Up with Marie」)が全米で大ブームを巻き起こし、「KonMari」はすでに英語で通じる知名度を獲得しています。

そもそも諸外国から持たれる日本や日本人に対するイメージは「几帳面」「真面目」「きれい好き」ですから、こうなってくると、日本人なら誰もがきっとKonMariのように片付けが得意だろうと思われるようになってしまいそうな勢いです。

「ホーダー症候群」と職場環境

「片付け」はアメリカでも多くの人にとって長年の課題です。家自体が大きいので、そこにモノを溜め込むと、当然すごいことになります。

個人向けの貸倉庫ビジネスは何年も前から一般的となっていて、家に置ききれないモノは手軽に借りられる貸倉庫にしまっておけば、ちょっとした罪悪感から逃れられる……。そんな流れが、さらに貸倉庫ビジネスを拡大させてきました。アメリカも相当な「もったいない大国」だったのです。

そこに可愛らしくエキゾチックな日本人女性が救世主にように現れ、「ときめき(英語では「Spark Joy」という絶妙な翻訳で紹介されています)」なるもので、瞬く間にモノに溢れた家を片付けてしまう!

この感動的な「片付け」は新たな社会現象となり、アメリカでリサイクルショップに持ち込まれる不用品が激増したことがニュースを賑わせました。

過度に片付かない家、モノが多すぎて生活に支障が出ている家……。日本では「ゴミ屋敷」という不名誉な呼ばれ方をされてしまうような家に住む住人は、アメリカでは単に「片付けられないだらしない人」というレッテルを貼るのではなく、一個人に起きている「ホーダー症候群」という精神的問題、生活習慣問題として、本人も周囲も真剣に取り組みます。

そして、「ホーダー症候群」は会社でも現象として起こります。実際に会社や職場にやたらとモノが多い、書類や紙が溢れている、とにかく片づかない、書類やモノは探すもの、という状況は日本企業あるある、なのです。

いわゆる病的なホーダー症候群まで至らないとしても、職場のデスク、デスク周り、書類や物品の取り扱われ方を見ると、社員の心身の状態や、社内の人間関係や働き方の習慣、企業文化まで見えてきます。

職場でのモノ探しは「業務」ではない

企業の環境整備プロジェクトを実践する中で、

【誰のものか、誰の管轄下なのかが分からないモノや書類】

に出くわすことがよくあります。

改めて考えてみてください、所有者、管理者、判断者が即座に分からない、明確になっていないモノや書類が、職場内にあること自体がNGです。

しかし、それに対して誰も何の疑問も持っていない。仮に疑問に感じていても「自分には責任も権限もないのでどうしようもありません。よって放置」という状況が継続されることが多いです。そういったモノや書類に限って、社内で一番便利で誰もがアクセスしやすい「プライムポジション」を占領しているのです。

ある企業で、「自分の入社時には、(誰のものかが分からないモノや書類の山が)すでにそこにありましたよ」と平然と言う入社十数年目の社員の言葉に驚かされました。さらに、勤続20年近いベテラン社員に、「『仕事中に書類を探す』ということは、仕事時間内に行う大事な業務の1つとして、きちんとやっています!」と胸を張られ、「大丈夫か、この会社」と本心で思ってしまったものです。

事実、この会社が近々で倒産することはないでしょうが、社内の雰囲気の悪さ、社員同士のコミュニケーションの不備、古い体制から抜け出せない状況、若手社員の離職、心身の問題を抱える社員が出てきた、などの悪影響は確実に見えていました。

また、目には見えない部分ではあれ、PC内が未整理の膨大なデータやメールで無法地帯化していて、必要データの検索にムダな時間がかかったり、PC機能が低下していたりすることもあります。これ、「デジタルホーダー」と言う名前がちゃんとあるのです。

「何か変じゃないか」という小さな違和感に気付けるか?

【何か変じゃないか?】

という小さな違和感に気付けるかどうかは、職務、業務においても、危機察知能力、判断力、創造力の指針にもなるものです。

ホーダー症候群の治療も、こんまりスタイルのときめきの片付けも、改善の鍵となり最終ゴールへ導くのは、【自ら幸せを感じるようになる】【心から笑えるようになる】という、極めて個人的な感情のヒーリングを行うことにあります。

残念ながら、個人的な感情のヒーリングを主軸にした片付け方法を会社組織に導入して実践していくことは不可能です。だからこそ、職場では個人の感覚に向けどころは

【何か変じゃないか? 業務遂行の妨げになってないか?】

という違和感の察知能力。この感覚すら麻痺してしまっているホーダー症候群の企業文化は(多いですよ! 日本!)、いち早く改善すべきです。

にっぽんのお家芸「5S」は進化する

職場の片付けと言うと「ああ、『5S』ですね」と言われるほど、整理整頓実践の「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」は有名です。5Sは、日本の製造業界で職場の安全確保と競争力強化のための創意工夫の中で生まれたものです。

名だたる経営者もその重要性を説き、例えば日本電算の永守社長は、この5Sに「作法」を加えた6Sにアレンジし、それが確実にできることを優秀な社員の評価の位置付けにしています。

近年では、製造業界のみならず、一般企業でも5Sを使った片付けや整理整頓を職場環境改善や働き方改革の一環として導入する会社も増えていますが、それでもなお、「片付かない会社」が多いのは5Sをタスクやルールとして社員に強要するからです。

5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)のコンセプトは言葉としても明確なので、一見誰でも理解できそうですが、そこに「押し付けられている感」があっては、社員一人ひとりの思考と行動には浸透しないのです。

【人間はときめかないものに反応できない】

これですね!

職場の状態を「まあ命には別状もないし、とりあえず業務はこなせているので」と言ってしまう、「自分のものではない、自分にそれほどの責任が及ばない」と思っている社員に対して、ときめきや「Spark Joy」を求めることは不可能です。

会社の場合、社員一人ひとりが「毎日どんな気持ちで会社に来ていますか? 仕事が好きですか? 仕事をすることにときめけますか?」、ここが職場の片付け改革のポイントとなるのです。

整理整頓された状態を保つことは、いつでも誰でも「社内に何の業務に関わる何がどこにあるのか」が分かり、アクセス可能な状態を構築できているかが、業務効率に関わる重要なポイントとなります。

7つ目の「S」で会社は進化する

今後の日本に必要なのは7つ目の新たな「S」。それは「しあわせ」もしくは「スマイル」、要するに社員幸福度と社員エンゲージメントです。本来、職場環境において最も重要でありながら、これまでは最も軽視されてきたものです。

5Sという「職場の美化」の作業も、その本質は働く者の考え方や意識を変えることです。職場の美化は他利の精神を育み、最終的なゴールは社員一人ひとりが個々にしあわせとときめきを実感することなのです。

  【7つ目のSは「しあわせ」「スマイル」のS】

職場での整理整頓は「モノへのときめき」ではなく、社員幸福度の向上に影響を与えます

これからは、おなじみの5S、6Sに加えて、「しあわせ」「スマイル」という新しいSが加わって、「7S」で完成すると提唱させていただいています。5Sの進化型となる新しいSは、企業全体が社員幸福度の向上に取り組まなければ得られないものなのです。

人間の「ときめき」はストレートに幸福感につながっています。社員のデスクやデスク周りの状態、社内の整理整頓具合と、社員幸福度のときめき具合を把握してみることから始めてみてはいかがでしょうか?

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