近年、採用時期の変動、Webを使った採用手法の多様化などによって、優秀な人材の確保は多くの企業が直面する課題となりました。そこで、効率的に採用活動を進められるように採用代行(RPO)を使う企業が増えました。このページでは、採用代行(RPO)をスムーズに導入・運用するためのステップを紹介します。
目次
企業が採用代行を依頼する前には、何を準備し、どのようなフローを経るのでしょうか。ここでは、採用代行の事前の打ち合わせから運用開始までのステップを解説します。
企業側と採用代行業者との初めての接点となる事前打ち合わせでは、双方の期待値をしっかりと確認し合いましょう。自社の採用活動が抱えている課題、求める人材像、予算、採用実績などを洗い出して、採用代行業者に伝えておくことで、この後のステップがスムーズに進行します。
また、過去に採用代行を使ったことがある場合は、そのときの結果や課題感についても共有しておきましょう。より最適な提案を受けやすくなります。
採用計画・目標の共有では、企業のビジョンやミッションをもとに、具体的な採用計画を策定し、目標を定義しましょう。「どのような人材を、どれだけ、どのタイミングで採用したいと考えているのか」という計画を共有することで、採用代行業者もより的確な提案が可能となります。
代行してほしい具体的な業務内容とその範囲を詳細に話し合いましょう。どの部分を自社で行い、どの部分を採用代行業者に任せるべきなのか、明確に役割分担することで、無駄なコストをかけてしまうことを避けられるだけでなく、後々のトラブルも防げます。
採用目標や代行業務範囲をすり合わせた後は、提案されたプランに対するコストと、それが予算内に収まるかをチェックしましょう。料金という定量的な部分のみ見てしまいがちですが、費用対効果については「採用業務を代行してもらうことで人事担当者のリソースが空き、他のコア業務に専念することで組織全体の生産性が向上する」という定性的な効果についても加味するようにします。
また、追加オプションや後から発生し得るコストについても、この段階でしっかりと確認しておきましょう。
予算や進め方について合意が取れたら、実際の採用活動が始まります。採用計画に基づき、採用代行業者が依頼を受けた範囲の採用業務について、企業と連携しながら進めていきます。
また、採用代行業者と企業との間で、どのような形で、どれくらいの頻度でコミュニケーションを取り、応募者データや進捗データをどのように共有するのかもこの段階で明確にしておきましょう。リアルタイムでのデータ共有が可能なシステムを利用すると、スムーズな運用が可能となります。
採用代行業者と契約した後、どのようなプロセスで進行していくのでしょうか。ここからは、キックオフミーティングから定期的な進捗確認まで、依頼後の採用代行フローを詳しく紹介します。
キックオフミーティングでは、プロジェクト全体のスコープやそれぞれの役割、採用人数の目標などを共有します。明確なゴール設定と、それに向けたロードマップを確認し、全員が一致団結する場としましょう。
定期的なフィードバックのサイクルを設定し、進捗や問題点をタイムリーに共有し、改善していく体制を作りましょう。
採用代行業者の専門的な知見を活かしつつ、企業の採用プロセスを見直し、効果的な採用活動を実施できるように最適化しましょう。これには、求職者とのコミュニケーション方法や採用フローのブラッシュアップが含まれます。
現在の採用プロセス、使用しているツール、採用に関するデータを詳細に分析して、無駄にコストがかかっている部分がないか、効率的に進められる箇所がないか、進めながら適宜ブラッシュアップしていきます。
採用代行業者は、企業のアピールポイントを最大限に引き出し、効果的な求人広告やコンテンツを制作することで求職者にアプローチします。その時、人事担当者はコンテンツ制作に必要な情報を提供するようにしましょう。
自社の創業ストーリーや従業員の働きやすさを向上するための取り組みなど、自社の魅力につながる資料を事前に洗い出しておきましょう。
定期的な進捗確認では、採用活動の状況を把握し、必要に応じて戦略を修正します。採用代行業者とのコミュニケーションを密にし、常に最適な採用活動ができるように調整を行います。
採用活動を通じて得られたデータやフィードバックを双方で共有し、改善点や新しいアプローチを常に検討しましょう。特に、面接や選考を通じて感じた企業イメージや求職者の反応を共有することで、より良い採用活動が展開できます。
採用代行をスムーズかつ効果的に利用するためには、事前の準備と正しいパートナーの選定が不可欠です。以下では、採用代行に依頼する際のポイントを具体的に解説します。
採用代行を効果的に利用するためには、自社の採用課題をあらかじめ理解しておくことが重要です。
「新卒採用の母集団形成がうまくいかない」「求人広告の原稿を作成してほしい」など、具体的な課題を洗い出すことで、採用代行業者とのコミュニケーションがスムーズになり、より適切なサポートを受けることができます。
採用代行業者選びでは、自社の運用ルールやカルチャーに合った業者を選ぶことも大切です。
元の運用ルールが非効率的だった場合は採用代行業者と一緒にブラッシュアップしていく必要がありますが、最初から全てのやり方を業者に合わせることで人事担当者の負担がかえって大きくなる可能性もあります。業者によっては、固有の運用ルールや方針があり、それが自社と合わない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
より適した業者を選ぶためには費用面も重要なポイントです。代行業者にコストをかけすぎると、採用活動全体の予算を大幅にオーバーしてしまうこともあります。複数の採用代行業者から見積もりを取り、サービス内容と費用を比較検討しましょう。ただし、コストだけでなく、サービスの質やサポート体制も考慮に入れることが大切です。
採用代行に依頼することで、企業は採用業務の効率化と質の向上を実現できます。自社のやり方に適したパートナーを選定することで、効率的な採用活動が可能となります。採用のプロフェッショナルに業務を委ね、採用のコア業務に注力することで企業の成長を加速させましょう。
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※こちらのページに掲載している情報は2023年10⽉時点のものです。
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